表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
・SAVE・転生したら猫耳少女だったのでとりあえず魔王になろうと思います。  作者: さどがしま たつや
第二章 ロゼの旅(仮)
38/39

最下層 出会う エルフ

"最下層" 元・居住地域『ボトム・イレイヤ』


草を揺らし、"森"の中を進む二つの人影がいた。

その二つの影の一つは猫のような耳と尻尾を持ち、大きな袋を肩に抱えた少女のもので、もう一つは、狐の耳をとふさふさとした尻尾を持つ幼女のものだった。

辺りは薄暗く、光というものはただ側面にたまにある穴から差し込むだけで、その光に向かって小さな生物がたかっているのが見えた。その姿を横目に二人は進み続ける。

ただ、ひたすらにこの"森"を進み続けていた。


「…どうしよう。」

「どうかしたの?」


「道に迷った。」

その言葉にルナは口を開けて唖然とした。そして、開けていた口から

「…なんでまっぷすきるをもってるのにまようの。」

「いやぁ…はは。」

苦笑いをうかべながら左手で髪の毛をかいた。

辺りはより一層暗くなり、移動しようにも難しくなっていた。

ジト。とした目で見ているルナに対して、

「ほ、ほら辺りも暗いし、移動も困難でしょ?だから、さ…今日は!今日はこの辺りで一晩過ごそうぜ!」

親指を立て、ルナに言った。

「…。」

それでもルナはじっと黙って見つめていた。

「…はあ。」

すると、ルナは大きくため息をついてやれやれ。と言わんばかりに両手をひらひらとさせた。

遠くでちいさく鳥が鳴いた。


ぱちぱちと火花が弾け、焚火はあたりをぼんやりと燃えていた。

俺は木にもたれかかって座り、火の世話をしながら、木の棒に刺した肉二本が焼けるのを待った。

「ほのおまほうもべんりだね。」

「魔法ってのは、こういう時のためにあるもの。」

本望(ほんもう)なのだよ。本望。と続けながらルナに答えてやった。

スキルポイントで獲得していた炎魔法を使い、森中にあった木の枝を集めて焚火にしていた。

生活するに火は命に関わるほど大切なものだ。

「それにしても。」

上を見上げあたりの景色を眺めた。すると、ルナも俺のことを見て、真似して上を見上げ、あたりを眺めた。

「暗くなると、本当にここが国の最下層とは思えないよな。」

心地よく風が通り、夜行性の鳥が鳴く。そして、周りには木々。

本当にここは"森"と言われても一見、わからない場所だな。

じゅうぅぅ…。

「おっと。」

焚火に目を戻し、火の近くに刺していた肉串を見た。だいぶ色もよくなり、串を地面から抜いた。その一本をルナに渡した。ルナはきらきらと油が火で輝く肉串に目を輝かせ。そして、いただきます。を言い、思い切りかぶりついた。

「~~~!!」

分かる。うん。その気持ち分かるぞ。美味いんだろ。

おいしそうに食べるルナの姿を見て、少しにやけていた俺もかぶりついた。

「っ!おいしい…!」

調味料は何もつけていない。というか持ち合わせているのはイサパニ(この世界でいう山椒のこと)だけだった。それでも、噛むたびに肉のうまみが溢れて、とてもうまい。米と一緒に食べたくなる味だ。

持っていた肉串を食べ、まだ足りなかったので

「もう何本か焼く?」

「やく!」

二つ返事でルナが返し、すぐに準備に取り掛かった。


ドドドドドド…。


「ん?」

木の棒に肉を刺しているとき、遠くから地鳴りのように響く音が聞こえてきた。それも複数と聞こえてきた。

「…なにかきてる。」

食べながらルナが言った。

ルナが言うように音はだんだんとこちらに近づいてきた。

「音の正体がなんだか知らんが、面白くなってきやがった。」

刺し終えた肉串を焚火の近くに刺し、立ち上がった。

音が聞こえる草むらの方に体を向け、ルナは手を構え、俺も戦闘態勢に入った。

どんどん音が近くなっていく。


「…ぅぅぅぅうううああああああ!!!!」

「なっ!?」

「えっ!?」

草むらから勢いよく飛び出してきたのは俺と同じくらいの歳の少女で、金色に輝くショートヘア。ボロボロになった服につるんとした肌。口からは「たーすーけーてー!!」と。

透き通った緑色の瞳を持つ目からは大量の涙が溢れ、そして、"長い耳"。

その姿。まさしく


エ ル フ だ ! !


「エルフだ!!」

俺はめちゃくちゃ興奮していた。まさか、こんなところで"異世界と言えば!"に出会うとは!!

