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第40話 絶望と断末魔

どうも、相も変わらず嘘つきガチ勢のχダニャンだよ。

書くこともないからいいかな。もう本編入っていいかな?

今回はマジで書くことないのよ。

ほんと、ネタ切れだよね。

でも考えてみたらここで頭捻るのって時間の無駄だし

別に問題ないんだよね。

すんなり本編入れる方が読者的にも万々歳だもんね。

そうだよ、そうに決まってるんだ。

じゃあここで無駄な垂れ流してないで

さっさと(以下略)

パーティーの準備も一通り終わり、あと一品の料理が完成するのを待つばかりとなった。ハーブが無かったので添えられなかったがまあ問題はないだろう。


ルミアが蒸し釜の前でゴライアススコーピオンの蒸しあがりをひたすらに待っている。ゼロ距離でしゃがみこんで鬼待機するその様はまさしく動かざること山のごとし。


そしてその間ルミアの腹の虫が鳴りっぱなしだ。


「大丈夫かこの子?」

「腹が空きすぎて幻覚見てるんじゃないのか?」


心配の声が飛び交うがルミアの耳には届いていない様子。

ペリカンとハシビロコウを掛け合わせたような外見の魔族が恐る恐るルミアに赤い果実、とどのつまりリンゴを渡すと餓えた獣のようにかぶりつきなんと10秒程で平らげてしまった。芯も種も、ヘタすらも残っていない。これには周囲の魔族もドン引きである。


しかしルミアは丸2日何も食べていない。城では食事は出してもらえないし、ガーターとの食事は潰れてしまい、挙げ句には身体も心も摩耗していたのかハエトルに運ばれたあと日を跨ぐまで寝込んでいたのである。リンゴにむしゃぶりついても仕方がないというものだ。


「なぁ姉御、腹減ってるならつまみ食いしてもいいんだぜ?」

「いい、パーティー始まるまで待ってる」


蒸し釜とにらめっこしたままルミアが答える。


「そうか、わかった。でも我慢出来なくなったらその辺のものつまみ食いしてくれよ」

「うん」


大丈夫、果実は反射的に食べてしまったけどまだ我慢はできる。思い出の料理を空腹の状態で迎え入れたい。だから私はパーティーが始まるまでお腹を空かせておきたいのだ。


これ以上何か胃に入れてしまえば多分歯止めが効かなくなる。

パーティーが始まる頃には満腹になっちゃうかもしれないし。


そういえばこの料理、今思い返すとヘレン嫌そうな顔してたなぁ・・・


ヘレンか・・・今はヘレンどこにいるのかな。会いたいな、会いたいよ・・・ヘレン・・・


あ~あ

ダメだなぁ、少しきっかけがあればすぐにヘレンヘレンって。

もう進む道は違ってしまった振り向かないで私も進まなきゃね。・・・・・・そろそろ蒸しあがるかな。


蒸し釜を開けるとカブトムシの臭いを凝縮したかのような蒸気が顔を包む。


「げほげほ!!うわっクッサイ!!」

「姉御どいてどいて!俺達が運ぶから!うわ、クッサ!なんだコレ!!」


ゴブリンが調理された熱々のゴライアススコーピオンを取り出す。力なくダラリと垂れ下がる四肢(正確には十肢)は

まさしく溺死して子供に引き上げられた虫の死骸そのものである。とてもじゃないが食すものには見えない。


周囲の魔族達も「うわぁ・・・」と嫌そうに目を反らしたり、距離を離そうとしたり、ありとあらゆる多種多様な拒絶反応が

散見している。


そして僅かに間が空いてから濃縮されたカブトムシの強烈な香りが厨房を包む。


「うわッなんだコレくっさ!!」

「いやいやいや!!無理だろ!コレ食うの絶対無理!」


一部の魔族から悲鳴にも似た声が聞こえてきたがざっと見一番多いのは満面の引き吊った笑顔だ。


コレを食うとかお前正気か?と、心の声が漏れてきそうな気がする。いや、多分聞こえないだけでこの中の誰かは口走ってる。絶対いる、あ、さっきの蛙の魔族、目を背けたな。刺すよ?


ていうかなんで?臭いはともかく美味しいのに。食わず嫌い多すぎない?


「っていうかどうやって殻外す?」

「並の道具じゃ傷ひとつつかないぞ」

「じゃあ仕方ないやっぱり破棄の方向で・・・」

「あ、私のナイフでいけるよ大丈夫」

「」


誰も何も言わなかったが満面の苦笑いの比率がグンと伸びた。私の一言で周囲に絶望が満ちたらしい。


それにしても前にコレ出てきたときはこんな臭いしなかったんだけど・・・もしかしてハーブ無いせい?そうだとしたらハーブってすごい重要だったんだね・・・


「よっこいしょっと」


ゴブリンが大皿にゴライアススコーピオンを乗せる。

以前見た光景と同じで無残にもハサミにアシにハリが皿の上に

投げ出された虫の死骸。


辺りの反応も以前と同じだ、種族の壁って案外低いのかも?


