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異世界×サバイバー  作者: 佐藤清十郎
第3章 氷壁の封印と生贄の姫巫女
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第127話 ゴブリン盗賊団5

 雷扇がゴブリンの群れを薙ぎ払う。


 断続的に現れる群れは、既に相当な数に達していた。周囲は囲まれているが、弱いゴブリンであれば数は大した問題ではない。


 固まっていれば雷扇で、単独で動いている奴は雷撃で撃ち殺す。


 視線を送るとリザ、シアン、ミラさんは3人で円陣を組むようにして応戦していた。


 互いに動きを補助し合い、危なげなく対処している。


 リザはショートスタッフと魔術で、シアンはハンドアクス、ミラさんは盾とショートスタッフを振り回している。


 流石は親子。息はピッタリだ。ネロは彼女たちの回りを変幻自在に動き回り、ゴブリンの背中に取り付いたり足元や首を掻き切ったりとやりたい放題だ。

 

 小さなネロは動きが素早く、乱戦では捕まえられそうにない。


 ネロが動くことによりゴブリンの足が止まり、そこを女性たちが仕留めるという連携になりつつあった。


 なんか普通に強いなうちの女性たちは。


 

 アルドラは自由に暴れて魔物を惹きつけている。


 女性たちからは少し離れた位置を陣取り、派手に動くことで敵の注意を引き付けているのだ。



 ゴブリン・アーチャー 妖魔Lv26

 弱点:火雷

 スキル:狙撃



 ゴブリン・アーチャー 妖魔Lv28

 弱点:火雷

 スキル:弓術



 ゴブリン・アーチャー 妖魔Lv27

 弱点:火雷

 スキル:投擲



 遮蔽物に隠れていたゴブリンを隠密、隠蔽を付与しつつ近づき密かに仕留める。


 魔力感知で存在は感じていた。こちらに接近する訳でもなく、ある程度の距離を置いてじっと動かなければ流石に違和感を感じる。


 アーチャーはボロ布を身にまとい、手には短弓や石弓、スリングを備えている小柄なゴブリンだ。


 鎧ゴブのように特別鍛えられたような感じはしない。装備以外、見た目は普通のゴブリンのようだ。


 しかし飛び道具をもった奴は危険である。早めに潰しておくに越したことはない。


「やれやれ、次は槍持ちか」


 ゴブリン・ソルジャー 妖魔Lv31

 弱点:火雷

 スキル:槍術


 短槍を備えたゴブリンの戦士。普通のゴブリンを多数従え、俺達を包囲するように迫り来る。


 既にかなりの数を葬ったと思うが、思ったよりも群れの規模は大きかったようだ。


 鎧ゴブは手強くレベルも高い。女性たちに任せるには荷が重いだろう。


 アルドラは雑魚相手とはいえ、数も多いし忙しそうだ。俺は俺で厄介そうな奴を最優先で減らして行くとしよう。




「兄様っ!助けてっ!」

 

 雷撃でゴブリンを処理していると、シアンの叫びを聞き素早く体を反転させる。


 彼女たちの元へ辿り着くと、シアンの背嚢を強引に奪おうとしているゴブリンが目に写った。


 いやシアンだけではない。リザやミラさんにもゴブリンが取り付いている。周囲にも多数いるようだ。


 

 ゴブリン・シーフ 妖魔Lv24

 弱点:火雷

 スキル:窃盗


 

 ゴブリン・シーフ 妖魔Lv26

 弱点:火雷

 スキル:強奪


 

 ゴブリン・シーフ 妖魔Lv25

 弱点:火雷

 スキル:疾走



 ネロが必死に応戦しているが多勢に無勢といったところか。

 

 荷物を奪うことが目的のようで積極的に戦おうとはせず、動きまわって撹乱しつつ荷を狙っているらしい。


 流石にシアンに向かって雷撃を放つわけにもいかない。


 隠密、隠蔽を付与した暗殺者モード(自称)で接近し、ミスリルダガーにてゴブリン・シーフの喉元を掻き切った。

 

「大丈夫か?」


「兄様!」


 シアンが安堵の表情を見せる。


 ともあれ今は戦闘中。のんびり頭を撫でてやるわけにもいかないので、ゆっくりするのは後回しだ。


 突然仲間のシーフが殺されて危機感を覚えたのか、リザやミラさんに取り付いていたゴブリンが飛び退いた。


 周囲のシーフにも緊張が伝わったようだ。しかし逃げられても面倒なので、出来るだけ仕留めたい所である。


 雷魔術:雷蛇(トラッカー)


