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第8話 零面相のナイフ

どうも、最弱の物書きガチ勢のχダニャンです。


前回の後書きで過去編最終回と言ったな、もれなく嘘だ。

次こそ過去編最終話だわ(遥か遠い目)

テーブルに乗せられた大皿からクロッシュが店員により取り除かれる。当たり前のように店員は満面の引きつった笑顔である。それと同時にヘレンは覚悟を決めて息を飲む。


そしてついにクロッシュのベールを脱ぎ去り姿を露にしたゴライアススコーピオン。黒光りしてる胴体に付いている六本の足は全てぐったりと皿の上に投げ出されている。毒針の尻尾もまた然り力なく横たわっていたその様はまさに炎天下のアスファルトの上で野垂れ死んだ虫のそれであった。毒線は流石に除去されている。そら致死毒だから当然ではあるのだが。


うわっ・・・せめて見た目は気にしろよ、ちゃんと料理を提供する気ないだろ。明らかにコックも触りたくなかったんだろコレ。誰も喜んでないじゃんこの料理、誰得だよマジで。


そしてボディビルダーみたいにテカテカしてる、複眼全部に私の顔映り込んでるし・・・


あ、わかった無理なやつだコレ、だって奴さんチャバネGみたいだもん。複眼が全部アタイにガン飛ばしてるもん。なに?あの黒光りしたボディーに乗せられたハーブ。無理だよ?誤魔化せないよ?その凶悪な見た目はハーブごときでカモフラージュ出来るものじゃないからね?


「変な形の海老だね」

「ファッ!?」


ルミアの言葉に心臓をすっぱ抜かれ軽く目玉が飛び出しそうになった。変な声は確実に出た。


「私変なこと言った?」


ルミアが首をかしげてヘレンの顔色を伺う。先入観がないのだ、それを差し引いてもこのサイズの虫料理に怖じ気づかない根性は実にサバイバル向きである。ペンナ王妃はメッチャ虫苦手でヘレンも影響を受けて虫が苦手になったというのに、一体誰に似た豪胆であろうか。


「そうですね!海老に似てますね!」


これ以降ヘレンは海老を食べられなくなった。


「でもこのハサミは蟹みたいだね」


これ以降ヘレンは(以下略)


ルミアは蟹の部位の中ではハサミの部分の身が一番好きで一番最初に手を伸ばす。成人男性の胸部ほどのハサミを素手で鷲掴みへし折ろうと試みる。


「うっ、ルミア様男前・・・」

 

ヘレンのうめき声にも似た呟きはルミアには聞こえなかったようだ。


「んん~!!硬い・・・!!」


あ・・・

ヘレンが次の展開を察した。


「ねぇヘレン硬くて折れない・・・折ってくれる?」


そらそうだ調理されているとはいえど、城の兵士の武器では刃が通らない魔族の装甲である。子供の力でどうにかできる訳がないのだ。


「はい!よろこんでー!!(白目)」


笑顔でチャバネGのようなテカリ具合の胸部サイズのハサミに手を伸ばす。ハサミに触れてわかったがとてつもなく細かい毛が生えている。『俺はここに生えているぞ』と言わんばかりの存在感抜群のゴワゴワかつチクチクした手触り絶妙な不快感が指と掌を伝う。


 チャハ☆地獄♥

 ヘレンの精神は崩壊間近だ。


「ヘレン?」


ルミアがヘレンの顔つきが変わったのを察して声をかけた。


迂闊だった、なんでこんな所に来たのか。後悔しつつヘレンはゴライアススコーピオンのハサミを勢いに任せて引きちぎる。


この店に来たことを後悔したわけじゃない。なぜ()()()()に座ったのか。後悔しているのはその事。


「伏せて!!」


ヘレンが叫び身を乗り出してルミアの頭を押し下げる。それから数瞬遅れて7~8本の矢が窓を砕き店内に飛び込んできた。


引きちぎったハサミでヘレンの頭部に向かってくる矢を3本弾く。ゴライアススコーピオンのハサミは当たり前のように矢などでは傷一つ付かない。


「っ!!」


ルミアの頭を押えた左腕と左腿、2ヶ所を射ぬかれる。それだけではない、矢が刺さった場所から電撃のように全身に拡散する激痛。知っている、この感覚はゴライアススコーピオンの毒だ。


