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異世界×サバイバー  作者: 佐藤清十郎
第2章 自由都市ベイル
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第69話 エルフの秘薬13

 俺は穴を掘って元精霊使いの骸を埋めてやることにした。


「成仏しろよ」


 一応、南無阿弥陀仏と拝んでおくか。


「んで、これは頂いていいんだよな?祟られたりしないよな?」


 精霊ジンがにっこりと微笑む。


 問題ないらしい。


 骸が抱えていた荷物にまだ使えそうな物があったので、埋葬の謝礼として頂いておくことにしよう。



 ミスリルダガー 短剣 C級

 

 ムーンソード  魔剣 C級


 魔術師の鞄  魔導具 C級


 魔術師の指輪 魔装具 C級



 どれもC級の希少な品のようだ。


 市場に流せば1つの品につき金貨10~30枚くらいはするはずだ。


 希少なアイテムの入手に浮わついていると、不意に雷精霊ジンが抱きついてくる。


「お?」


 まるで亡霊の様に半透明な姿の少女に、不意打ちで唇を奪われた。 


 そして次の瞬間、俺と抱きつく雷精霊ジンを中心として地面に紫色の輝きを放つ巨大な魔法陣が出現した。


「うお!?」


 魔法陣から紫の輝きを放つ雷が生まれ、大地をのたうつ。


 体の中にエネルギーが流れ込んでくるようだ。


「なんだ?何が起こっている!?」


 雷精霊ジンはにっこりと微笑んだ。


 魔法陣から生まれた幾つもの雷が、暴れるように荒れ狂い轟音を持って部屋を破壊した。


 天井が、石柱が、石壁が、石床が砕け亀裂が入り隆起する。


 激しい振動と轟音、閃光と衝撃。


 塵が舞い上がり、視界を乱れ飛ぶ雷が支配する。


 雷の1つが石像の半分を吹き飛ばす。


 ガラガラと崩れる石像。


 俺は身を竦ませ、思わずリザを呼ぼうと叫ぶも何故か声がでない。


 激しい混乱の中で、俺はある場所に視線を奪われた。


 石像の側で寄り添うように存在する骸が、ゆっくりと立ち上がったのだ。 


 骸骨だ。


 ボロ布を纏い、片足が悪いのかそれを庇うようにして立ち上がる。


 そして雷の嵐の中をこちらへ片足を引きずるように、ゆっくりとした足取りで近づいてきた。


「おぉ……!?」


 混乱の最中であった。


 まったく訳がわからない。


 この状況の展開に思考が追いついていなかった。


『思考が追いつかないなら、ゆっくり考えるがいい。そのための時間はある』


 ボロ布を纏った骸骨がこちらを見据えながら、そう言ってにやりと笑ったような気がした。




>>>>>




 アース・ノイド 亡霊Lv8


 いつの間にか周囲が静かになっている。まるで時が止まったかのように。


 いや実際止まっているのかもしれない。落ち着いてよくみれば、雷や空中を舞う石礫が静止しているのだ。


『いや、別に時間が止まっている訳ではない。これはお前に【思考加速】を掛けてあるからそう感じているだけだ』


 俺の目の前に立つ骸骨が語る。


 いや実際話しているというより念話みたいなもんだろうか。

 そうかこれも意識が繋がっている状態ってやつか。


「これはあんたの使役している雷精霊ジンのしわざか?」


 骸骨の傍らで無邪気な笑顔を持って佇む、少女の姿をした精霊に目を向ける。


『使役している訳ではないが……まぁ、そんな感じだ。それより意外と驚かないんだな?もっと慌てふためくかと思ったぞ』


 骸骨はカラカラと笑った。


「いや滅茶苦茶驚いているぞ。いまも絶賛混乱中だ」


 俺がそう静かに答えると、骸骨は『そうか』と言って、またもカラカラと笑った。


『意識が繋がっているのだ。余計な説明は不要だろう』


「あぁ、それに時間も大してないんだろ」


『まぁな、理解が早くて助かる』


 魔法陣から迸る雷の1本が、俺の腕に備わる金の腕輪に吸い寄せられる。


 そしてその瞬間、強い光がそこに生まれた。


 

