第31話 そういう星の下に生まれてしまった
大金出して液晶ペンダブを購入しウキウキしていた俺
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ペンタブ届いて飛び跳ねる俺
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狂喜乱舞でペンタブをセッティングする俺
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HDMI端子が俺のPCについておらず接続不可能という事実にぶち当たる俺
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膝を抱えてむせび泣く俺
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HDMIをUSBに変換するアダプタを知りガッツポーズする俺
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電気屋巡りして発見できず打ちひしがれる俺
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伝説の戦士アマ〇ンで注文することにしてアカウントを持っている弟に土下座で頼み込む俺
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アダブタ届いて今度こそと一念発起する俺
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不良品で接続するも反応しない現実と向き合えない俺
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別のを注文する為再び土下座して手数料2000円徴収されブルーな俺
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今度は不良品じゃなかったからやっと認識してくれるもなんかもうため息しか出ない俺←今ここ
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思うように使いこなせず挫折する←未来図
服屋の店主が走り去ってから15分ほどが経過した。
ガーダーは起きる気配がない。
「ねぇ、ガーダー起きてよ、いこーよ」
ルミアがいくらガーダーの体を揺すろうとやはり起きる気配はない。どうにか叩き起こそうと四苦八苦している内に店主が顔面蒼白で戻ってきた。
大きい荷車を引いているせいであろう。手がプルプル震えている。荷車には白い袋が積まれておりガーダーの風呂敷より大きい袋だ。
店主がルミアの前で止まり肩で息をしながら荷車から白い袋を
降ろそうとしている。
袋を抱えると蒼白の顔面はみるみる赤みがさし真っ赤になった。何とも顔色が忙しい。
しかし必死な店主の表情はどこかひょうきんに見えてしまい
ルミアは込み上げてくる笑いを抑えるのに地味に苦労した。
息も絶え絶えに何とか袋を降ろした、店主は手招きして中身を
ルミアにみせる。
「わぁ・・・服が沢山入ってる」
ルミアが袋の中身を1枚取り出す。無地の赤い服だ。
袋に手を入れてみるとズボンもあるどれも無地だが色とりどりである。そしてどの服もズボンも新しい服の匂いがしている。
袋の中は恐らく全て新しい服なのだろう。
「もしかして全部くれるの?」
店主は会釈しながら手をルミアの方に動かす。どうぞというサインだ。
「わざわざありがとう!」
店主が片目を閉じて人差し指を振る。まだ何かあるようだ。
「?」
店主が荷車からもう一着服を取り出してルミアに手渡した。
「あ!」
前に買ったのと同じ紫のドレスだった以前ヘレンと買い物に来たときに選んだ物だ。気に入ってずっと着ていたので所々小さい穴や落ちなくなった汚れが目立ってきていしサイズもかなりきつくなって来ていたのだ。
「これは私に・・・?」
店主はウインクして両手の親指を上に突き立てた。
「ありがとう!嬉しい!!」
渡された服を抱きしめてぴょこぴょこ跳ね回る様は普通の子供である。
同じ服でここまで喜ばれるとは店主も想定外だったようで鼻と垂らしながら涙を拭っている。この子の純粋な部分に感動でも覚えたのだろか?
ひとしきり泣いてからルミアと握手して爽やかな笑顔で走ってきた方角へと戻って行った。
荷車もパントマイムで使ってくれと言っていたのでありがたく
使わせてもらう事にしよう。
「随分と・・・お人よしな奴だな」
「あ、やっと起きた」
「服に・・・ズボンそれぞれ1000マドルだとして・・・10万は・・・いくんじゃないか?」
「えぇ!?じゅ・・・」
思いもよらない金額に言葉が出ない。店主も割と謎の人物だと思う。
「ん?」
ルミアに一点の疑問が生じた。
お父さん、お母さん、ヘレン、ガーダー、あの店主・・・
もしかして皆どっか変わった人じゃない?お父さんはお母さんにいじめられるの大好きだった。お母さんはそんなお父さんと結婚した。それだけでもう変じゃない?
ヘレンはよくわからないことをよく言ってた。なんだっけ、すまほ?とか、写メ?とか変な板でいろいろやってたし。怪盗とか言ってたし。
ガーダーはいつでもどこでも寝るし・・・
店主はなんも喋らないし・・・
なんだろう、もしかして私ってそういう星の下に生まれたというヤツなのかも・・・
「どうした・・・?何を考えている」
「なんでもな~い、いこいこ」
ガーダーが店主の袋と風呂敷を荷車に積み、そのままルミアを持ち上げた。
「わッ!!何??」
ガーダーは有無を言わせず慌てふためく、ルミアをそのまま荷車に積み込む。
「よし・・・行くか・・・」
「いいよ、歩くよ大変でしょ?」
ついさっき店主が顔を青くして運んできたのだ、かなり重たいのだろうと心配しての発言だったのだが・・・
「心配・・・いらん」
ガーダーが荷車の取っ手を握り車体をすんなり水平まで起こした。
「うわわッ!」
「うん・・・思ったより軽いな・・・座ってろルミア」
「・・・すごい、力持ちだね」
それはそうだ、サボりこそ目立つが現役の軍人である。一般人と比べれば身体の作りが全然違うのだ。
ルミアは荷台の縁に腰を下ろすと足をパタパタさせながら荷車を押すガーダーの背中といつより高い目線の景色を楽しむことにした。
5分ほど荷車に揺られているとガタガタと揺れが酷くなる、道が整備されていないのである。
「そろそろか・・・・ルミア、最後に聞く、スラムは危険だ・・・覚悟はいいか?」
「・・・うん」
再びあの景色が脳裏に鮮明に蘇る、脈動と共に高鳴る恐怖を抑え込み無理に返事をした、ここまで来て引き返す選択などルミアの中には微塵もない。
「・・・わかった」
ルミアの覚悟を汲み『本当にいいのか?』と、もう一度問うのを辞めた。その小さな体のいったい何所にそんな勇気が潜んでいるのか。
ガーダーがルミア位の時は全てを諦めて絶望していた。
自分とルミアでは環境が違い過ぎるのは重々分かっていても情けなかった自分と比べずにはいられなかった。
荷車を押すガーダーの手に一層力が入る。大丈夫だ、今の自分は体も心もあの頃と比べ物にならない位強くなった。
「俺から・・・離れるな・・・絶対に守ってやる・・・」
「・・・うん」
ルミアに言い聞かせるのと同時に自分にも守り抜くと言い聞かせ、兄が死んだ場所へと足を踏み入れた――――
今回のタイトル「そういう星も元に生まれてしまった」は付箋と言うかなんというか
ルミアの周りには変わった奴が集まるようです。
随分変なベクトルのカリスマをもっているようですね。
もう俺疲れたよ、寝る
次の投稿遅くなるかんな。
ペンタブ嫌いになりそう。




