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第19話 崩国の祝音

音声入力を試した、誤字多し、脱字多しだったので自分の活舌が死んでいるという事実に至った所存。

誰か私に活舌をくれ。

「・・・」


ルミアが浮かない顔で朝食の温かいスープを口に運ぶ。

原因は地下牢のゲバルトだ。


自分に酷い仕打ちをしてきた者の末路でも自分自身に非があるように思ってしまうのだ。


『生まれてしまった』という罪悪感が、ルミアを何時までも苛む。それは幼い頃に刻まれたルミアにとっての常識に他ならない。恒久的に無くなることはないのだろう。罪としての記憶がある限り。


「ルミア、ゲバルトの事は気にするな。あやつの自業自得だ」


穏やかな口調でエアがルミアに語りかける。その瞳には落胆の色が浮かんでいた。ペンナも言葉を紡げずにいる。


虚しく静かな食事の時間が垂れ流される、ぽつりぽつりと会話の欠片が零れはすれどもそれらは次に続くことはない。こんなに言葉の生まれない食事はこの家族には珍しい事だった。


いつもならエアが冗談なんかを言ったりして賑やかなものなのだが。


「・・・ごちそうさま」

「まだ残ってますよ、ルミア」

「ごめんなさい、もういらない」


食事に不満があるわけではない、ただ食事が喉を通っていかないのである。


「ルミアよ、今日は儂達と一緒に寝るか?」


エアがニッカリ笑ってそう言った。無理に笑ってくれたのは明らかである。


「・・・いい」

「そうか・・・なあルミア、大切な話がある、聞いてくれ」

「?」


エアとペンナが顔を見合わせお互いに頷いてからもう一度ルミアに顔を向ける。


「ペンナと話し合ったのだが・・・ゲバルトにではなくお前に王位を継承したいと思っている」

「え!?」


ルミアは自分の耳を疑う、そんなことを言われる日が来ようとは夢にも思わない。寝耳に水という言葉が余りに適切だった。


「無理だよ!私、知ってるんだよ!?私が本当は生きてたらいけないって事!!生きてちゃいけない人がそんなエライ人になんかなっちゃダメだよ!!お兄ちゃんの方が向いてる!!」


「生きていてはいけない子に(ルミア)なんて名前つけませんよ」


ペンナがルミアに優しく微笑みかけた。エアもそのあと言葉を紡ぐ。


「その通り!生まれてくれてありがとう、ルミアは儂等の宝だよ」


宝だと言われてルミアの中の罪の意識が揺らぐ。

両親の温もりに触れて「うん」と頷きたくなったけれどやはり邪魔するのはルミアの中の常識に他ならなかった。


両親の想いには応えたいが返事ができない、少し間が空きエアとペンナが立ち上がった。


立ち上がった二人はルミアに近づき、何も言わずルミアを挟むようにして抱きしめた。


「重責を押し付けているな。すまない、返事はすぐじゃなくていい」


王位継承なんてどう返事をしたらいいのかわからないけれど、これだけは間違いなく断言できる。


「私ね・・・お父さんとお母さんの子供でよかった」


両親の腕により力が入ったのを感じて、一呼吸置いてもう一言付け足した。


「でもお父さんなんか臭い離れて」

「ガビィィィン!!このタイミングでそんなこと言う!?」


愛娘からの臭い宣告それは父親にとっての死刑宣告である、突然すぎるカミングアウトにエアの心は折れそうになった。


「ルミア、それは加齢臭っていうの不治の病なのよ」

「ふーん、お父さん可哀想」


加齢臭は事実ではあるものの離れてと言ったのは湧き上がってきそうな涙を誤魔化すためだった。昨日から泣いてばかりでなんか恥ずかしく思ったのだ、ずっと涙を隠して生きてきたのだから。


