外伝 後編
後編
「この船のワカメを全部渡せ」カワゲラ海賊団の男は言った。
「ワカメは俺達の命だ!!見ず知らずのお前らに渡すわけが無いだろ!!」船員の細井さんが言う。
そうだ!そうだ!と周りの船員も続けて言う。
宇佐美少年も言った。その光景を見てため息をついた海賊団の男は、「じゃあ、仕方がないか」そう言い、ポッケからナイフを取り出した。
「な、なにをするん…ブフゥッ!!」船員を次々にナイフやら拳で殺害していった。
目で追えないスピードで、宇佐美少年の仲間達を…
数秒も経たない内に生きてる船員は、宇佐美少年だけになっていた。
カワゲラ海賊団の男達は、死体を踏んづけながら「ゲラール・G・ゲラー様誕生の為に…」そう呟きながら、ワカメが入った網を次々に運んでいった。
宇佐美少年は怖さで、見ているだけの自分を呪っていた。
運び終わった男達は、颯爽と船に乗り込んだ。だが、リーダーらしき人が船から降りて、宇佐美少年に近づいてきた。鬼の形相で顔を近づけてきた男は、「お前だけを生かしたのは理由がある。14年後に生まれてくる我らが主〟ゲラール・G・ゲラー〝様の生け贄になってもらうためだ。ゲラ様は、30年後、雄物川高校にご入学なされる。来る厄災にお前が身代わりになれ」そう言い、船に乗り行ってしまった。
その日から仲間の怨みを晴らすべく、バレーと勉強に励んだ。そして、入ってくるゲラとは誰なのかを突き止めて怨みを晴らすべく雄物川高校の職員になった。