 手の中に雷球が生まれ、地面に堕ちる。


 地面に接地した瞬間、それは弾かれたように走りだした。


 走ったと言っても足があるわけではない。まるでそれは雷で出来た生きた蛇のように、地面を這うように動き獲物を求める雷撃である。


 光の如き速さの雷撃と比べると攻撃速度は遅い。それでも他の魔術と比べるなら相当に速いらしいが。


 ともあれこの雷蛇は魔力探知で捉えた獲物を追跡して仕留めるという、誘導性能を持った強力な攻撃魔術なのだ。


 今は一度に生み出せるは3発までだが、練習すればもっと行けるかとも思う。


 魔力を溜める時間が少し長いようなので、連射は難しそうだ。


 スキルレベルを上昇させるだけでは、弾数は増えないらしく魔術の制御能力を引き上げるしか無いようだ。

 

「逃げても無駄だ」


 動きの素早いシーフはいち早く危険を感じ取り逃走を企てるが、その行動は僅かに遅かった。


 射程距離内にいる獲物を蛇は逃さない。


 今のところ捉えられないのは、空中の鳥と水中の魚だけだ。


 雷蛇の直撃を受けてシーフが地面を転がる。


 破壊力と麻痺発生率のバランスの良い雷蛇は強力な攻撃魔術である。更に雷が弱点のゴブリンとは非常に相性が良い。


 Cクラスの威力でも十分に即死級の破壊力になるようだ。



  

 ネロの鋭い爪がシーフの顔面に爪痕を残す。


 シアンの石弓から放たれた太矢がゴブリンの肩に食い込む。


 リザの風球がいくつも放たれ、動きまわる魔物の足止めをする。


 動きを止められたのは僅かな時間だが、十分に大きな価値がある行動だった。


 俺が再び魔術を放つ時間を稼いでくれたのだから。


 雷魔術:雷蛇


 再び生まれ出た蛇は、手癖の悪い妖魔たちそれぞれに襲いかかった。                                 



 滑りやすい足場、石柱がいくつも連なり遮蔽物の多い地形、明かりに乏しく視界は悪い。


 そんな中でシーフの動きは捉えどころがなく、仕留めるのは厄介だが俺の蛇には関係ないようだ。


 射程距離内ならいくら隠れようとも追跡が途絶えることはない。


 直線を進む雷撃と違って、雷蛇は障害物を避けて目標を捉えることができるのだ。


 おそらく範囲は2、30メートルくらいか。スキルレベルを上げれば更に射程も伸びると思う。



 連戦が続き女性たちに疲労見える。


 ミラさんが光魔術、防壁(ウォール)を使って魔物の攻撃を防いでいるようだ。


 自身の周囲に不可侵の領域を展開する魔法障壁。


 その効果ないに及ぼされる、あらゆる害悪を防ぐという強力な防御魔術。使用中は他の事ができなくなるらしいが、守りに徹するなら非常に有効だろう。


 魔力総量の多いエルフなら、ある程度の時間は期待できる。


 リザはまだ魔力も体力も在るのか、防壁外へ出て応戦している。防壁に守られた状態では戦闘行為は出来ないのだ。


「リザ、大丈夫か?」


 少し離れた位置にいるリザに、激励の意味も込め響くように声を掛けた。


「はいっ!まだ行けます!ジン様はご自由に動いてくださいっ」


「わかった!」


 リザは大丈夫そうだ。目に力強さがある。経験もあるし無謀な行動はしないだろう。


 近づくゴブリンには杖の殴打と風壁(エアウォール)で牽制。離れた相手には風球で応戦している。


 風壁とは自身の付近に一枚板のような重い空気の層を作り出し、目標の行く手を阻むという魔術である。


 使用者によっては、矢などの飛び道具さえも防ぐことが可能らしい。


 

 雷撃、雷扇、雷蛇を効果的に使いつつ、雷付与されたムーンソードで近くの魔物を切り捨てていく。


 無用な消費は抑え、出来るだけ魔力は温存しておきたい所だ。


 鎧ゴブは油断出来ない相手、故に暗殺者モードで対処する。奇襲スキルを加えれば背後から鎧もろとも体を切断することが可能なのだ。


 ミラ・ハントフィールド 治療師Lv28

 エルフ 90歳 女性

 スキルポイント 2/28

 特性:夜目 直感 促進


 光魔術  C級【治癒 防壁】

 魔力操作 C級【制御】

 調理   D級


 装備


 ミスティコート 魔装具 E級   魔術効果:認識阻害

 キャスケット 衣類 E級

 ハードレザーアーマー 防具 E級

 キルティングベスト 防具 E級

 レザーグローブ 防具 E級

 ロングスカート 衣類 E級

 レザーブーツ 防具 E級

 アウトラスト 魔装具 E級   魔術効果:体温調節


 ショートスタッフ 片手棍 E級

 ラウンドシールド 盾 E級

 

 バックパック 雑貨 E級

 

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