第三話 「光輪の街」
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プロローグ
転移ゲートをくぐった先の視界には光輝く街が写っていた。
(たしか人間と魔族は敵対してたはず...。人間と関われば復讐の手立てが手に入るかもしれない。しかし俺も魔族か..どうしたものかな)
カボチャは悩みながらも、復讐心で体と心を無理やり動かしその街へ歩き出した。
カボチャは街の前の門に着いた。巨大な白壁に囲まれ、上空には幾重にも重なる光輪結界が輝いていた。その光は昼の太陽に劣らぬほど眩く、外から迫る魔族の軍勢を一歩たりとも寄せつけない。
門の前は賑やかでまだ街の中ではないというのにとても活気づいていた。カボチャは人目につかない場所まで急いで離れた。街は光輪の結界に守られていて普通では入れそうにない。
(魔族が簡単に入れるわけないよな。)
思考しているとき、ふと看板が目に入る。
ルミナリア王国 王都『光輪の街』
”防衛軍” 第一支部 駐在地
(防衛軍か。確か人類の軍隊だっけ。侵攻の障壁の一つだとか父さんが言ってたな。)
何気なく父のことを考えたときにある会話を思い出す。
「ねぇ父さん、なんでいつも帽子を被ってるの?」
「あぁ、それは俺の大事な武器でもあり相棒でもあるからさ。」
「そうなんだ!でも帽子がどうやって武器になるの?」
「帽子を持って念じれば縁が刃になるし回転させて投げたりすることができるんだ。盾としても使えるし、魔力の制御も手伝ってくれるんだぞ!魔力を隠蔽したり、増幅させたり本当になんでもできる俺の自慢の相棒だ!」・・・
自慢げに話す父を思い出し懐かしい気持ちになったが、処刑された姿は頭から離れることはなかった。しかしこの会話がヒントになる。
そうだ、帽子だ!すぐに帽子を深く被って念じた。
(魔力を隠蔽せよ)
その瞬間、体から漏れていたオーラや魔族の反応まで完璧に消えた。
(これならいける!)
試しに街を出ていく商人らしき人間に話しかけた。
「すまない、聞きたいことがあるんだが」
「ん?旅人か?聞きたいことだな、なんだ?」
「この街はどんな街なんだ?」
「光輪の街のことか。ここはルミナリア王国の王都の街だ。支部があって比較的平和なところだぞ。魔法が発展していて薬草や魔鉱石がよく売れる。聞きたいことはこんなところか?」
「あぁ、大丈夫だ。ありがとな」
「いいってことよ。ただ平和って言っても襲撃が無い訳じゃないから気をつけるんだぞ」
「わかった。あんたも気をつけろよ」
「おう」
軽く話したが商人はカボチャが魔族だと気づいている気配はなかった。
(これなら結界を通ることができるかもしれない)
カボチャは心決めて門へ歩いて行った。不安は無駄だったかのように簡単に結界を通ることができた。
(すごいぞ、この帽子の力は本物だ!)
安心した束の間、結界の外で轟音が鳴った。魔族の部隊が攻めてきたのだ。
「魔族だ!魔族が攻めてきたぞ!」
誰かの叫びを合図に、兵士が駆け出していく。
その戦闘を見ようと物陰に隠れた。
白壁の外で繰り広げられる戦場――光輪の結界を突き破ろうと群がる魔族たち。その前に立ちはだかるは、防衛軍第一軍団。
盾を構え、陣形を崩さず、統率された動きで押し返していた。
(あれが……防衛軍……!)
結界越しに見る彼らの戦いは、憎き魔族を退ける光そのものだった。
剣閃が走り、槍が突き出され、盾が仲間を守る。誰一人、背を向けない。
胸が熱くなる。
心の奥底からこみ上げる衝動があった。
――俺も、あの中で戦いたい。
――魔族を、滅ぼすために。
カボチャは拳を固く握りしめ、決意を胸に刻んだ。
「必ず……俺は防衛軍に入る。そして魔族を……滅ぼす」
街の光輪の下、誰にも知られずに、その少年は静かに誓った。
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