「ほらルナも見ろ!エルフだぞ!しかもエルフっ()だぞ!」

「……。」

ルナも少しだけ驚いていた。でも、驚きはすぐに俺の発言でどこかへ飛んで行った。

すると、エルフっ娘は俺目掛け走り、後ろに回って俺の両肩を両手で掴んだ。

「うひゃう!」

おっと、変な声が出てしまった。それを黙って見つめるルナであった。

「助けてくださいっす!!」

「あえぇえ!?助けてあげるけど、何に追われてんだ?」

エルフっ娘はとても焦っている状態で「あれ!あれからっす!!」と言って指をさした。

すると指をさした方向からドドドド。と大きな音が聞こえ、飛び出してきたのは大量のビルター(この世界でいうイノシシのこと)奥にはとても大きいボスのようなビルターがいた。

「ええええ!?なんだよこの数!!」

「おくにおおきいのがいる!」

「とにかく!やるしかない!!」

てんやわんや。ぎゃーすかどっこい。


*


「いやー…。」

ぱちぱちと火花が弾け、焚火はあたりをぼんやりと燃えていた。

三人は焚火の前で座り、エルフっ娘は焼いていた肉串の三本の内、一本を食べながら

「助かりましたー。」

「…久しぶりにめちゃくちゃ戦った。」

「つかれたー。」

エルフっ娘の豪快な食べっぷりを俺とルナは見ていた。

「うち、"エルフェナ"って名前っす。」

「エルフェナねぇ。私は"ロゼ"。よろしく」

「るな。よろしく」

「よろしくっすー。」

簡単に自己紹介をし終わると、エルフェナは持っていた肉串(三本)を食べながら話し始めた。

「うち、小さいころから。(ばくっ)この森に棲んでるんすが。(もぐもぐ)まさか。(ばりっ!)あんな大群に襲われるなんて。(むしゃ)そしたら、こんなところで人と会えるとは!奇跡っすよー(むしゃ武者)」

「……た。」

そして俺はエルフェナに言葉を投げた。

「食べながらしゃべっていたらお行儀が悪くってよ!(お姉さま風)というか途中、ばりっ!って音聞こえたけど、木の棒ごと食ったよね!?…というか、今食べてるの!それ私とルナの分!!」

「え、そうなんすか?いやーすみません。てっきり私の分かと。」

にく(ごはん)のうらみはこわいよ…。」

あははーと笑うエルフェナを見ながら、今さっき倒したビルターを石のナイフでカットし、木の棒に刺し、焚火の近くに刺した。

「まあ、さっき持っていけないくらいビルターを狩ったからいいけどさ。あ、これは私とルナの分だからな。」

分かってるっすよ。とエルフェナが笑いながら言った。

それにしても、こいつもルナと同じく、おいしそうに食うなー。すこし品がないが。

「…そうだ、エルフェナはエルフなんだよな?」

「そうっすね、エルフっす。それがどうしたんすか?」

肉が焼けるのを待ちながらエルフェナに質問をした。

「てことはさ。エルフのイメージってのが私はこう、いろんな知識を持ってる感じでさ。だからこの世界の歴史とか、教えてもらえないかなーと…。」

「私バカっすよ?」


バカっすよ

バカっすよ

バカっすよ


「「………。」」

やがて火花がはじける音と、エルフェナが肉を食べる音しか周囲に響かなかった。エルフェナは、手に持つ三本の肉串を食べ終え、すこし間をおいてから口を開いた。

「ウソっす。」

「「うそなんかい!!」」

今日一の大声でルナと俺はツッコんだ。

「でもうちは、そこまで歴史知らないっすよ。知ってるのは種族の知識とか、戦闘知識。この世界の地理とかっす。」

「なるほど。」

手のひらを顎に置き、エルフェナを見た。

「じゃあさ。何で戦闘知識あるのに逃げてきたんだい。」

「それとこれとは全く別っす!知識があっても数は無理っす!というか、近接は私の分野じゃないんす!」

「えるふぇなは、なにがとくいなの?」

ルナが聞くと、エルフェナは立ち上がり、腰につけていた弓を手に持ち、矢を一本取りだした。そして、矢を引き、狙いを定め、手を離した。

「うちの得意分野は狙撃っす。」

すると、遠くでビルダーの悲鳴と倒れる音が聞こえた。

「「おおー」」

それを見て、俺とルナは拍手を送った。狙撃…ね。

「いやいやーそれほどでもないっすよー」

少し照れくさそうにそう言いながらエルフェナは地面に座った。

そして、こほん。と一つ咳ばらいをして、

「それで、話なんすけど。」

「?うん」

豪快に土下座をした。

「うちをここから連れだしてほしいっす!!」

「「!?」」

続けてこう言った。

「なんでもするっす荷物だって持つっす!戦闘も狙撃手としてサポートできるっす!!だからどうかお願いするっす!!」

「いいよー!」

二つ返事で親指を立て言った。

一瞬のことで、エルフェナはあっけにとられた様子だった。

「…いいんすか?」

「全然大丈夫。」

「いいの、ろぜ?」

「ああ。なんか面白そう。」

俺はルナに笑って答えた。

すると、ルナは手のひらをひらひらさせ、はあ。とため息をついた。が、その表情は笑っていた。

「ろぜがいうならだいじょうぶ。」

「じゃ、決まり!」

立ち上がり、エルフェナの前へ行き、手を差し伸べた。

それを見て、エルフェナは表情を明るくし、俺の手を掴んだ。

「はは…。判断が速い人は好きっす。」

そして手を掴んだ状態で立ち上がった。


「では、改めてよろしくっす!ロゼさん!」

こうして、エルフェナの同行が決まった。

久しぶりの投稿。今日はずっとこれを書いてました。

新キャラ出せてよかったっす。


※一番最後辺りの"俺の手を掴んだ。"の後に一行だけセリフを追加しました。すみません、殺さないでください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