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第2話 笑いが止まらぬわ

どうも、ダメ人間ガチ勢のχダニャンです。


魔王が登場します。

魔王です。

ラスボスです。

人より二回りほどデカいです。


「・・・なんてことだ」


勇者ヲォルトは樹海の入口付近にで嘆くような声を漏らした。崖の下を覗き込むと齧りかけのリンゴが転がっているのが見えたのだ。それだけなら大して気にも止めなかったことに違いない。だがよくよく見るれば茂みに紫の布の切れ端のような物が見て取れてしまったからには話は変わってくる。


ルミアは紫のドレスのような服を好んでいる。それ以外着ているのを見たことがない程だ。導かれる答えはお姫様は崖から転落したであろうという事。


崖を降りる道を探している時間が惜しい。怪我をしていたら一大事だ。血の臭いに魔族が釣られてやってくる事も十分にあり得る。ヲォルトは心が急かすままに背中の剣を抜き崖から飛び降りた。


一方ルミアは樹海の奥地の古城のエントランスホールに居た、怪我はなく無事である、今のところはではあるが。


城の外見もそうだがエントランスホールも穴だらけで所々崩れている。かつては栄えていたのだろうが緑に侵食されつつあるこの場所にその栄華の面影はみてとれない。


そんな場所でルミアは異形の者たち、つまり魔族に囲まれているのである。すぐ様襲ってくる気配はなどないものの物珍しそうな視線がルミアに注がれている。並の者であれば生きた心地などしないだろう。


魔族の容姿は様々で人間のように必ずしも同じような外見ではなく白い大きな鳥型、小柄で角の生えたゴブリンに虫のような奴や人型だが首のない大柄の者。その外にも多様性に豊んだ様々な容姿の魔族が居る。

 

言葉を話せる者が多いようで周囲はガヤガヤしている。まるでルミアを見定めしているようであった。


そしてエントランスの奥、朽ちかけた玉座であろう椅子に腰掛けていた魔族の長と思われる者が声を発した。


「諸君」


その声には威厳があった。たった一声で辺りに静寂が訪れ、ルミアを眺めていた視線たちは全てその長に注がれる。その様子は長たる彼と他の魔族との力関係を指し示すには充分のもののように思えた。そう、奴が、奴こそが伝説の剣を持つと言われる魔王だその者。


「今日は実に素晴らしい日だ、記念すべき日となるだろう・・・」


魔王がゆっくりと立ち上がる。悪魔のような真紅の角、同色の頭髪は爆炎の瞬間を留めたかのように逆だっている。黒と赤の二色が入り混じった巨体は立ち上がると存在感と威圧感を一層に増す。


「クククク、笑いが止まらんわ・・・!」


魔王が顔に手を当て不気味に笑うその様はまるで内面の邪悪が外に溢れてきたように思う程恐ろしい。


「さあ貴様等、客人を存分にもてなしてやれぇぇぇぇぇぇ!!!」

「あ、ごめんなさい!もう料理全部食べちゃった!!」


ルミアの軽い謝罪と同時にチュド~ン!!と玉座が爆発霧散し吹き飛んだ、魔王が特撮のような効果音と共に壁に新しい穴を増やす。ただでさえボロいのに。ズッコケ方も魔族級流石である。


魔王は壁から頭を引っこ抜くとシャカシャカとゴキブリのようにルミアに早口で詰め寄ってくる。


「お前姫様なんだろ!?礼儀作法知らんのか!?いや、随分な勢いでバクバク食ってるな~って思って観てたけどさぁ!!もうちょっとこうさ、なんつーの?遠慮?とか配慮?とかないワケ!?」


目ん玉ひん剥いて捲し立ててコッチに指差す魔王に

ルミアはキョトンとした顔をしている。顔メッチャ近い。


「いや~この子の食べっぷり見てて気持ちよかったですぜ?近くで見りゃよかったのに」


至近距離でルミアを観察していたゴブリンが首を振りやれやれポーズをした。


「うぅるぅぅぅッせぇ!!(巻き舌)生意気だぞ!魔王たる我に向かってその態度はなんだ!!お前の晩飯一品減らしてやろうかあぁん!?」

「うわ、魔王とは思えない器の小さい発言!やだね~、小物臭くてもう!」

「お、おまっ!我が小物臭いと!?器が小さいと!?」


魔王をフォローする為にすかさずに巨大ハエトリグモ型の魔族が会話に割り込む。


「大丈夫だよ!!どれだけ小物でケチでも僕はルシファーについていくよ!大丈夫!足8本あるし!!」

「足の数関係なくね!?しかも小物の他にケチってデバフがさりげなく付与されてるし!!フォローか?フォローのつもりなのか!?人の傷に塩を塗り込むのをフォローというのか!?」