 雷精霊の腕輪 魔装具 S級


【制作成功率上昇】

【魔術抵抗上昇】

【活性】

【鋭敏】



『雷精霊ジンが宿った精霊の器だ。これでより強く恩恵が受けられるだろう』

 

 腕輪は紫色の金属の台座に水晶の様な宝石を備えた姿に変化した。



 精霊石トルマリン 素材 S級



 凄まじい魔力を感じる。

 まるでこれが精霊そのものといった存在感だ。


『活性は体の細胞を活性化させ、疲労を早く回復させるスキル。鋭敏は感覚を高め反応速度を引き上げるスキルだ。地味だが強力だぞ』


 骸骨はゆっくりと右腕を自身の心臓のある位置へと伸ばした。


 そこから光輝く何かを掴みとる。


『後はお前の器を……』


 ボロッ


 骸骨の腕が肩口から外れ、重力に従って地に落ちた。


 床に叩きつけられた腕は、粉々に砕け散る。

 

 光り輝く何かが床に転がった。


「……」


 思わず二人で床に転がった光り輝く何かを見つめる。


 骸骨は無言のまま左腕でそれを回収すると、俺の胸元へ翳すように伸ばした。


『……後はお前の器を拡張だな』


 骸骨は何事もなかったかのように口上を述べた。


 光り輝く何かは、俺の胸へと吸い込まれるようにして姿を消したのだった。


 勿論俺にはこれが何かはわかっている。だからこそ受け入れたのだ。



 

 冒険者Lv18 精霊使いLv1


 


 ステータスを確認すると、職業が増えていた。

 

 第二職業だ。


 副業である。


 これが拡張ってやつか。




 ここは雷精霊を祀る祠なのだという。


 結界が働いているため、魔物は入ってこないそうだ。


「1つ聞いておきたいんだが、俺は元の世界に帰れるのか?」


『無理だろうな』


 可能性はゼロではないが、かなり難しいらしい。


 意識が繋がっているため聞かなくても答えはわかっているのだが、言葉で聞いてみたかったのだ。まぁ答えは同じか。


 転移魔術を使えば可能かもしれないということだが、実際そんな高度な転移魔術を扱えるものがこの世界に存在するのかは不明だという話だ。


 別の次元から、別の次元へと渡る際には物質はそのままでは通過できない。


 分解されこの地で再構築される。


 その際に魔素を体内に取り込みそれを魔力へ変換できる肉体へと作り変える。

 そのためその体には様々な変化が現れる。 


「若返ったり、魔眼って能力を得たりした理由はそれか」


 変化というのは人それぞれで、外見の変化や内面の変化など、様々であるという。


 また地球へ戻る際には、魔力を抜いて再構築されるわけだが、その際にどんな影響がでるかは未知数だという。


 五体満足で戻れる保証は無い。


 元の生活に戻れる可能性は限りなく低いようだ。


『そろそろ時間だな』


 骸骨の体がボロボロと高速で風化していく。


『忘れてた。これも渡しておくか』


繋がった意識を持って、情報が流れ込んでくる。


「これは……魔術の知識?」


『加護を持つものは魔術の創造を実現できる。お前はわかっているようだが、俺から言わせればまだまだだ。俺が得意だった術、理論はあったが使いこなせるまでに至らなかった術、それらを知識として送っておいた。だが知識だけだ。実際に使えるようになるには、自身の努力が必要なのはもうわかってるよな?俺には使えなかった術も、お前なら使えるかも知れん。まぁ試してみろ』


