ピュアウイッチ・ピンク身バレする
ピュアウイッチ・ピンク●ライブ
ピュアウイッチ・ピンクは、岩山の山頂を中心に飛んで、飛行が得意な参加者を牽制していた。さすがにピンクの飛行能力から逃げられる参加者はいない。山の麓では、可愛美麗と水色あさがおが参加者と戦っていて、戦況は拮抗している。
☆ピュアウイッチ・ピンク「あたしも参戦した方がいいかな」
作戦とちがうが、ここで飛んでこない敵を待っているのを退屈だ。ピンクは高度を落とした。その時、山の中腹から女の子が飛び出して、ピンクに飛びついた。
しまった!
「芽愛ちゃん!」
☆ピュアウイッチ・ピンク「だれ?」
「真唯だよ」
☆ピュアウイッチ・ピンク「真唯?」
「そう」
☆ピュアウイッチ・ピンク「ホントに?」
「ブランコで靴のとばしっこしたよね」
☆ピュアウイッチ・ピンク「だれでもやるよ」
「いつも芽愛ちゃんが遠くに飛ばしてすごかった」
『めいちゃん?』
『となりのとろろ』
『め~いちゃ~ん』
☆ピュアウイッチ・ピンク「ごめんよくわからない」
「公園でさ」
ピュアウイッチ・ピンクは思った。真唯は小学校に通っていた頃、なかよくしてくれた娘だ。放課後、家に帰りたくなくて、公園で暇を潰していたとき、声をかけてきたのがきっかけでなかよくなり、公園で遊ぶようになった。
話したい。でも、あたしは死んだ。死んだ人が生きている人と話して良いの?
☆ピュアウイッチ・ピンク「よくわからないけどメールください」
「わかったメールする」
☆ピュアウイッチ・ピンク「マイさんはあたしを捕まえました。神器のある祠まで案内します」
「お願いします」
ニコニコしながらゲームを続ける真唯と、地を出さないよう平静を装ってゲームを進めるピンク。ゲームが終わった後、真唯はさっそくメールした。返事はすぐに返ってきた。
真唯はゴーグルを付けて、指定のサーバーにログインした。そこは、ファンシーな装飾で実に女の子心をくすぐるかわいい部屋だった。
そこに、ピュアウイッチ・ピンクと、さくまどろっぷが現れる。
「真唯ちゃん!」
さくまどろっぷが中間に入る。
「改めて名前を教えてくれる」
「佐々木 真唯です」
「ピンクちゃんと友達だったっていうのは本当?」
「はい!」
「証拠は?」
「すずかぜ若葉小学校1年1組の同級生で、毎日、学校帰りに公園で遊んでいました」
「どんな遊び?」
「ブランコ乗ったり、滑り台で滑ったり、ブランコで靴の飛ばし競争したりしました」
「ピンクちゃん、合ってる?」
ピュアウイッチ・ピンクは静かにうなずく。
「どうしてピュアウイッチ・ピンクの正体がわかったの?」
「わかるよ~。声とかしゃべり方とか口癖とか」
「それでゲームにきたんだ」
「はい」
「わかったわ。ここからはピュアウイッチ・ピンク本人の問題ね」
ピュアウイッチ・ピンクは、静かに語り出す。
「真唯ちゃん、ひさしぶり」
「ひさしぶりだよ~。元気にしてた? って死んじゃったから元気じゃないのか」
「死んだ人間と話して気持ち悪くない?」
「なんで? ニュースを聞いたときはびっくりしたけど、VTuberに転生して生きているってわかって嬉しいよ」
「それ、おかしくない?」
「どういう意味?」
「死んだのに生きてるって」
「よくわかんないけど、今話せてるんだからそれで良いじゃん」
真唯はニコッと微笑む。
まったく。この笑顔に何度、救われただろう。家に帰りたくなくて、公園で時間をつぶしているとき、真唯は話しかけてきた。
「遊ぼう」
そのひと言に救われた。だからあたしは、真唯と友達になった。
「真唯。ありがとう」
「どういたしまして」
「こんな身体になっちゃったけど、友達でいてくれる?」
「もちろん」
「ひとつお願いがある」
「なに?」
「ネット上では本名で呼ばないで」
「わかった。ピュアウイッチ・ピンクちゃん」
真唯がニコッと微笑む。ピンクも笑顔で応える。