鼻の穴を膨れさせながら魔王はガニ股で両手の指をワキワキさせてこの感情をぶつける場所を模索している。


「あ!あなた私をここまで連れてきてくれた蜘蛛さんだよね!?ありがとう!!」


そう、崖から落ちた彼女の目の前に飛び出してきたのはこの蜘蛛の魔族だったのだ。背中(?)に乗せてここまで運んでくれたのは彼でありルミア無事な理由でもあった。


「気にしなくていいよ!樹海は危ないからね!それにしても僕と正面から向き合える人間にあったの

ものすごく久しぶり!うれしいよ!!みんな僕のこと嫌うからね!なんでだろうね?足8本あるのに!」

「あはは・・・足、8本あるからかな・・・(ボソ)」

「ん?どうしたの目を逸らして!!あ、もしかしてお腹痛い!?背中乗って!さっきみたい運んであげる!!」


お分かり頂けただろうか、そう運んでもなんの意味もない。彼はバカなのだ。


「ううん!大丈夫!!なんでもない!平気よ!あなた名前あるの?」

「僕?僕の名前はハエトルっていうんだ!この魔王のルシファーがつけてくれたんだ!」

「フフ~ン素晴らしいネーミングセンスだろう?称えてよいぞ?ぞ??」


魔王の期待に満ちた上擦った声とは裏腹に周囲の視線はえげつない程度には冷たかった。


「センスねぇよな」「そのまんま過ぎる」

「あの名前で喜ぶのはハエトルぐらい」

「魔王にだけは命名されたくない」

「本気でセンスあるおもってるんだ・・・」

「勘違いがすげぇな」「引くわー」

「無いわー」「残念過ぎる」

「酷い(よね)一人ぐらい味方いねぇーのか!!無様に泣きわめくぞコノヤロー!!一人ぐらい肯定してくれてもいいじゃん!?非難の声しか聞こえねーもん!!もうやだ!お前ら全員アミーゴやめる!!我は帰る!帰るぞ!!止めるなら今の内だぞ!!今の内だからなっ!!!」


巨体の背中にただならぬ哀愁(笑)を纏いとぼとぼと歩いていく魔王様、威厳があるのは声と容姿だけだった。その姿惨めな後ろ姿よりもルミアは別の事が気になり先ほど魔王に小物発言したゴブリンに尋ねてみる。


「ねぇ、アミーゴってなに?」

「ん?どうやら友達とか親友とかって意味があるみたいですぜ!」

「友達・・・アミーゴ・・・」


ルミアの目が燦燦(さんさん)と輝き始める。


「どうしやした?ルミアの姉御大丈夫ですかい?」


ゴブリンの問にルミアは返事をしないで駆け出した。囲んでいた魔族たちは「なんだ、なんだ」とルミアの走路を開ける。それは魔王への一本道だ。自分3倍もある大きな手を両手で引いのだ。


それは、助けを求め縋るのような様でもあった。


「よかった!誰も止めてくれないからもっと拗ねるところであった・・・ぞ?」


仲間の誰かだと思っていた魔王は完全に想定外の相手だったので一瞬硬直する。そんな様子などお構いなしにルミアがにっかーっっと無邪気な笑顔を見せた。


「アミーゴ!!」


元気に片手を上げて嬉しそうに、本当に本当に、嬉しそうに、目を輝かせて、一言だけそう言い放ったのだ。


「え?」


ワァァァァァァァアアアァァァァア!!!


