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第十七話 ブラッドストライク

敵の名前を出すタイミングにいつも迷います

スピルとサイカブトの男の応戦は続いていた

(決定的な隙が生まれない…かなりのやり手だ 剣のおかげでかなり楽に戦えているが、剣だけでは勝ちきれない)

スピルは新しい剣にまだ慣れきっていなかった

「ロール!」

足を引っ掛けて転ばせようとするが、相手の恐ろしい体幹の良さであっさりと防がれてしまう

「あまりがっかりさせないでくれよブラッドスコーピオン こんなものじゃないだろう?」

サイカブトの剣に気押され、形勢が不利になる

(こいつ…強い! どうすれば…)

新しい剣を持って、それもすぐの戦いでスピルは自身の長所である視野の広さを失っていた

剣に血を注いでいるからといって、しっぽを出せないわけではない

この事実にさえ気づけばあっさり形成逆転ができる

なんなら鋏を使ったっていい 毒の攻撃も使ったことはないが持っているかもしれない

しかし一時的な視野の狭さと能力への理解の浅さがスピルの成長を妨げていた

アイザックはそんなスピルの状態に気づいていた

(まずいな…タイミングが悪かったか、プレッシャーもかけすぎたな 助け船を出したいがどうしたものか…)

スピルは今の状態でもかなりいっぱいいっぱいだ

下手な声かけで意識を逸らせば隙ができてしまうかもしれない

そもそも意図を汲み切れる余裕があるか 敵に作戦がバレてしまうかもしれないという問題もある

悩むアイザックを横目に、ピンテアが声をかけた

「スピルくん!大技だ!」

それを聞いたスピルも、同時にサイカブトの男も驚いた

((大技!?))

(そんなものがあるのか…?)

(そんなことができるのか…?)

一瞬の間 両陣営に現れた隙

思わず足元を見るスピル

(そういえば…この状態でしっぽは出せるのか?)

スピルにひらめきがおきる と同時に足元から地面に向かってしっぽを潜り込ませた

「ロール!」

あくまで剣で巻き付かせるフリをする

それはサイカブトの男の油断を誘った

(大技はブラフか それなら…!)

突っ込んでくる男

ギリギリの距離、剣が最も活かせる間合い

そこを見極めたスピルが地面からしっぽを出し、相手の足に刺した

「ガッ!!」

思わずよろけるサイカブトの男

スピルは両肩から蠍の爪を出現させ、確実に捕まえた

そして剣を突き立て叫ぶ

「ブラッドストライク!!」

刺さった剣が男に大ダメージを与えた

「みくびっていたよブラッドスコーピオン 思ったより戦えるようだ だが…」

男は懐から小瓶を取り出し一気飲みした

すると刺された傷が塞がり始めた

「アレはなんだ…?」

アイザックが訝しむ

「まだまだいけるぜ!もっと戦いを楽しもう!」

そう言ってサイカブトが振りかぶったその時だった

「ライビー、そこまでよ」

蝶の異能者が語りかけてきた

「何言ってんだパピヨン!俺はまだまだ」

「目標達成 もう戦い続ける意味はないわ 撤収よ」

「…ちっ再生薬を無駄に使っちまったぜ」

ライビーと呼ばれたサイカブトの男は、アリの異能の男とともにパピヨンと呼ばれた者のところに駆け寄る

「この状態で逃すと思うか?」

スピルが叫ぶ

「逃げられるわよ」

風を起こすパピヨン スピルはすかさず剣を伸ばした

「ロール!」

しかし…

バシャン!

「!?鎧が…」

ピンテアの見立てた15分よりはやく、血装甲が解かれてしまった

その間に、3人組は粉と鱗粉を巻き上げて姿をくらました

「まだ近くにいるかもしれない!みんな探してきてくれ!」

隊員に指示を出すアイザック

「スピル 無茶をさせすぎたな 一旦休んでくれ」

アイザックが肩を貸し倒れ込んだスピルを支える

「隊長… 俺はまだやれます」

「いや、これ以上無茶をしない方がいいよスピルくん 一旦アクアリウムに入りな」

ピンテアの水がスピルの全身を包む 少しずつだが傷が治っていく

「ピンテアさん 奴が飲んでいた小瓶って」

「ああ…私の水に近い効果を持っているようだね」

スピルを横目に二人が敵の持っていた小瓶について話し始めた

「ヴァルサトールのようなレアな異能が同時期に出現することってあるんですかね…」

「私の記憶してる範囲ではないな 図書館に行けば何かわかるかもしれないが…もしかしたら私の水が悪用されているかもしれない」

「悪用…ですか?」

「ああ 彼らには来賓へのテロやスピルくん以外に何か目的があるようだった もしかしたらあのアリの能力でヴァルサトールを少しずつ持ち出していた…なんてのは考えすぎかもしれないが、可能性としては捨てきれない」

ピンテアはため息をつきこう続けた

「ブラッドスコーピオンのことも調べ直したいし、私はしばらく図書館に籠るよ あそこにいれば狙われても安心だからね」

「図書館にはブルフニツァ隊長がいますし警備も手厚いですもんね」

「うん アクアリウムはある程度怪我が治ったら自動解除されるはずだから医務室で寝かせてあげて」

「了解です」

スピルはかろうじて意識を保っていたが、二人の会話を聞くうちにどんどん意識も遠のき気絶してしまった

-------------------

あるアジトにて

「例のモノは回収できたか?」

「バッチリだぜボス」

「これであの二つの計画が始動できるわね」

「仲間を失ったのは痛いが、彼らならそう簡単に死なないだろう」

「異能持ちのグンタクとラクニツに関しては殺されるような拷問にかけられることもないだろうしな」

「彼らを取り戻すためにも、この国に真の民主主義をもたらすためにも、計画を進めよう」

『了解』


続く

次の話から毎週木曜更新にします!

ストックが溜まればまた毎日更新にして、尽きたら毎週みたいな感じでやっていけたらなと思っています

よろしくお願いします!

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