3話
「はぁはぁ…優羽のおかげで二階まで降りてこられた… このまま皆で一階に降りれば…」そう呟いた僕は皆と一緒に急いで階段に向かう。
だが、あと少しで逃げられるという希望が見えていた僕達に更なる絶望が襲いかかった。
「階段が、封鎖されてるッ!!」おそらく、1階にいた先生達が久子ロイドの暴走を恐れ、3階にいた僕達を餌にし、久子ロイドを閉じ込めようと封鎖してしまったのだろう。宇佐美先生やバレー部員達がシャッターにタックルし、脱出を試みるが、びくともしない。これじゃあ逃げられない。
せっかく優羽が犠牲になってくれたのに…そう思い、皆で絶望泣きしていると、 おう と言う声が聞こえてきた。
急いで振り返ると、ムキムキになった優羽が立っていた!!「優羽!生きてたんだね!!良かった!」僕は泣きながら優羽に抱きつく。「おう、俺は一回死んだんだけどよぉ~なんかワカメとゲラの血が混ざって生きかえったみたいだ」 ゲラ?ワカメ?優羽の言っていることは分からないが、生きててよかった。僕と優羽が喋っていると、宇佐美大輔先生が優羽の所にドカドカと近づいた。そして優羽の胸ぐらを掴んで、鬼の怒り顔で叫んだ。「お前だったのかッ!!優羽ッ!!いや、ゲラール・G・ゲラーッ!!」優羽は驚き、こう言った。「なんでその名を知っている!!宇佐美ッ!!」