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第33話 『お前なんか生まれなければよかった』

明日最も好きなゲームのアプデが来るので次回更新は一週間以上空く可能性がございます

ご了承下さい。


完結までは死にでもしない限り書き切ります。

絶対に打ち切りませんのでそこは信じて下さい。

絶対です

ボク ハ ジンセイ デ ウソ ヲ ツイタ コト イチドモ ナイ アルヨ。

(棒読み)


マジな話この物語で生き残った奴は後の物語で結構なことをやらかすので

重要な話のつもりなんですよ、コレ。

思い入れもある話なので失踪だけはないです。


そうですね最後に一言。

前と同じことを言うのですけどね。


『ルミアがどんなことをしても嫌いにならないであげて下さいね』


そしてこのセリフ、いつかもう一回使います。

逃げるルミア達を執拗に追いかけてくるスラムの住人達。

やせ細った住人達のどこにそんな体力が残っているのか、逃げても逃げても振り切れる気配がない。


向こうも命がけと言うことなのだろう、今日を生き伸びるのに貴族から恵みを貰わなければならないのだ。だったらもう一つの道を指し示すまで。ずっしりと重量のある悪趣味な金ぴかな財布に手を突っ込む。


このことを想定してあの貴族を突き飛ばした時にスったのである。盗みを教えてくれたヘレンに感謝。片手に握れるだけ硬貨を握り豆まきのように追っ手に向かってばら撒く。


すると追手の足はたちどころに滞り屈んで撒かれた金を我先にと拾い始めた。その隙に建物の隙間に駆け込み逃走を続ける。逃げる時後ろを振り向くと心が締め付けられた。必死に少ない硬貨を奪い合う人々。


身を守るためとはいえ『私は何様のつもりなのだろう』と金をばら撒いた自分に罪悪感を覚えずにいられなかった。


でも、だからといって足を止める気はない今、隣に守らなきゃいけない人が居る。


しかし、罪悪感を皮切りに怖いとか辛いとか負の感情が押し寄せてくる。走り通しで呼吸も苦しくなってきた。


「ガーダー・・・助けて・・・」


ガーダーへその声は届かない、血走ったその目が捉えているのは貴族だった。


「なんだ!!化け物みたいな顔しやがって!お前もさっきのガキを追え!!さっさと捕まえて来い!!!」

「俺は・・・」

「金ならいくらでも出してやると言っているだろう!?早く(いけ)金など・・・要らない・・・!!」


ガーダーが力強く踏み込み貴族ガマもとい兄の仇である敵の顏を蹴り飛ばした。


「ゲゴばあぁぁあぁあ!?!?!?!?」


ルミアに突き飛ばされて汚れた自慢の服が今度は土だけではなく鉄臭い液体で汚れる。これはもう洗っても落ちないかもしれない。


しかしガマからしたらそれどころではない、人生で初めてと言っていい程人生最大の危機を感じている。


他人の気配にあまりに疎いガマにさえ突き刺さるような殺気を

感じ取ることができたのだ。


「ひい!なんだ?金か?金ならやるから、命だけは・・・っ!!」


ガーダーは歯を噛み締める。己の歯が欠けるほど力強く。

ガマを睨みつけ欠けた歯を吐き捨ててから言葉を投げつけた。


「次に・・・貴様の顏を見たときは・・・必ず・・・殺す、覚えておけ・・・ッ!!」

「ひぃぃぃぃ!!」


ガマが股間を湿らせて逃げ出すがガーダーに追う気はなく、既にルミアを助けに向かっていた。


ガーダーは最も愚かな選択をした。ガマへの復讐を完全に捨てきることが出来ず復讐へ一歩だけ踏み込んだのだ。切迫した状況で選択肢を突き付けられたとき両方を選ぶのはあまりに強欲である。


結果としてガーダーは中途半端にガマに手を出し己の内の殺意をより強くすることになった。さらに言えばルミアを見失い守ると誓ったはずの相手を危険に晒している。


俺は・・・救いようのない程馬鹿な選択をしてしまった。

間に合うか・・・?


