地下水路
注意⚠この作品はフロムゲーもといダークソウルに多大な影響を受けております。ソウルシリーズをプレイされるとより楽しめると思います。
主人公の素性は「ゲーマー」です。
貧弱な耐久の代わりに高い技量と理力を持ちます。
水の滴る音が聞こえて、目が覚めた。ここはどこだろう、私は誰だろう……
なんだが記憶が曖昧だ。頭でも打ったのだろうか?
どうにか起き上がった私は鼻をつまんだ。臭い!ここは下水道か?どうだっていい、早くここから出よう……
猫耳フードのパーカーは濡れていない、汚水に塗れているという訳ではなさそうだ。良かった。
それにしても、暗い。一寸先は闇だ。
恐る恐る進んでいくと、途中で何かを蹴ってしまった。
壁にもたれかかっていたそれは、暗くてよく見えなかったが、悪臭がした。その正体は今は考えないことにしよう。
曲がり角の先に光が見えた。期待して少し早足で近づいてみたが、外の光では無いらしい。それはスマホだった。ロックはされていない、充電も81%と十分だ。一旦ライトとして使わせてもらおう。
ライトで照らしながらまたしばらくアテもなく歩いていると(さっき蹴ったやつはなんだったんだ?あれから見ていない)、また何か落ちているのを見つけた。
これは……カッターナイフ?やけに綺麗だ。
なんか怖いし、これも拾っておこう。少しだけ安心感が増した。
そのすぐ後に見つけたのは、スマホの充電ポート、かな?コンビニとか駅とかに置いてあるやつだ。
さっきのスマホを置いてみたら、1瞬で100%になった。凄い。(なにこれ、赤いゲージが液晶の左上に表示されてる)
そして目の前には、真っ白な……霧?これ、入っていいやつだろうか?
迷っていても仕方ないし、ここが今のところいちばん明るいし、先に進まないとどうにもならないし……ということで、霧に突入してみることにした。
手を触れたら、吸い込まれるように私の体が霧をくぐった。そこにあったのは……
「階段!」
幅の広い階段、しかも登りだ。これで帰れる!私は駆け出した。
つかの間、悲劇は起きた。
「UAAAAA!!!!」
雄叫びと共に急に現れた男(?)に、何かで強く殴られた。私の軽い体は踊り場まで吹っ飛んだ。不思議と痛くは無い。
起き上がった私が見たのは、松葉杖を振り回しながらこちらに近寄ってくる上裸の男だった。
何とか無様にゴロゴロ転がって振り回される松葉杖を避けていたのだが、途中でバテて動きを止めてしまった。
振り上げられた松葉杖が見えた。
やばい、死ぬ……
ーYOU DEADー
カッターナイフ 武器種:短剣
文房具屋で売られているごく普通のカッターナイフ。日本製。刃を出し入れすることでリーチの調節が可能、と言っても短剣の域を出ない。ネジで固定するタイプのものなので、調節には少し時間がかかる。
今となっては敵を切りつける刃物だが、古い時代、これは段ボールを切って遊ぶためのものだったという。