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異世界×サバイバー  作者: 佐藤清十郎
第3章 氷壁の封印と生贄の姫巫女
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第148話 創造

「皆下がれッ」


 声をかけると同時に、シアンとミラさんは距離を取るため走りだした。


 リザは俺の後方に待機。風魔術 脚力強化の準備を始める。



 焦茶色の塊。


 胴体と四肢があるため人型と言えるが頭部はない。首にあたる部分が盛り上がっている程度だ。


 丸みを帯びた体。かなりの重量感がある。



 アースゴーレムは体をびくりと震わせ、地面を力任せに叩きつけた。


 衝撃が地面へと伝わり、僅かに地揺れが起こる。



「兄様!」


 シアンの呼びかけに視線を移すと、地面から生き物の様に土壁が迫り上がってくるのが見えた。


 一箇所ではなく全てが繋がっている。まるでシアンたちの進路を妨害するかのように。


 地形探知――


 俺達が通ってきた遺跡の出入り口、そこから周囲50メートルくらいが壁で囲まれてしまっている。


「逃がさないつもりか」


 何処が安全なんだよ。思わず心のなかで舌打ちをする。


 とはいえ、今は目の前の対処へ集中しよう。


 動きは鈍そうだが、パワーはありそうだ。


 まともに白兵戦を挑んだなら、あの馬鹿みたいに太い腕で潰されてしまうだろうな。



 と思っていたら、こちらを敵と判断したのかアースゴーレムが動き出した。


 しかも結構速い。



「リザ、別々に動いて撹乱させよう。隙があれば適当に攻撃して反応を見る」


「わかりました」



 既に脚力強化を付与してある。


 見た目より速いとはいえ、脚力強化の足には追いつけないだろう。



「やはり雷撃は効かないか」


 射程距離まで接近し試しに撃ってみたが、表面で弾かれる。


 近づき過ぎると、太い腕を振り回して攻撃し始めるので注意が必用だ。


 

 逆側からリザが風球を放つ。


 これは効いているようで、巨大な体に当たるたびに怯んでいる様子だった。


 

 アースゴーレムが太い足で地面を踏みつける。


 ズシンと地面が揺れ、ゴーレムを中心に地面から石の柱が無差別に突出した。


「うおっ!近づきすると危ない、リザ気をつけろ」


「はいっ」


 攻撃を受けて慌てて引き下がる。


 無差別攻撃のようだが術の範囲が広い。


 近接系が相手をするには相性の悪い魔物のようだ。


 

 急にゴーレムの動きが鈍くなる。


 どうやらリザの風魔術のようだ。


「逆風で押さえ込みます。今のうちに」


 ゴブリン退治の折に手に入れた魔導書。


 風魔術の書は、俺達で唯一風の使い手であるリザの手に。火は俺の手に渡った。


 火の術の修得は完了していないが、リザは既に使いこなしているようだ。


 日々の魔法薬作成に加えて、術の修得も行っていたらしい。


「よくやった。そのまま抑えていてくれ」


 魔力で生み出された風がアースゴーレムの体に纏わり付く。


 前に進もうとすれば前から。後ろへ下がろうとすれば、後ろから風が吹くという行動阻害系の魔術らしい。


 魔力を濃縮したような風は、まるで実体があるかのように重く伸し掛かる。


 全く動けなくなる訳ではないようだが、その動きは亀のように鈍くなった。


 

 火魔術 火球 S級



 ポイントを変更し、魔力を惜しみなく注いだ全力の火球を放つ。


 まるで小さな太陽かという光と熱を放出する火球は、身動きの取れないアースゴーレムへと直進しその身を紅蓮の炎で焼き焦がした。

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