乞食転生
これは、1人の乞食の生きざまを描いた物語。
オレは乞食でザンス。名前は遠い昔に忘れてしまったザンス。
食い物に困り毎日砂利と草を食す生活。
「生きたい……」
それだけを願っている……いや、そうでもないかもしれないザンス。
腐敗した生ごみの臭い、カラスのけたたましい鳴き声、浮浪者の怒号。いつしか全てに絶望したザンス。
そう思いながら、道脇のゴミ捨て場を漁っていたザンス。
ふと道路に目をやると、気を抜いたのだろうか赤信号にも関わらずトラックが猛スピードで交差点の横断歩道に差し掛かっていたザンス。そこには通学中と思しき小学生が手を挙げわたっていたザンス。
「危ないザンス!」
今思えば止めれるわけもないザンスが、オレは骨と皮だけの足を走らせ少女とトラックの間に手を広げ割って入った。ようやくオレと少女に運転手は気づいたようだが、時すでに遅かったでザンス。
『キキィーッ!!』
無情にも無意味に響いたブレーキ音の後、鈍い音が響いたザンス。
……意識が、遠のくザンス。
「キャー!事故よー!」
「救急車はまだかー!?」
………
……
…
「ここはどこザンス……?」
気づくとそこはどこか広大な草原だったでザンス。
都会の喧騒は一切無く、ただただのどかな光景が広がっていたザンス。
すると遠くから魔物が現れた
「オォーーーン!アォーーーン!」
やばいザンス
死にたく無いザンス!
死んだ
………
……
…
「ここはどこザンス……?」
気づくとそこは野原だったでザンス
「またザンスか……?」
頭が狂ってくるザンス
続く