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中央都市センリアに辿り着くまでには、丸二日かかった。
それはこの世界が既に流通と交通が麻痺してしまっているからだとランサムは改めて悟らされた。
ボウデンは、パスアルカが辺境の町だからこの状況であると言っていたし、ラムサムもそうだろうと思っているところはあった。
しかし、この二日の間に通った大小の村や町は全てパスアルカと似たような有様であった。
建物は朽ち始め、人々は町ぐるみで神隠しにでもあったかのように見つけることはできない。
たまに人間を見つけても、目線が合うとすぐさまいつ崩れてもおかしくない建物の中に入り込んでしまい、出てくる気配がなかった。
まるでやってくる終焉を達観し、覚悟しているかのようであったし、この状況に及んでも自身に降り掛かっている状況を飲み込めていないようでもあった。
だが、そのおかげかランサムは予定よりずいぶんと早くセンリアへと辿り着くことができた。
まだ文明が栄え、交易や旅人が盛んであった頃は、ランサムは人との交流を避けあえて迂回ルートを通っていた。
そのため正規のルートより時間がかかってしまうのが常であった。
しかし、この状況下では人間に出くわすこともない。
相棒である翼竜と共に終焉間近に凶悪化した魔獣を蹴散らしつつも、最短ルートでセンリアまで行くことができたのだ。




