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決着はついた!優勝は!?

 ゴールのタワーはビルの谷間から見え隠れする。春花(はるか)夏海(なつみ)秋月(あきつき)冬雪(ふゆき)は、慎重にバギーを走らせる。


 表通りは、スピードを出すより、車の流れに乗って走り、信号はしっかり守る。この方法が実は一番、速く走ることができる。しかし、それでは他のメンバーに負けてしまう。そこで、裏路地を巧みにぬって、交通量の多い大通りを迂回する。


「安全運転ですね」

「混んでる道路では、流れに身を任せた方が、速いの」

「そうなんですか」

「たぶん」




 さくまどろっぷは、ひたすら裏路地を縫うように走る。

「近道こそ、最強よ」




 可愛美麗は、ひたすら大通りを走る。巧みなドライブテクニックで、車を抜き去り、赤信号は無視し、交差する車を、これも巧みに避ける。




ピュアウイッチ・ピンク●ライブ


「3台が最終ステージ・マンハッタンに入りました。ここは、単純に速く走ればゴールできるというコースではありません。3者とも、違ったアプローチでゴールを目指しています! ピュアウイッチ・ピンクさん! 誰がトップでゴールするでしょう!?」

「速い人」

「ここで4車の位置を確認しておきましょう!」




 マンハッタンのマップに、春花、さくまどろっぷ、可愛美麗の位置が表示される。


「3台とも順調にゴールに近づいています! 一方! 水色あさがおを見てましょう」


 水色あさがおは、いまだジャングルにいて、恐竜に襲われた時、見失ったバギーを探していた。


「優勝者は、春花、さくまどろっぷ、美麗の3人に絞られました!」




 ゴールのあるタワー前には、広大な公園がある。木と芝とランニングコースに泉。その中央にまっすぐ走る、広い道の先がゴールだ。


 3台が一斉に、最終のストレートに入って来た。


「これは、3台による熾烈なデッドヒートになりました!」


 春花「絶対に勝つ!」

 さくまどろっぷ「負けないわよ」

 美麗「行きます!」


 抜きつ抜かれつ、火花を散らす体当たり。激しいトップ争い。ゴールは目前に迫った。




 その時!




 公園にある泉から、一台のバギーが飛び出し、一気にゴールした。


「おっと! これは驚きです! 最下位だった水色あさがおが、泉から飛び出し一気にゴーーーール! 大番狂わせです!!」


 ゴールしたバギーから、水色あさがおが降りてくる。

「なに? どうしたんですか?」

 ポカーンとしている。



 遅れて、3台がゴールする。バギーから飛び降りて、春花や美麗、さくまどろっぷが、水色あさがおに詰め寄った。


「どうやって泉から出てきたの!?」

「チート使ったんじゃない?」

「どういうルートですか!?」


「よくわからないんだけど、恐竜に食われた後、バギーで密林の中、迷いながら走っていたら、泉があって、そのまま飛び込んだら、ここにいた」

「なにそれ」

「訳わかんないわね」

「どうしてそうなった」




 その時、タコさんウインナーは思い出した。

「そういえば、デバッグの時、ジャングルからゴールまでのショートカット作ったな。後で修正しようと思ってたけど。」


「「「お前が原因かー!」」」


「悪い悪い」


 ピュアウイッチ・ピンクは静かに言う。

「優勝は、水色あさがおさんです。おめでとうございます」


「え? あたし優勝!? やったー!」


「ちょっと待った! バグ技使った優勝は認めない!」

「意義あり」

「あんなに苦労して、マンハッタンをクリアしたのに」


「まあ、今回はこれでなっとくしてくれ」




「「「なっとくできるかっ!!」」」

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