第五話 「復讐への一歩」
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激戦の後、カボチャたちは身を隠すために廃工房にいた。
「なあ、なんで俺のことを信用してくれたんだ?助けたからか?」
レイクランドが魔族の俺をここまで信用してくれてるのが不思議だった。
「…通常モードに変化――それもあるかな。けど一番は共感できたからさ。おっと、いきなり流暢に喋りだして驚いたかな?」
うん、めっちゃ驚いた。あんな機械ぽい喋り方してたのに。これ人なのか?だが共感とはなんだ。
「共感?てかお前はロボじゃないのか?」
「詳しく話すと長くなるけどいいかな?」
「あぁ」
「僕はね、もともと研究者だったんだ。だけど昔、研究所に魔族の襲撃があってね。そのときに仲間は全員死んで僕だけが瀕死の重体で生き残った」
「生き残ったといっても脳が生きているだけの状態で体はほぼ機能をしてなかった。そこで意識をこの
兵器に移植してサイボーグになったんだよ。体はめっちゃ強くなったけど元はただの引きこもり研究者だから、戦うときは"自動戦闘モード"に切り替えてるんだよね。つまり俺も魔族に大事な人を奪われたってことだ。わかった?」
「お前もだったのか」
「でね、そんなことより僕はね、君のことが一番知りたいんだよ!」
レイクランドは子供のように興奮していた。研究者の血が騒いでるのだろうか。まずそんなことって…
「なんでだ?そんなおもしろいことあったか?」
「ありまくりさ!なんでそんなに魔族反応が微弱なんだよ!その帽子になんかカラクリがあるのか?それに魔族が裏切りなんて今までの歴史で一回も確認されてないんだ!だから魔族の内情なんてほとんど知られていない。一体魔族とはどんな生物なんだ!教えてくれ!」
いきなりすごい量の質問が飛んできた。
「多いって。帽子は父のが使ってた武器としか言いようがないし、俺は親になるべく他のやつとは関わるなと言われてたから魔族のことはよく知らない。」
「そんな……。魔族のことが詳しく分かれば論文書こうと思ってたのに……」
その凶器だらけの体でどうやるんだという言葉はグッと飲み込んで、俺の本意を伝えることにした。
「なんかごめんな。てかお前に頼みがあるんだ。聞いてくれるか?」
「…ん?なんだよ…」
めちゃくちゃ落ち込んでたが気にせず続けた。
「俺は魔族を滅ぼしたい。そのためには力がいる。だがさっきの戦闘でお前がいなかったら危なかったかもしれない。一人じゃどうしようも無いことを俺は理解した。そこで相談だ俺を防衛軍に入れてくれないか?」
この言葉でレイクランドが明るくなった気がした。表情とかないけど。
「ははっ、おもしろいな!魔族が魔族を滅ぼすために人間の仲間になるのか。」
「僕の力じゃ君を勝手に入れさせるのは流石に不可能だから、入れるように手伝うことはできるよ!」
手伝いか、それで充分だ。
「ありがとな」
「リスクは高いけど上のやつを説得するのが一番はやそうだね。今この街には副団長がいるからそいつをなんとかしするか」
「副団長?」
「あぁ、リクってやつでA+の猛者だよ。情に深くて仲間思いなやつだね。一回信用されたら守ってくれそうだし可能性はあるよ」
「どうすれば信用されると思う?」
「…そうだね……基本、防衛軍のやつらは魔族を恨んでるからね、普通に話し合おうとしてもその前に殺されるだろうしな…。君と僕のときみたいなシチュエーションを用意するしかないんじゃないかな?」
同じシチュエーションか…。だが相手は猛者らしいので助ける場面なんてそうそうないはず。さらに仮に助けて恩を売れたとしても仲間になれる保証なんて無い。レイクランドは好奇心のおかげで仲間になれた感があるし……。
「やっぱ難しいかもね…。だったら防衛軍の見えるところで魔族を狩りまくるのはどう?。ずっとやってれば、いつか防衛軍の方から接触があると思うんだよね。そうすれば魔族のスパイの可能性が低くなるし」
確かに、こっちから仲間にしてくださいというと、当然まずはスパイの可能性を疑われる。しかし向こうから話かけて来るほどの状況の場合、俺がスパイとして潜入するなら、他の魔族を殺しまくるなんて不合理的すぎる。そもそも話しかけてくるとなると、スパイの可能性はあまり疑ってないはずだ。
まず接触が絶対に起きるとは限らないし、その前に目立てば防衛軍に始末されることだってありえる。だがこれが一番可能性があるのだ。だから俺は決めた。
「それでいこう。まずは行動で示すんだな」
「まぁそうだね。ずっとここにいても何も起こらないし、そろそろはじめようか!」
「だな」
そして長い夜は明け、カボチャの復讐への明確な一歩が始まった。
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