第10話 『心』無き者の決『心』
いや、だからなんでブックマーク増えとるねーん!!
嬉しいけども!!感謝しかないけど!!
ブクマ6記念(?)に語る気が無かったヘレンについて
後書きにのせておきますね。
面倒な部分なので読まないで下さい。
なんも支障はありません。
ルミアを店の中に待機させて厨房へ向かう、料理人も逃げ出したようでもぬけの殻だ。静寂の横たわる厨房に足音を響かせながらヘレンは更に奥にある食材の搬入口へ真っ直ぐ進む。
そのまま行くと食糧庫と思わしきを見つける。気配を探ればやはり誰かが息を潜めているのが分かった。
扉をノックすると「はい、どちら様でしょう?」と
落ち着いた声で返事が返ってきたが扉が開く様子はない。ヘレンは若い男の声で答えを返す。
「報酬を渡しに来た」
「早いですね、今開けますよ」
確定、扉の向こうの人間は黒だ。
あの毒を調達して残りの残骸を処理するなら料理として客に提供してしまえばいいわけだ。他の食材埋もれさせて搬入してしまえば目立たない。
扉の向こうからコツコツと足音が近づいてくる。
疑われている様子はなく、鍵が開けられ扉が開け放たれる。
「!?っおま・・・」
相手が状況を理解する前にどてっ腹に強烈な蹴りをブチ込んで部屋に押し込む、蹴られた細身の男は呻きながら床を転げ回っている。
ヘレンは相手を見下しながら近づき、そのまま容赦なく逃げ惑う男の顔面を踏みつけた。ミシミシと頭蓋骨が軋む感触が足を伝う。
「お前、兵士にゴライアススコーピオンの毒を売ったな?」
「そ、そんなことしてない!!」
ヘレンの足に力が込められると相手の骨が更にミシミシと軋む。
「わ、わりゅかったれす!!つい、でぎふぉふぉろええ!!」
思ったよりも大分あっさり認めた、この分なら素直にベラベラ喋ってくれそうだ。少しだけ足の力を緩めて次の質問に移る。
「で?サソリは誰が調達した?まともな人間にゃ手に負えないでしょ?勇者もグル?」
「ゆ、勇者には討伐を依頼しただけで今回の件には関与してません!!」
嘘をついているようには見えない、勇者は白か。
そもそも現勇者はルミア様と同じ年齢だ、いくら勇者だからと言ってゴライアススコーピオンの相手をさせるなんて正気の沙汰ではない。勇者とて生身の人間だ、毒を受ければ死ぬ。
預言を信じる奴は勇者など、子供などどうなってもいいらしい。
「お前はエア国王派?預言士派?」
「どちらかというと預言士派ですぅ!」
それはそうだろう、エア国王を支持する人間ならば子供に魔族退治など依頼する神経など持ち合わせちゃいないだろう。聞く方がバカらしいが念のために確認しておきたかった。これで許す必要がなくなったのだ。
「そう、じゃあ最後の質問、私たちがここに来るのをわかっていた?」
「数日前に預言士様がいらして兵士から依頼があると予言された!!だから勇者に依頼しましたぁ!!すいませんでしたぁ!!!」
やはり預言士が噛んでいる案件だ。預言士は何をしたい?助言はしても王の決定に口を挟んだり身勝手な行動はしなかったとエア国王から聞いたことがある。言う事を聞かないエア国王にシビレを切らした?それとも別の企みが・・・?
