接待プレイなどない
ピュアウイッチ・ピンク●ライブ
『宝探しゲーム』には10名が参加し、このエリアのどこかに隠されている三種の神器を探し当てる。エリアには、ダンジョンやトラップが仕掛けられている。また、ピュアウイッチ・ピンクと、可愛美麗、水色あさがおが障害として立ちふさがり、参加者の冒険を邪魔する。
ピュアウイッチ・ピンクは、スタート同時に猛スピードで、参加者を煙に巻く。
☆ピュアウイッチ・ピンク「あたしを捕まえてみて。そしたら神器の場所まで連れて行ってあげる」
コメントが流れる。
『はや』
『はや!』
『はえー』
可愛美麗は地上を素早く走りながら、参加者の後を追う。目の前になかなか飛べないユーザーがいる。簡単に仕留められるが、もうちょっとゲームを楽しんで欲しい。
美麗はわざとユーザーの前に踊り出る。
☆可愛美鈴「あたしを捕まえてみて。そしたら神器の場所まで連れて行ってあげる」
ユーザーが手を伸ばした瞬間、視界から消える。
『消えた』
『消えるだと』
『透明の魔法?』
水色あさがおは、軽快に飛んでいるユーザーにむかって炎の球を投げつける。
☆水色あさがお「あたしを捕まえてみて。そしたら神器の場所まで連れて行ってあげる」
『炎の魔法』
『メラか』
『メラではないメラゾーマだ』
マイは、軽快に飛んであさがおの的になっていた。
「あの人やっかい」
マイは高度を落として森の中を縫うように飛ぶ。話したい芽愛ははるか上空を疾走している。
「なんとかして芽愛ちゃんのとこまで行きたいなあ」
ちゃとら千尋●ライブ
最初の街には、参加者が4人集まった。4人はそれぞれの職業に就いて魔法やスキル、武器、防具を整え冒険へ出る準備はできた。
☆ちゃとら千尋「さあみんな、いざ魔王城へ!」
『おー!』
『オー』
『おう』
『たこさんの触手がまちどおしいぜ』
同じころ、タコさんウインナーとラリィ=ル・レロの元に3人の参加者が集まった。3人はそれぞれ、オーク、魔導士、セイレーンとして魔王側で戦う。
☆タコさんウインナー「よりにもよって魔王側についた物好きな参加者諸君、どうぞよろしく」
☆ラリィ=ル・レロ「みんなは私の盾になって死んでいってね」
『ラリィさんのためならよろこんで』
『よろこんで!』
『がんばります』
さくまどろっぷ●ライブ
『バギーレース』には、7人の参加者が集まり、さくまどろっぷ、春花、PIR、を含め10台がスタートを切った。
砂漠の砂煙をあげてトップへ躍り出たのはさくまどろっぷだ。
☆さくまどろっぷ「みなさん、がんばってね~」
どんなにレースゲームが得意なプレーヤーでも、初めてプレイするゲームをたった10分程度の練習でトッププレーヤーに追いつけるはずもない。
『初心者に本気出して草』
『こういうのって接待プレイが基本じゃね?』
『子供のくせに大人気ない』
『さすがロリババア』
実は、さくまどろっぷの走った轍が走りやすいコースになっている。コースを外れると砂にハマって動けなくなったり、砂丘の嶺から跳んで横転する。
コースを外れて順位を落とす参加者を追い越して、スピードは出さないが安全運転で轍をなぞる春花が二位におどりでる。
☆春花「みんなあたしについて来てね」
『安全運転が一番なのか?』
『ここは自動車教習所か』
『ちがうどこかにショートカットがあるはずだ』
実際、ショートカットは存在する。うまい人なら半日もプレイすればベストタイムをたたき出せる。プロのゲームデザイナーが作ったわけじゃない。ゲームの難易度、バランスなんてその程度だ。
右往左往する全てのプレーヤーの最下位にPIRがいる。常に最下位になるよう、走ったり止まったりを繰り返す。そうしながら、PIRは、全てのプレーヤーをトラッキングしている。自称、転生者の正体をあかすために。