第一話 魔女
始めに断っておきます。
初心者で、ガチで気まぐれで書いてます。
更新は不定期です。その点、よろしくお願いします。
俺の名前は船橋 風太。
特に部活に入っているわけでもなく、特技があるわけでもない、普通の高校一年生だ。
そんな俺がとある出来事から普通じゃなくなってしまった。
なぜかみんなには気づかれていない。俺が普通じゃなくなってしまった理由は、とある魔女と契約を結んでしまったせいなんだ。
え?魔女なんて嘘?
いやいや、いるんだぜ、本当の話。
それは昨日のことだった。
俺が家でくつろいでいると、突然、電話が鳴った。
その内容は妹の百合が事故に遭い、病院に搬送されたというものだった。
急いで駆けつけたところ、医者にはもう助かる見込みはない、と宣告された。
百合は俺の最愛の妹だった。あいつはあまりぱっとしない俺とは違い、何でもできた。
俺はショックを受けた。
思わず俺は病院を駆け出してしまった。とにかく一人になりたかった。
病院を抜け出したあと、俺は近所の商店街を歩いていた。
百合が死ぬ。そんなこと考えたこともなかった。昔から俺達は仲が良かった。
だからこそ、俺は大ショックだった。そんな顔が表に出ていたのかもしれない。
そんな時だったんだ。ヤツが現れたのは。
「あら、そこのお兄さん。この世の終わりって顔してるけど、どうかしたの?」
急に女の声が聞こえた。
「うるせえな…ほっといてくれよ。」
そう言って俺は立ち去ろうとした。
しかし、その女は衝撃的な発言をした。
「ふーん、なるほど。妹さんが助からないと…こりゃ難しいわね〜」
「!!」
俺は思わず振り返ってしまった。
その女は黒ずくめの服を着ていた。
顔は大きなとんがり帽子で隠れているのでよくわからないが、どうやら、かなり疲れているような声だった。
(魔女?)
「え?ああ、今の話は気にしないで。」
(なんなんだこいつは…)
さっきのこともあり、俺は彼女に詰め寄った。
「なぁ、あんた。俺の心が読めるのか?」
「ふふ、信じるか信じないかはあなた次第よ?」
ここまで来て答えをはぐらかされちゃかなわない。
もう一度聞こうとした時、また彼女から衝撃的な言葉が飛び出した。
「まぁ、あなたの妹、医者に任せてたら助からないわよ?たった一つだけ、助かる道はあるけど、どうする?」
「…なんだって?」
間違いない。こいつは俺の心が読めている。そして、百合を助ける術を持っている。
「…本当に百合を助けられるのか?」
「ええ、もちろん。ただし、あなたにはそれなりの代償が必要だけどね。」
「代償?」
「ええ、『一生』私に仕えてもらうわ。」
「!!!!」
「ああ、大丈夫よ。一生仕えてもらうと言っても、こき使う訳ではないわ。
家族とも一緒に過ごせるし、悪い条件はほとんどないわよ?ま、嫌ならいいけど。」
確かに心を読むことが出来て、さらに怪しい魔女のような格好をした女の言うことをまともに捉えるなんてどうかしてる。
一生仕えるなんて普通だったら信じない。
しかし、俺は百合を助けられれば何でも良かった。
「…わかった。あんたに一生仕えるよ。その代わり、絶対に百合を救ってくれ。」
「フフッ、いい兄を持ったわね。あなたの妹。」
「どうでもいい。早くしてくれ!」
「はいはい。言われなくてもそうするわよ。」
そう言うと、突然、女は俺の胸に手を当て、畏まった様子で問いかけてきた。
「…本当に、いいのね?」
「…ああ。」
「…わかった。それから、あなたと妹の名前は?」
「…船橋 風太。妹の名前は百合だ。」
「そう。じゃあ、始めるわよ…」
(何だよ、この女…)
すると、女は不思議な呪文のような言葉をつぶやき始めた。
(???)
「…お前は私のしもべ。私の下僕。私の奴隷。私の命。そして私はお前の王。お前の主、お前の命。」
「お前はこの世全ての『幸せ』となるモノ。お前はこの世全ての『不幸』を吸い込むモノ。」
「私の名はアリア・カーリー。
お前の名は船橋 風太。
哀れな者の『不幸』を取り込み、今
ここで『幸せ』を生み出せ。
契約をここに…この瞬間に…」
「さぁ、膨らめ。広がれ。丸くなれ。漂え。我が僕。」
「世界の『不幸』はここに。世界の『幸せ』はここに…」
「いざ変化せよ!!!!!」
「『しあわせのふうせん』!!」
「!!」
女が叫ぶ。
突然、俺の目の前が歪み始めた。