「きゃぁあああぁあぁぁぁあ!!!!」


店内の客の叫び声が上がり店内はあっと言う間にパニックに陥る。


店の外へと我先にと人塊が流れ出口を塞いだ。お互いを押しのけ自分だけが前へ、前へ。ほぼ全員が同じ行動をすることでほとんど人が出ることができない状況を生み出した。知性のある人間とは思えない愚行、あるいは動物的な本能故か。どちらにせよ血管を詰まらせる血栓のようにお互いの行く先を遮った。つまり、唯一の出入口から逃亡するのは不可能になったのだ。


「ヘレン!?」


ヘレンの左腕から吹いた雫がルミアの頬に赤い斑点を作る。

その生暖かさでヘレンが攻撃されたことを察した。


「う・・・ぐッ!!」


痺れた手で刺さった二本の矢を無理やり引き抜く。

本来体に深く刺さった物を自分で抜き取るのは得策ではない、大量出血の原因になる可能性があるからだ。だがそれが毒ならば抜かなければならない。それに引き抜いても大丈夫な理由がもうひとつあるのだが。


それよりも追加の矢が飛んで来る気配がない、ということは次は店内に敵が侵入してくるつもりだ。ゴライアススコーピオンの毒矢などそうそう用意できるものではない。恐らくすぐさま回収にしたいだろう。恐らく証拠隠滅も兼ねて。


ふざけやがって、こっちから潰しに行ってやる。


「ルミア様はテーブルの下に潜っててください」


ルミアは泣きそうな顏でヘレンを見た。


「ヘレン、血が・・・」

「大丈夫ですよ、犯人はルミア様を狙ってます、絶対に動かないで」


ニカっとヘレンが笑って見せた。


「駄目!危ない!!私なんか捨てて逃げて!!」

「はい出た、遠慮癖~」


ヘレンがルミアのおでこをピンっと弾く。


「いたい!」


「怖いクセに気を遣うんじゃないよ、大丈夫だから待ってな」


ヘレンの口調が変わった。それだけなのに心底頼もしく見えた。ルミアの頭を撫でてからスカートをたくし上げて右の太ももに隠していたナイフを取り出す。


「・・・ヘレン」


ガラスを踏み鳴らしテーブルの上に立つと割れた窓から外へ飛び出していった。  


「**・***参る」


ヘレンが飛び出す直前に呟いた言葉は、ガラスと風の音でほとんどかき消されて聞き取ることが出来なかった。

ヘレン出しゃばり過ぎじゃね

容姿説明一切ないキャラのクセに。

まぁ容姿説明する気ないですけどね

コイツに至っては。


他の容姿説明無いキャラはモブ、もしくは書き忘れです

決して説明をサボっているわけではないです

忘れているだけです、サボりじゃないです。

ホントですってば説明忘れてるだけなんですってば

サボりちゃいますって。

サボりじゃねーって言ってるだろうが、なんだその目は

ちょ、よし、こっち来いや、お前根性叩き直してやる

よし、おい覚悟しろコンニャロー

あ、ちょ、強・・・待っ、やめ・・・

ごめんなさい!もうやめて下さい!!痛い痛い痛い痛い!!

ギブギブギブ!!土下座します!!土下座しますからっ!!

すいませんでした、調子こいてました。

もう二度と逆らいませんので許して下さい。

もう勘弁してください、許して下さい・・・

もうホント二度と調子こいたマネしないと誓います。

猛省します・・・ご指導いただきありがとうございました。


え?教育料??

あーですよね!!あはは!!取ってきまーす!!


『χダニャンは逃げ出した!!』 

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