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異世界×サバイバー  作者: 佐藤清十郎
第3章 氷壁の封印と生贄の姫巫女
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第158話 上陸

 海上都市ミューズ。


 かつては海人族の1氏族であるミスラ達が暮らす小さな漁村であったという。


 人族の造船技術の進歩。操船技術の発達。それらが人族の海洋進出を大きく躍進させた。


 時代は進み帝国には未知の領域を目指して船を駆る、専門の海洋冒険者が多く誕生することになったという。


 そんな冒険者たちが、この辺りの領海で狩りをする場合に拠点としているのが、この海上都市ミューズである。



 帝国の大型船を大きく避けるように進み、シダは湾内にある小さな漁港に船を着けた。


 この辺りは明かりも少なく、人の気配も感じられない。


雰囲気から言えば田舎の漁村といった感じか。桟橋は木造だが、岸壁は石造りのしっかりしたものだ。


 港にある建物を見ると木造の建物より、石造りのものが多いように見える。ベイルの街の様子と違うのは、容易に手に入る材料に違いがあるからだろう。


「帝国の奴らにはあまり関わらないほうがいい。面倒ごとを起こしたくなければな」


 湾内を進む際に見えた海岸線の強い明かりは、帝国冒険者が滞在している区域らしい。


 そのあたりは夜でも昼間のように賑わいがあり、多くの人が行き交っているという話だ。


「問題があるんですか?」


 理由を聞くとシダは苦い顔で答えた。


「奴らのことを好ましく思っている者は、この島にはいないだろう。まぁ、島にしばらく滞在するなら嫌でもわかる」


「……わかりました。覚えておきます」


 僅か半日あまりの航海であったが、気の抜けない時間であったために陸地が恋しく感じていた所だ。


 リザもシアンも自分の足で立っているものの疲労の色が強い。


 ミラさんはまだ回復していないので、アルドラが抱えて船を下りた。


「俺が案内するのはここまでだ」


「そうかですか。お世話になりました。ありがとうございます」


「世話になったのは、こちらも同じだ。魔法薬には助かったし、浮遊術のお陰で予定よりも早く到着できたしな」


 そういって俺たちは握手を交わす。


「ルタリアの連中が根城にしているのは、あの坂を上り切った先の白い建物だ。行けばすぐわかるだろう。夜中でも明かりが消えることは無いから、今から行っても人はいるはずだ」


 既に夜の帳は下りているが、まだ深夜というほどの時間ではない。


 それなら問題ないはずだ。


 彼の住んでいる家はこの近くらしいので、島に滞在していればまた出会う機会もあるだろう。


 シダと別れた俺たちは彼の情報に従い、ルタリア冒険者たちの滞在先を目指して歩き出した。


 


 

お読みいただき、ありがとうございます!

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