壁の向こう
今回は短めになってしまいました。すみません。
「…なにも…ない……。」
人間の発言に俺とルナはしばらく唖然としていた。
やっと俺は口を開いた。
「なにも…ないということは…」
「文字通りこの壁のむこうには何もないんだ!!」
「……。」
…どういうことかさっぱりわからない。何もない?そんな馬鹿な話があるわけない。
「どこで知ったのですか?」
俺は人間に聞いてみた。
「はあ…はあ……。ああ…。」
人間は冷静になり、そしてゆっくりと話した。
「昔からの言い伝えだ。この"世界"には壁があり、この壁は"世界"を囲んでいる。その理由は壁の先にある"何もない世界"からこの"世界"を守るためだ。」
「…では、壁の先を見たことはがあるのですか?」
俺はまた人間に聞いてみた。
「見たことはない。だけど、周りもそう言ってる。だから俺も信じている。」
「そう…ですか。」
俺は一度考えることにした。
"世界"を囲む壁…そしてその壁の先は"何もない世界"が広がっている……。だけど、その世界を見たことはない…。
「どう思う、ルナ。」
ルナに聞いた。
「…うそ。なにかあるとおもう。」
「そうだな。」
にっ、と笑ってルナの頭を撫でた。
ルナはごろごろとのどを鳴らした。かわいい。
「調べてみないといけなさそうだ。」
そして、ルナの頭から手を離し、人間に言った。
「貴重な情報をありがとうございます。それでは、頑張ってくださいね。」
俺とルナはその場から立ち去ろうとした。
「助けてくれないのか!?」
人間が意外そうに、そしてまた焦りながら言った。
「嫌ですよ。もう一つの理由がまた厄介なのでしょう。絶対にいやです。」
「そんな!!」
「では。」
ガクッと両手を地面について俺とルナの姿が見えなくなっても「もう、おわりだ。死にたくない…」と絶望するようにずっと言った。
「ろぜ、たすけなくてよかったの?」
人間の姿が見えなくなった後、ルナが横から俺を見上げてそう言った。
「厄介ごとにはあまり手を付けたくない。それより今はこの壁の向こうの世界が知りたい。」
「それもそうなのかな。」
そして、ルナは前を向き、歩き続けた。
「……登って壁のてっぺんまでいけないかな。」
「むりじゃない?」
俺とルナは壁を見上げていた。
「……無理かあ。」
即、諦めた。
「じゃあ、無効化スキルでこの壁を壊して…」
「かべがぶあつかったらどうする?」
「……厚さかあ。」
「"なにもないせかい"からまもってるかべならそうとうきょりがあるんじゃないかな」
「……そうだよなあ。」
さっきの話を少しいじるように言ったルナの言葉にそう言った。
…てか普通に考えて危ないか。
「ならどうしよう…"世界"から出れる場所なんてあるのかな。」
「どうだろうねー」
そんなことを離しながら壁を見上げ続けていた。
そして、しばらく壁を見て言った。
「なら、このままずっと壁に沿って歩いてみるか。」
「…ええー……。」
ルナはすごく嫌そうな顔をした。
「え?嫌か??」
俺はすっごく疑問に思った。
「やだ。いきあたりばったりすぎ。」
「この"世界"から出る手がかりが見つかるかもしれない。いい案だと思うんだけど。」
思ったことをただ、口から言葉として出した。
するとルナは俺から顔をそらした。
「…まあ、ろぜがそうおもうなら…わたしは…ついていくだけ…。」
「…そっかあ。」
少し照れくさそうに言ったルナを見て、まじ天使。と思いながら俺はそう言った。
「なら、壁に沿って歩いていこう。」
「ほい!!」
元気にルナが右手を上げ、そして俺の左手を上げた手でしっかりと掴んだ。




