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ラスボス戦始まる

「私、訳も分からずこの世界に連れてこられて、何をしていいかわからず、右往左往してたら、タコのモンスターに捕まって、隣の部屋に閉じ込められまして…。ここはいったいどこなんですか?」


 もしかしてこの方、VTuberに転生したことを理解していないのかな?


「ここって、転生モノによく出てくる異世界にそっくりなんですけど、異世界なんですか!? 異世界なんですよね! 私、死んだら異世界に転生するのが夢だったんです」

「落ち着いてください」

「あわてて猫キャラにしちゃったけど、剣とか格闘技とか魔法とか使えないし。でも、これから使えるようになるのかしら? ところで、あなたは誰?」




 魔王城に案内された勇者パーティ。

「いよいよね」


「ちょっと待ってください。まずは囚われている王女を救出しましょう」

「どうすれば良いの?」

「秘密の抜け道があります」

「罠の可能性は?」

「その辺は私を信用して頂くしかありませんね」

「いいわ、案内して」

「承知しました」




「異世界じゃない?」

「VTuberが造ったファンタジーの世界です」

「VTuberってなんですか?」

「ですよね。それについてはこの物語をクリアしてから説明します」

「そういえばさっき、タコのモンスターからこんなものもらったんだけど」


 彼女の掌には、白いカプセルがある。


「それなら、あたしももらいました。なんでしょう?」

「見た目だけならアレに似てます」

「アレってなんですか?」

「ここに紐が付いていたら、タ●ポンに似てる」

「へ~。そうなんですか」

「ご存じない? あなたはナプキン派なのかな」

「それについては、後でご説明します」




 その時、暖炉の後ろから、ガラガラと音がして、中から、勇者パーティがやって来た。

「王女様。ご無事ですか?」

「はい」

「そちらの方は?」

「同じく幽閉されていた、転生したばかりの方です」

「いきなりこの異世界に着たんですか?」

「はい。タコのモンスターに連れられて」

「猫耳なのは?」

「なんか、最初にアバターを決めないといけなかったので、猫が好きなもので」


「ふたりが手にしてる、白いカプセルなに?」

「タコのモンスターからもらったモノです」

「それ、あたしももらったなあ」

「なにかおわかりですか?」

「なんか、変な匂いがしたから捨てちゃった」

「匂い?」

「しない?」

「ちょっと生臭い? かも」


「とりあえず、ここを出ましょう」




 一同は、来た道を引き返した。道は狭い隠し通路になっていて、長い階段を降りて行くと、地下水路に出た。


「みなさんは、この道を逆に来たんですよね?」

「そう。サキュバスの案内でね」

「ここに住んでるコオモリが教えてくれたんだよね」


 水路を進むと川へ抜ける。




「ここまで来ればだいじょうぶ」

「新人さん、お名前は?」

「名前はまだありません」

「あら、我輩は猫であるみたい」

「ただ、私を救ってくださった方ならいらっしゃいます」


 彼女は、ニャオー! と大きく遠吠えをした。


「なに?」

「?」




 空から黒い塊が舞い降りてくる。

「あれは!?」


 魔王デビル・オクトパスは雄叫びをあげる。

「猫。よくぞここを教えてくれた」

 ピョンピョンとタコの足を蹴って、頭に登る。

「猫さん、なんで?」

「裏切ったの!?」

「私、一度でもみなさんの味方だって、言いましたっけ? 異世界転生したら、悪役側に付くって決めてたんです」

「魔王に付くと捨て石にされるのが落ちですよ」

「それが良いんじゃないですか」


「とにかく、魔王デビルオクトパス! 今こそ最期の時だ」




 勇者パーティと魔王デビルオクトパス。決戦が始まる。

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