ともあれ中の味には変化ないでしょ・・・多分。

兎にも角にもまず殻を外しちゃわないとね。


ナイフを取り出しハサミの殻に刺し込む。

特に抵抗を見せずすんなりと刃が通るとさっきまでの反応と違い辺りから「おお・・・」と感心の声が聞こえてきた。


やっぱり相当硬いんだよね、ヘレンがハサミで矢を弾いてたもんなぁ。


「さて、剥けた剥けた」


記憶の通り純白の美しいプリップリの肉が硬い殻の下からその姿を現した。


あ~!見たら我慢なんてできない!

指を突っ込んで一つまみして口に運ぶ。


「んあぁ!美味しい!!ほら!みんなも食べてみてよ!美味しいんだってば!!」

「「「「・・・」」」」


魔族達が一斉にルミアから視線を外し、床とにらめっこをはじめた。皆表情が死んでいる、誰も笑わない、にらめっこに決着はつくはずもない。


誰もが動くことができない。その場の全員が理解しているのだ、『動く』それすなわち処刑の意。


だから待つしかない、皆が皆虎視眈々と自ら犠牲となってくれる希望の勇者を待っているのである。


しかし現実とは実に残酷なものだ都合よく勇者など現れるはずもない。


「・・・」


ルミアが不機嫌そうに眼を細める。

そしてついに恐れていた事態が訪れた。そう、審判の時が来たのだ。


「ねぇ、コレ食べてみて」

「え?お、俺?」


選ばれてしまった犠牲者はルミアをここまで案内したゴブリンだった。緑の顏が真っ青になる。亜種のゴブリンかな?


「あーっと!俺ルシファーに呼ばれてたんだった!!それじゃっ!ごめ(んね)ありがとう!君の犠牲は無駄にしない!!」


蛙の魔族が飛び出して逃亡を図ったゴブリンを羽交い絞めにした。


「うわ!なにすんだ!離せぇ!!離せよ!!」


ゴライアススコーピオンのハサミを持ったルミアがにじりよじりと近づいてくる。


「嫌だぁ!やめてくれぇ!!俺はまだ生き延びたい!!姉御ォ来ないでぇぇぇぇ!」

「うるさい、食べて」


無慈悲。

この一言に尽きる。


ゴブリンが必死に暴れるが周りの魔族が協力し抑え込まれる。ゴブリンに拒否権はない、人権もない。(魔族だから)


「ぎゃあぁぁぁあああああぁ!!」


ゴブリンの口にゴライアススコーピオンの肉が放り込まれる。


「うげぇぇ・・・?んん?」


激しい拒絶反応から一転ゴブリンの動きがしおらしくなった。咀嚼し、嫌がっていた肉が飲み下される。


「なんだこれウッメェ!!!スゲー美味い!!初めて食ったぞ!こんな美味いの!!」


周囲がどよめく。想定外のゴブリンの反応、これは他の魔族も興味が湧くというものだ。


「そ、そんなに美味しいのかい?」

「だから美味しいって言ったでしょ?はい、どうぞ蛙さん」

「う・・・うむ」


一口つまむと蛙の魔族は上を向き目から透明の雫を零し「極上だ・・・」と呟いた。


「ちょ!ボクも」

「俺も!」

「わてや!わてが先や!!」


一気に魔族達がルミアに詰め寄る。


「わぁ!まってまって!!今切り分けるから!!」


ルミアがゴライアススコーピオンの頭をナイフでこじ開ける。


すると当然脳みそが露わになる。

カニみそならぬスコみそである。


「「うぎゃぁぁぁああ!!気持ちワル!!

逃げろ!!逃げろぉぉぉ!!!」」


「なんで頭の中こんなグロいんだ!!まるで【自主規制】じゃねーか!!」

「ひぁぁぁ!!!まんま【自主規制】だ!!無理だ今夜もう眠れない!!」

「おえぇぇぇ!!気分悪くなってきた!!だって【自主規制】なんだもん!【自主規制】なんだもん!!」


あっと言う間にルミアが一人厨房に取り残された。


「え?【自主規制】ってなに・・・?」


そんなに怖い?これ・・・???

ナイフでスコみそを掬いペロリ。


「うん、美味しい」

「「「【自主規制】に動じないだと!?ば、化け物だ・・・」」」


化け物たちに化け物呼ばわりされたことなど知るよしもなく、ルミアはスコみそを堪能していた。

悲報。ルミア、魔族目線から出もあの子どっかおかしい認定を受ける。

そうそう、いきなり重要なことなんですけど

この城の魔族達はルシファーのカリスマ性に惹かれているだけで

ルシファーの思想に心から同意しているわけではないです。


あくまでルシファーがそう言ってるから同調しているだけです。

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