勝ったな風呂入ってくる
ちゃとら千尋●ライブ
☆ちゃとら千尋「みんながんばって! あともう一息だよ」
魔王デビルオクトパスは、ダメージを受けるごとに焦げ目が増え、足の一本一本が落ちてゆく。今は全身、黒焦げで足が3本しか残っていない。
コメントが流れる。
『たこさん満身創痍』
『終わったな』
『勝ったな風呂入ってくる』
サキュバスも息絶え絶えで空をフラフラと飛んでいる。もともと裸同然の衣装がボロボロにはだけて、ほとんど隠さなきゃいけない部分ぐらいしか残っていない。
「クソ!」
『クソいただきました』
『もっと罵ってください!』
『ラリィ様!!』
魔王側が満身創痍とはいえ、勇者側もそれなりに疲弊している。HPもMPもアイテムも使い果たして、ちゃとらのかけ声で立ち上がれるメンバーは少ない。ちゃとらも体の毛が焦げてチリチリになり、衣装もサキュバスと負けず劣らず、隠せる部分しか隠せていない。
『もっと焦げて』
『でかいのがこぼれ落ちそう』
『タコがんばれ』
『おまいらどっちの味方だ』
床に伏せていた賢者が、両腕をプルプルと震わせながら半身を起こすと、残った力でちゃとらに回復魔法をかけた。ちゃとらが輝くと多少、体力が回復する。
☆ちゃとら千尋「ありがとう!」
賢者はサムアップをして応えると、気を失って倒れる。ちゃとらは、回復した力を奮って魔王に斬りかかる。
☆たこさんウィンナー「ぐをおおおおおおおぉ!」
断末魔を叫びながら魔王デビルオクトパスは黒焦げになり、ボロボロと粉々に砕け落ちていった。
『勝った!』
『かったな』
『ふろはいって…』
☆ラリィ=ル・レロ「あっはっはっは! タコのやろう、やっとくたばったか。この時を待っていた。おまえの魂を吸って、私はもっと強くなる!!」
禍々しい気が渦巻いてサキュバスに集まり吸収される。黒い気が体内で収束されると、サキュバスの衣装は完全に弾け飛んで真っ裸になった。
その瞬間、サキュバスは一匹のコオモリになった。
『あれ?』
『まっぱは?』
☆ちゃとら千尋「はっはっはっは! 残念だったな! 配信規約に触れるような姿をさらせるとでも思ったか!」
『ええええええ』
『聖なる光で隠して』
『なぞの煙とか』
ステージ全体が聖なる光に包まれると、魔王側、勇者側、全ての参加者が元の姿に戻る。魔王デビルオクトパスはたこさんウィンナーに。サキュバスはラリィ=ル・レロに。ちゃとらもデフォルトの姿に。
☆ちゃとら千尋「ゲームは勇者側の勝利で終わりました。参加者のみなさん。ご参加、ご健闘、どうもありがとうございました」
☆たこさんウィンナー「どうもありがとう」
☆ラリィ=ル・レロ「ありがと」
さくまどろっぷ●ライブ
『バギーレース』の最終ステージにトップで躍り出たさくまどろっぷ。参加者に手加減することなく最速のルートを走って行く。
『初心者に本気出して草』
『こういうのって接待プレイが基本じゃね?』
『子供のくせに大人気ない』
『さすがロリババア』
2番目にコースインしたのは春花だが、安全運転が災いして、後続の参加者にどんどん抜かれて行く。
『安全運転だな』
『教習所レベルだ』
『停止線越えると教官がブレーキ踏む感じ』
☆春花「安全運転に勝るドライビングテクニックなんてないのよ」
接待プレイなど無視して、さくまどろっぷが1位でゴールする。
『おみごと』
『やったねピュアウイッチ・ブルー』
『ロリで大人気ないところが大好き』
続いて参加者が次々とゴールする。結局、春花は最下位から2番目。最下位はPIRがゴールする。
☆さくまどろっぷ「みんな、参加ありがとう。ゲームは楽しんでくれたかな?」
☆春花「楽しんでくれたのなら幸いです」
☆PIR「レースゲームとしてはヌルゲーですよね」
☆さくまどろっぷ「PIRちゃん、それ言っちゃダメ」
☆春花「所詮、素人が作ったモノだし」
☆さくまどろっぷ「みなさん、また、機会があったら会いましょう」
☆春花「さようなら~」