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極悪辺境伯の華麗なるメイド  作者: かしわしろ
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天界編:その後3

く、くそ!まさか天災の一つである邪神が消えてしまうとは、私の計算がすべてくるってしまった!すべてはあのグルンレイドとかいうやつらのせいだ!


このままうまくいけば、私は神にすらなることができたはずなのだ。


まだあきらめるわけにはいかない。邪神は消えたが、そのかけらの一部が、混沌へと流れ込んだのを私は見た。混沌へ向かおう……。


「何をしているの?」


「だ、誰だ!」


グルンレイドのやつらはみな人間界へ移動したはずだ。

「お初にお目にかかります。私はグルンレイドのメイド、アシュリー・マリー・ローズと申します。それで、あなたは?いや、答えなくていい。見たことあるからね。」


「くっ……。」


「ロンド、あなた四天王だったなんてね。」


私を知っている。というもの当たり前のことか。グルンレイドの屋敷を襲撃したときに、全てのメイドから見られていた。


「なぜ私がここにいるとわかった。神眼でも観測はできないはず!」


ここは神の目すら届かない、時空の切れ目。私だって偶然見つけた場所なのだ。


「だからヴィオラが気づかなかったんだね。だけど私は違う。観測者の目はごまかせない。」


このメイド、普通ではない。一体どんな能力を持っているのだ。しかし、どんな能力を持っていようとも、この場所を知られたということはここで始末しなければならないということ。

「消えてもらう。ファイアーアロー!」


「バニッシュルーム」


「なっ!」


私の出した魔法がメイドに届く前に空中に分散されていく。


「聖族なのに魔法を使うんだね。」


「魔法も使える、だ。ホーリースピア!」


「華流・剪定」


剣先に触れた瞬間、またしても空中に分散されていく。


「私たちが戦った四天王よりも弱いね。正確にはリアが戦った、か。」


……そんなことは知っている。単純な戦闘能力でいえば、私は四天王の中でも最弱。だから力が欲しかったのだ。


「お前らが、私の計画を……。」


「計画?」


「そうだ!私は邪神を操作するすべを見つけたのだ!邪神さえいれば今頃はっ!」

天界どころか、人間界、そして魔界までも支配できたかもしれないのに。


「残念だったね。けど邪神が消されてなくても、君はすべてを支配することなんてできないと思うけどね。」


「なぜだ!」

天災を思うままに動かすことができるんだ!支配できないものなど……。


「結局イザベラ様に消されるでしょ?」


「っ……!」


遅いか早いかの問題だよ。そう付け加えた。……そんな『天災』に勝つ存在がいていいはずがない。どうして、どうして私はいつも失敗ばかり……。


「君はどうしようもないグズだね。」


「憐れむような顔で私を見るな!ホーリーレイン!」


光の雨が降り注ぐ……が、当たらない。すべてよけられる。そして一歩、私の方に近づく。


「どうして後ずさりしてるの?かかってきなよ。」


「う、うわぁぁぁっ!」


無理だ、勝てるわけがない。に、逃げなければ!


「……張り合いのない。」


私は時空の切れ目を抜け、外に出る。あれだけの戦闘があったというのに、神殿には傷一つついていなかった。


「そんなことを、考えてる暇は……。」


「イザベラ様はこういうことに対処するために私を連れてきたのかな?」


「何をいっ……」


「華流奥義・極一刀」


「があぁぁっ!」

痛い、か、体が切られた。切り口からは血が噴き出している。回復しなければ!

「セイントヒール!」


「セイントバニッシュルーム」


聖法が使えない!


「ヒールルーム!」


かろうじて魔法によって回復させる。


「ふーん。やっぱり聖法と魔法の両方を使える存在は貴重かもね。」


振り返ると後ろにメイドが立っていた。


「華流・空蝉。」


「がっ!」

その瞬間意識が途切れた。


--


違和感を感じてきてみれば、まだ四天王がいたとは。一応見に来てよかった。倒したはいいけど、みんな魔界に戻っちゃったしどうしよう。


「ヒールルーム」


殺すわけにはいかないので回復させておく。邪神を操作する方法を知っているといっていたので、ご主人様のもとへ連れていくとする。それと魔法、聖法の二つを使えるのも珍しいし。


「私、帰り方分からないんだけど。」


なんとなくみんなについてきただけだから、天界の門を通って帰るということは分かるのだが、その門がどこにあるのかはわからない。


「ご主人様ぁ……。」


返事はない。当たり前だ。


「まあ、この人が目を覚ますまで待つか。」


きっと天界の門の場所も分かるでしょう。また逃げようとしたら切ればいいし。


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