 骸骨は少し考える素振りを見せて――


『この世界は甘くない。大切なものを守りたかったら強くなるしか無い。強ければ生き弱ければ死ぬ』


「それ漫画の台詞だよね?」


『あ、やっぱ知ってた?ということは、やっぱりこっちとあっちの時間の流れって……まぁいいか、そんなことどうでも』


 骸骨は一息、溜め息を吐いて続けた。


『まぁ一人でできることは限られてるからな。さっきの言葉とは矛盾してるかも知れんが、困ったときは誰かに頼るのも大事だぜ?肩貸してくれる友達くらいはいるんだろう?』


「まぁな。頼りになる奴はいるよ」


 俺は笑顔で答えた。


 骸骨は『十分だ』といってカカカと笑った。


『やれやれ、やっと眠りに着ける。俺を見つけてくれたお前には感謝してるよ』


 そう言って骸骨は天を仰ぐ。


「そうか」


 俺はその身に備わった輝く腕輪を撫でた。


「これはその礼か?」


『そうだな。まぁ、同郷のよしみって奴かな』


 骸骨は石床にあぐらをかいて座る。

 もはや立っていられないのだろう。


「やっぱそうか。最後に1ついいか?こっちに来て幸せだったか?」


 地面へ視線を伏せる骸骨はこちらを向き直り――


『……あぁ、幸せだったぜ』


 そう言って笑った様な気がした。


 その直後、その身は崩れ落ちるようにして塵へと姿を変えた。




>>>>> 




「ジン様っ」


 薬草の採取を終えたリザと合流する。


 何か只ならぬ気配を直感で感じ、慌てて駆けつけたようだ。


 俺は事の経緯を彼女に説明した。


 不思議な事に破壊された天井や壁、床など元通りになっていた。


 まるで白昼夢でも見ていた気分である。


 石像を見ても、ここへ来た当初に見た状態のようであった。破壊された形跡はない。


 だがあの出来事が夢ではないと、俺の腕に備わった雷精霊の腕輪が教えている。


 リザにも確認したが、音や振動などの物理的な異変は感じられなかったようだ。


「精霊様ですか……さすがジン様です。まさか精霊の加護をお持ちだったとは」


 リザには精霊は見えないらしい。


 しかし精霊がそばにいると、何かを感じることは出来るようだ。

 ただそれが精霊だと言われなければ、何なのかさえ分からないようだが。


 エルフや獣人族には未だ根強い精霊信仰が存在するという。


 リザもその影響は受けているだろう。


 彼女が俺を見る視線もより一層、熱くなった気がしないでもなかった。 


「リザ」


「はい?」


 俺は無言のままリザを抱きしめる。


「……どうかしましたか?」


「いや、こうしたかっただけ」


 そういうと彼女は少し間を置いて「そうですか」と優しく呟いた。


 まぁ別に元の生活に、どうしても戻りたかったわけでもない。


 未練が無いと言えば嘘になるが、ここにも大切なモノはできてしまった。


 今更捨てることは考えられない。 


 もしかしたら帰れるかもと考えていた淡い期待は完全に消えた。となれば今までリザに対して一歩引いていた感情も、もう無理に歪めなくとも良いだろう。


 今更ではあるが改めてこの世界に骨を埋める覚悟が出来た気がする。


 俺の体は魔力が扱えるように既に変革された肉体なのだ。

 地球で生きていた俺はあの夜に死んだのだ。


 はじめから俺もこの世界の住人であったのだ。




 骸骨の最後の意識から、隠し通路の存在はわかっている。


 俺は石柱に隠されたそれを通って外へ出た。


 出た先は、古い塔の様だ。


 崩れかかっているが、未だ何とか塔としての体裁を保っている。


 ベイルで見た地下遺跡や、森の中の遺跡、それらが年代が同じかどうかは不明だが、これも同じように相当年代物なのは間違い無さそうだ。