「許してくれ!解放してくれぇ!!」
「ああゴメン忘れてた、今楽にしたげる」
ヘレンは男に乗せている足をそのまま床ごと踏み抜いた。再び静寂が訪れた部屋を後にしてルミアの元へ向かう。
預言士派の人間に容赦は要らない、相手が非道を行くならこちらも非道で返すまで。穢れた手でも護れるものがあるなら、どこまで穢れても構わない。
ルミアを迎えに行くと窓際の席から店中央付近の席に移っていた、白くプリプリしたエビの身のような物を口に運んでいる。
「おまたせしましたルミア様!・・・って何を食べてるんですか?」
ヘレンが首を傾げるとルミアはニコリと笑う。
「美味しいよ!食べてみて!!」
「えぇ・・・呑気ですねぇー、襲われた直後ですよ?じ・か・く!!持って下さい!!」
「それならヘレンも私を置いていかないでよ」
「う」っと返事に詰まってしまった実にルミアの言う通りだ。
「はい、どうぞ!」
ルミアに白くかつ透き通るような身を渡されて反論の言葉もひねり出せるはずもないので口に入れる。
コリコリの歯ごたえで一度歯が身に入ると舌の上で広がるように溶けて口腔を上品でまろやかな甘さが包む。そして儚く消えてしまう後味。
控えめに言っても絶品だ、素晴らしい味わい深さがある。まさしく高級料理。最高級のレストランに並んでもなんらおかしくない。
「ルミア様、これどうしたんですか?この店にこんないい食材あるとは思えないんですけど・・・」
「ん~?ヘレンのナイフで切り分けたの!すごいねコレ、スパスパ切れちゃうんだもん!あ、ナイフの血は拭いたから大丈夫だよ」
「切り分けた??」
「そう、さっきの黒い硬いヤツ」
「・・・うっぷ」
ヘレンの顏が真っ青になる。
高級料理じゃなかった
甲虫料理だった。
ひらがなにしてしまえば一文字しか違わないのだがその一字の差は山頂と海の底程の高度差があるのだ。少なくとも今のヘレンからすれば。
「ヘレン!?どこ行くの!?私の話聞いてた!?置いていかないでってば!!」
口元を両手で抑えてトイレに向かって猪突猛進。
あの黒光りの化け物の肉が私の中に取り込まれてしまう前に出さなければ!!
「まってよ、ヘレ~ン!まだ沢山残ってるんだけど!もったいないよ!!」
最速でトイレに籠るヘレンだったが飲み込んだものが外に出てくることはなかった。
もう色々限界点を突破しそうなヘレンは「他の人が来ると面倒」だとルミアを説得し半ば強引に店を後にした。
ルミアは名残惜しそうに残ったゴライアススコーピオンの肉を見ていた。
魔族は生殖能力がありません。
自然発生します。
自然の理から外れた生命体ですね。
その魔族の中でも特別異質
「ソウルアローン」という存在がいて
これが今ヘレンと名乗っています。
魔族以外の生命体を理族といいます。
理族が魔族に殺されてしまうと魂まで食い荒らされてしまいます
理族は防衛反応として残されたわずかな魂を結晶として具現化させます。
この結晶を「残魂」といいます。
負の感情の塊でもあり、生身の生物が触れると最悪精神が崩壊します。
残魂は退魔の魔力を注ぐことで魂は蘇生されますが
複数の残魂に同時かつ中途半端に蘇生させてしまうと
魂同士が結合してしまい不安定な存在になってしまいます。
それがソウルアローンです。
ソウルアローンには2パターンあります。
・魂が結合して新たな命となるも肉体が
存在せずそのうちに消滅してしまう者
・魂が結合し新たな命となるも肉体の生成に
魂を使い果たし心、魂が存在しない者
今はヘレンと名乗るソウルアローンは後者の存在です。
ただ彼女の中には何かが芽生えているようですね。
与えられた使命を自分の意志で無視してます。
城の図書室に自分のネクロノミコンを隠しています。
ネクロノミコンについての説明はまた必要な時がきたらでw
いつか準備が整ったら「ソウルアローン」というタイトルの物語を書くつもりです。
ヘレンを名乗る彼女は登場しませんが。
先ほどの前者のパターンのソウルアローンが主人公です。
早く書きたくてしょうがないけど如何せん俺の実力が足りない。
いつになったら書けるやら・・・