魔王が状況を理解できないままエントランスホールカチ割らんばかりの歓声が湧き上がる、驚いてルミアも魔王を肩をビクンとさせるがルミアの方が先に魔王に向き直る。


「私とアミーゴになってくれる!?」


魔王の手を両手で力でいっぱい自分の胸元まで引っ張る。真剣な顔をしている、ルミアは本気で言っているらしい。


「え?あ、う、うむよかろう・・・?え?マジで?マジなのか?我でいいの??」


ルミアの顔とは対象的に口をあんぐり開けたままのアホヅラで質問に質問で返すもはや威厳イの字もありゃしない。


「私はずっとお城に閉じこもっないといけないからそういう人、あんま居ないんだ。私じゃ・・・だめ?」

「いやいやいやいやいや!!むしろこちらとしては願ったり叶ったりぞ!今の歓声を聞いただろう?」

「うん、驚いちゃった、皆喜んでるみたいだけどなんで?」

「フフン!我らは変わり者の魔族!!人が好きな連中が集まっているのだよ!」

「へー・・・」


ルミアがなんとなく皆に大きく手を振ると魔族の皆も手を振り返してくれた。ハエトルに至っては一番後ろの足2本で体を縦に起こし6本の足で手(足)を振っている。あからさまにハエトリグモには不可能な体勢である。そして蜘蛛の足が付いている面は直視しないほうが幸せでかもしれない、カブトガニを裏から見れば理由はわかるだろう。


「おい、ハエトル大丈夫か・・・?今にも倒れそうだが」

「大丈夫ぅぅぅ・・・!足、8本あるしぃ・・・・!!!」

「いや、足の数関係ねーだろ」

「6本で手を振る意味もねーだろ」

「やっぱバカだわ」

「あの狐のコンビもバカだったけどな」

「あー、懐かしいねルシファーが名前つけた奴ってみ~んなバカになってしまう定めなのかねぇ」

「ハエトルのがバカだけどな」


周囲からのヤジにも負けず(聞こえてない)ハエトルは一生懸命に6本の足で手(足)を振り続けている。しかしルミアは魔族の数多すぎてハエトルの勇姿に気が付かなかった。


「我らは人と共に暮らしていきたいと考えている」


魔王が話を始めたのでルミアは視線を魔王に戻す。いきなり真面目な雰囲気を醸し出してきた、今更さっきまでの失態を取り返せる筈もないので少し笑いそうになったのはナイショだ。


「だが、いきなり我らが押しかければ人々は怯えるだろう、下手すれば我々は討伐対象となる、人は未知の我々をすんなり受け入れるほど単純ではない」


魔王の瞳一瞬だけ、ほんの一瞬だけ深い悲しみの色を宿した。どれほど昔か想像も付かないがその答えに至るような出来事があったのは確かなようだ。


「我らが受け入れられるには、きっかけが必要なのだ」


そう言いながら、魔王がそっと手を差し出す。短い動作だ、彼は手を動かしただけなのだ。それなのに、なんでだか安心と、優しさと、暖かさを感じさせた。感じさせる何かがあった。


「ルミア、会ったばかりでこんな事を言うのはどうかしているが我らの友として人と魔族の架け橋に

なってはくれまいか?」

「・・・」


ルミアは顔を伏せる。彼の手をそのまま取りたいと思った、だが国と自分の現状を鑑みると魔王の真っ直ぐな目を直視出来なくなったのだ。行き場のないのそ手は自身の服を握り込む。そんなルミアの手を今度は魔王が優しく取る。自然に固く閉じてた指は解けるように広がった。


「難しく考えなくていいし、無理に頼み込む真似もせん」と魔王は微笑み囁く。

「城の事情は知っている、辛かっただろう?ここならば安心していいよ、アミーゴ」


魔王の言葉に、勝手に涙が零れた。

ボロボロボロボロ、ビー玉みたいな涙が。


なぜ涙が出たのか自分でもわからない。

ただ、優しくされるのは久しぶりだ。

ただ、誰かの手が温かいと思ったのは久しぶりだ。

ただ、ルシファーが私の背中をポンポン叩いてくれた。


私はこの日を何があっても忘れない。この素敵な出会いを忘れたくないと思わせるには十分な温もりだった。

どうでしたか、魔王は。

え?つまらない?ですよねー!!


ルシファーは魔王のクセに魔族ではありません

もちろん人間でもないです、名前のまんまなんですね~。


今作がなぜ週間更新なのか?

その理由とは!

ス〇ブラではないです。

深い事情があるのです。

決してス〇ブラではないのです。

違います、断じて違います。

間違ってもス〇ブラにのめり込んでいるとか

そんなことはないのです。

いや、面白いからってそんなにやってないですって

マジですって、ル〇レの変更点確認して練習とかしてないですってば

ピ〇ューの空↓のメテオ性能えげつないとかいいながら

メテオの特訓とかしてたりはしないんですってば!!!

クロ〇!期待してたのになんでそんなにすぐ落ちてしまうん?

ってガッカリしながら連敗記録を積み上げたりしてませんから!!!!

ソラ参戦して泣いてるが何か??????

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