「・・・これが最後!!!」


ルミアが財布に残っている最後の硬貨をばら撒く。


「あ!」


道が続いてい無い、壁だ。来た道を戻ているつもりだったが建物の間を抜けたりしている内にルートがずれてしまったらしい。


硬貨を拾えなかった住人たちがルミア達に迫ってくる。


「あ、あの!」


一緒に逃げていた召使いが住人に声をかけてルミアの手を握る。


「この子を差し出します!私は見逃して下さいませんか!?」


あれ・・・?ヘレン劇場かな・・・?懐かしいことをする人だな・・・


「こ、この子!要らない子なんですよ!!居ない方がいい位なんです!!私はお城で働いてるから私が居ないと困る人がたくさんいるんです!!」


ウソダ ウソダ ウソダ ウソダ ウソダ

ここからどうやって二人で  

切り抜けるんだろう?    

ウソダ ウソダ ウソダ ウソダ ウソダ


「このガキ生意気だったんですよ!!最近文句ばっかりつけるようになってきて!自分の立場勘違いしちゃってさぁ!!!

ゲバルトが大人しくなったと思ったらコイツがしゃしゃり出てきて!!!コイツさえ居なければ全部が上手くいってるんですよ!!!!アナタたちがこんな所で苦しむ必要なんかなかったんですよ!!諸悪の根源のこのクソガキをあの貴族に売りつけましょう!ほら!!今私が捕まえてます!!逃げられないですから!!」


ワカッテル ワカッテル ワカッテル

演技にしても言い過ぎじゃない?

私だって傷つくんだよ?

ワカッテル ワカッテル ワカッテル


シッテイル シッテイル シッテイル

「ねぇ、痛いよ離して・・・」

シッテイル シッテイル シッテイル


「黙ってろよ!!大体なぁ!!

お前なんか           んだよ!」


自分が一番知っていることを兄以外から言われるのは初めてだった。自覚していることなのに他者から言われたという事実を認識できないでいる。


分カっテる 知ッてイる ゼんブ ぜンブ

演技ジャなイっテ事。本心デ言ッてル。


デも、ダけド、嘘だト言っテ?


「ネぇ?私ト一緒二こコかラ逃げヨう?」


「うるせぇ!何回でも言ってやるよ!

お前は           んだ!!お前に付きまとわれてたヘレンだってそう思ってたんだよ!この屑ッッ!!大人しく売られて死ねよ!!!」


全身の力が抜ける。表情は死に感情ない顏から透明な液体がいっぱい溢れて視界が塞がれる。


ルミアの中で何かが弾けて消えた。


嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘

ヘレンは違ウよ?そンな事言ウはズなイ 

嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘


ルミアのポケットから強烈な光が漏れ召使いがその光に弾かれた。


「!?」


住人たちもその光を見てたじろぎ距離を開ける異質な空気を察したのだ。


ルミアは翼のような装飾の施された海のように青く半透明な刃物を握っている。


「ナイフ!?なんでそんな物持ってるの!?」


殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ


ルミアは無表情のまま、それでも涙は流しながらナイフを構えて召使いに向かい歩みを進めていく。


「く、来るな!あっち行け!!来るな!来るなったら!!きゃ!?」


逃げようとした召使いが足を滑らす。立つ間もなくルミアが目の前まで接近している。振り下ろされたナイフは召使いの腕を浅く裂き血が流れた。


「ひゃあ!?血がッ!?ごめんなさい!許して、許して下さい!冗談だったんです!!全部嘘でなんです!怒らないで下さい!!!」


アあ、キれイな赤ダな。

モっトやレばキっトもッとキれイにナるヨね?


「や、やめ・・・嫌ァァアァァ!!!!!!」


誰の声も届かない。ただ綺麗な赤を求めてルミアは握られている物を振り下ろした。

ヘレンのナイフ

正式名称:神器・不幸を啜る者


所持者の涙に反応し形態、性能を変化させる。

所持者の感情がパンクした際は所持者の体を操作し

事態を悪化させ、更なる涙を求める。


感情の無いヘレンには宝の持ち腐れだったが神器共通の特性として

所持者の身体能力を底上げする性質がある為好んでこのナイフを使用していた。


因みに身体能力が上がる以外の特性をヘレンは知らない。

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