 時間は夕方くらいだろうか。


 まだ靄は晴れていない。


 だが気のせいか、濃度は薄くなった様に見える。


 明日になれば天候も回復するかもしれない。


 今日のところは祠で休むことにしよう。


 明日晴れれば、塔に登り高いところから見渡せば何か見えるかも知れない。


 崩れかかっていて危険だが【脚力強化】【耐久強化】【浮遊】を掛けておけば、最悪落下しても死にはしないだろう。




 精霊は何処にでもいる存在らしい。


 いわゆる自然そのものなのだとか。


 どんなものにも精霊が宿り存在している。


 だが人工物には、その存在が極端に脆弱になるという。


 また鉄など一部の素材にも精霊が寄り付かないものも存在するようだ。


 雷精霊は屋外で空気のある様な場所なら、大抵存在するらしい。


 ただこのようにハッキリと形を成すほどにとなると、相当な濃い魔素か特別な場所でなければならないそうだが。


 ともあれ取り敢えずは街に戻りたいな。


 精霊の祠で簡単な夕食を取ることにした。


 魔力も大きく失っているし、今日はゆっくりと休むことにしよう。




 祠内に落ちてあった枯れ木など、燃えそうなものを集めて焚き火を起こした。


 既に夕食を取り終え、寝床は用意してある。


 俺は焚き火の前で荷物を広げ、精霊使いの遺品を整理していた。


「指輪ですか?」


「あぁ、あの亡骸が身につけていた魔装具だ」


 何の変哲もない金の指輪だが、魔眼を発動させれば――


 魔術効果【魔力自動回復】


 身に付けるだけで、魔力の回復を促してくれる装備らしい。


 魔術はもちろん、スキルによっても魔力は多く必要とする重要な要素だ。

 

 ともすれば魔力の回復手段の強化は死活問題といえる。


 早速身につけてみるが、特に何か感じるところはない。


 そう劇的な効果があるわけでもないらしい。


 だが長い目で見れば、この装備の有効性の高さは疑いようがない。


 きっと大いに役に立ってくれるはずだ。


 

 

 俺は手にした短剣を鞘から抜き放つ。


 白銀に輝く美しい刃だ。


 刃こぼれの1つもなく、くすみもなく、美しく磨かれ眩い輝きを放っている。


 刃渡り30センチほどの実用性重視といった、飾り気のない無骨なナイフだ。


「ミスリルですね」


「そうだ。知ってるのか?」


 リザの話によると、魔術との相性の悪い金属製品を嫌うエルフでも、唯一身に付ける金属がミスリルだという。


 霊銀とも言われ、限られた箇所でしか採掘されない希少な金属であり、非常に高額で取引される品という話だ。


「C級の装備品というだけでも高価だとは思っていたが、俺が想像するよりもずっと希少な品かもしれないな」


 もう1つの魔剣も鞘から抜いて確認する。


 いわゆるシミターと言われるような曲刀の様だ。


 細身の湾曲した刃に柄も湾曲している。


 凝った装飾の具合から、礼儀用とも思えるが実際の戦闘にも堪えれるのかは鍛冶師などプロにでも見てもらったほうが早そうだ。


 魔術効果【月光】


 夜間月の光を浴びると、魔力の回復を促進させるといった効果があるようだ。


 魔力を回復させる装備はいくらあっても有難いからな。これで実践に堪えれるのなら、これからメインで使っていくか。




 魔術師の鞄 魔導具 C級


 魔術効果【収納】43/60


 今使っている冒険者の鞄よりもランクが上の鞄だ。


 鞄に更に魔眼で収納具合を見てみると、何が入っているかも確認できるので便利である。



 様々な薬草


 保存瓶


 煙草

 

 銀の煙管


 魔法薬


 解体ナイフ 

 