ペンナはルミアを自分の方に抱き寄せてエアに侮蔑の目を向けている。


あ、その視線たまんらんわ。

ペンナの汚いものを見る目でエアは心を折らずに済んだ。


一方地下牢ではゲバルトが牢屋の隅で体育座りをして縮こまっていた。


「なんでボクちんがこんな目に合わなきゃいけないんだ!ボクちんは王子だぞ!!クソ!クソ!!クソ!!!」


誰もいない地下牢で毒を撒き散らすゲバルトは、弱々しい足音がコツコツと響く音を捉えた。暗がりからその姿を現したのはやはり預言士であった。


「予言士!よかった!!出してくれボクちんをここから出してくれ!!」


「慌てるんじゃないよぉ・・・まずはここを自力で説得することさね。ここを乗り切ることさえできればお前さんはもう王になれる」

「でもどうやって説得すれば・・・」

「あとは自分で頑張ることさねぇ、国王様ぁ」


預言士は再びコツコツと弱々しい足音響かせながら地下牢の暗闇に消えていく。


「待って!待ってたら!!」


檻に顔を押し付けて目一杯手を伸ばしたが最も頼りにしていた預言士がどこかへ行ってしまった。


仕方ないので必死で頭を回転させ方から出る方法を考える。


予言士はここから出たらもう王になれると言っていた。つまりここだけ我慢して反省したフリをして頭を下げさえすれば簡単に外に出られる。そう考えが至った。


「そうだ、反省したフリをすればいい!それだけで心を入れ替えたと思い込む、それで十分だ!どいつもこいつもボクちんと違って馬鹿ばかり!!」


簡単じゃないか楽勝じゃないか。どうせパパは心配してすぐにここに来るだろう。こんなところ王たるをボクちんを閉じ込めやがって、ここを出たらタダじゃおかないぞ・・・


エア国王がゲバルトの元を訪れたのは翌日のことだった。


「ゲバルト、自分の行為がいかに下らぬか理解できたか?」


ゲバルトは待ってましたと言わんばかりにその軽い口を開きニヤケ顏でベラベラしゃべり始める。


「もちろん海よりも深く反省したさ!だからも出してくれよ!二度とあんなことはしないさ!今まで僕がどうかしてたんだ!!」

「・・・やはり全く反省していないようだな、ペンナと話合い王位はルミアに譲ることにしたよ」

「は?そんなバカな!?」


 ゲバルトの顏が青ざめる。


「と、とにかく出してくれ!反省したっていってんだろーが!!」


当然ながらエアの反応は冷たいものだった。


「お前が心から反省し己の愚行を悔いるまでは外に出すことはない」

「お父さん、お兄ちゃんを出してあげて」


エアの背後から聞こえてきたのはルミアの声だった、驚いて振り向いた。


「ルミア、付いてきたのか!?」


ルミアは申し訳なさそうに小さくコクリと頷いた。


「ルミア!!許してくれ!ボクちんは反省してるんだ!!」


ゲバルトは檻を揺さぶるような素振りでルミアに訴えかけた。まるで動物園の猿のようだ。


「反省したフリなど猿でもできる・・・」

「ねぇ、お兄ちゃんを出して」


エアはルミアの元に歩み寄り、問う。


「何故こやつを外に出したがる?お前を苦しめていた相手だぞ?」

「私はもう大丈夫、ヘレンのおかげ。お兄ちゃんを閉じ込めてて辛いのはお父さんでしょ?だから外に出して」


衝撃だった。

この子は自分為ではなく、ゲバルトの為でもなく、儂の為にゲバルトを外に出せと要求している。


ルミアは両親が自分と兄を平等に愛してきたことを知っている。家族を大切に想う人だからその愛する家族に裁きを下す事がエアにとってどれだけ辛いものかルミアは察知していたのである。


「お願い、お父さんが苦しむのは嫌だよ・・・」


ルミアがエアの袖を引っ張る、その不安気な目線は心底父の事を心配しているのだと理解するには充分だった。


「ッ!!」


つくづく自分は甘いとエアは思う。ルミアに牢を開けるように言われて無意識に牢の鍵を握っている自分に気が付いたからである。


「ゲバルト!同じような過ちを犯してみろ!もう二度目はないぞ、今度は二度と外に出さん!」


語気を強めて言ってはみたものの、深く安堵している自分が居る。


「やったぁ!ありがとうよ、ルミア!!」


牢の鍵が開けられて耳障りな金属音を立てて扉が開かれる。


その音は、今思うと国が滅ぶのを祝福しているような音だったように思う。

最近やりたいことが多すぎ~☆

エンシェント〇ーシェン強すぎ~☆


真面目な話ヘレンがしゃしゃり出てしまったので

胸糞展開から離れていましたがそろそろ帰ってきますよ

我らがゲバルト国王が。

拍手でお迎え下さい。

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