 使えそうな物も入っているようだが、とりあえず俺は収納されていた薬草の1つを取り出してみる。


「リザこれどう思う?」


「え?日輪草ですね。日当たりの良い場所に群生する薬草です」


 なるほど。そうなのか。でも薬草の説明は今はいいかな。


 リザに確認してもらうと、薬草は今しがた採取されたばかりの様な品質らしい。


 となるとこの鞄の中は時間が停止している。ということになる。


 緩やかだが時間が流れている冒険者の鞄の、上位互換の魔導具だということだ。 


 腕に備えられた雷精霊の腕輪に触れる。


 アメジストの様な薄紫色の輝きを持った金属の腕輪。

 不思議なことに外そうと思っても外すことはできない。

 まるで強力な磁力でも働いているかのように、多少動かした所で元の位置に戻ってしまう。


 だが変な違和感はない。まさか呪われた品ということは無いだろう。

 ならばそういう物として、放って置くか。


 付与されたスキルにしてみても、使い方は不明だ。

 おそらく製作成功率上昇、魔防上昇と同じく身に付けるだけで効果を発揮するものだと思われる。

 ラドミナの話によれば付与されたスキル効力の大きさは、装備品のランクに影響を受けるらしい。


 ならばS級の魔装具とは一体どれほどのものか……


 今のところ腕輪へと姿を消した雷精霊は顕現する様子はない。


 精霊使いとは一体どういうものなのか。


 精霊とは一体どういう存在なのか。


 今だはっきりしない情報は街に帰ってからゆっくりと調べる事にしよう。


 

 

 次の日の朝、俺は外へ出て状況を確認した。


「どうやら天候は回復したようだな」


 木々の間から青空が見える。


 既に日は昇っているようだ。


 朝の爽やかな風が眠気を拭ってくれる。清々しい気分だ。


 魔素の濃い森だからか、魔力の回復も幾分早い気もする。体の調子は問題ない様だ。


「おはようございます、ジン様」


 起きてきたリザともに朝食を取り、出立の準備を整える。


 俺は最後に先輩精霊使いに黙祷を捧げ、祠を後にした。


 


 リザに魔術を付与してもらい、俺は塔を上って確認した。


 彼女は自分が登ると進言したが、魔眼を持つ俺のほうが適任だろう。崩れて落下したら危険だしな。

  

 まぁ結果から言えば、塔の最上段へ上ったところでザッハカーク砦を発見出来たのは幸運だった。

 昨日の靄は嘘みたいに晴れ、澄み切った空が視界を明るくしてくれる。


 さぁ俺達の街に帰るとしよう。 



 

>>>>>




「お帰りなさい兄様っ」


「にゃー」


「ただいまシアン」 


 玄関で出迎えてくれたのはシアンとネロだった。


 元気な彼女に引きずられるようにして家の中へ入る。


「姉様もお帰りなさい」


「ええ、ただいま」


 べたべたしてくるシアンを、リザは面白く無さそうに見つめるも、それを咎めるような声を掛けることは無かった。


 奥からミラさんも姿を表し、飲み物を出してくれて労をねぎらってくれた。


「二人共無事に帰ってきたことだし、今日は豪勢に行きましょうか。ちゃんとジンさんの好きそうなお酒も用意してありますよ」


「それは楽しみだ」


 外で食事をするのもいいが、ミラさんの手料理は別格である。

 俺の好みに合わせてくれていると言うのもあるだろうが、世界や国は違えども家庭料理というは安心できるものらしい。


 こうして皆で食事が出来るというのはいいものだ。




 温かい湯を浴びて疲れを取る。

 

 2日程度のことだが、随分長いこと森に居たような錯覚さえ覚える濃厚な時間だった。


 随分レベルも上がったし、収穫も多い。


 精霊使いの事をミラさん達に報告すると、大変驚いていた。

 やはりエルフにとっては、特別な職業といった意味があるようだ。


「おそらくその魔法陣というのは精霊の儀式でしょう。私も僅かに話に聞いたことがあるだけなので、そう詳しくはありませんが」


 精霊は気に入ったものに加護を与えるのだという。


 どういう基準で加護を与えるのかは定かではない。


 ただ邪悪な存在よりも純粋な存在に惹かれると言われている。


  


 ともあれ細かいことは後日でいいだろう。


 この夜は皆で一緒に食事をとり、穏やかな時間を過ごした。 


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