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極悪辺境伯の華麗なるメイド  作者: かしわしろ
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メルテ1

 左目がないという理由だけで、奴隷落ち扱いは少し哀れに感じる。手足が動くのだから使い道はいくらでもるのではないか。まあそんなことはどうでもいい。今は私の所有物だ。左目にかけられている包帯に触れようとする。すると、メルテは一歩後ずさった。


「あ、あの、私、汚いので……。」


まあ、確かに汚い。包帯も黄ばんでいるし、服にもほこりがついている。


「口答えするな。」


そういって、包帯をはがす。ふむ、ひどい状態だ。左目がつぶれていて、ろくに治療もされていないようだ。少しすると、メルテは手で左目を隠す。


「見苦しいものをお見せして、す、すみません。」


「手をどけろ。」


奴隷の分際で二度も口答えするとはいい度胸だ。


「お前は私のいうことを聞いていればいいんだ。」


そういって、手をどけ、傷を見る。ふむ、これはいっそのこと目をくりぬいたほうがいいな。義眼が一般的だが、金がかかる。奴隷なんぞに義眼などという高級品を買っていられるか。そんなときはやはり魔法に限る。


くりぬいた部分に回復魔法の一つである治癒空間を展開させればいいのだ。治癒空間はその空間にいるだけで徐々に傷が回復していくというものである。(失ったものの再生ではない。)数人単位の戦闘や、大規模な戦争などでも使われる魔法だ。その範囲は使用者が扱える魔力密度によって左右される。


治癒魔術というのはどのようなものでも、傷をいやすという工程の前に、殺菌するという工程がある。最近の魔法士は結果のみを重要視して、殺菌という工程が存在することを知らない馬鹿も多い。結局何が言いたいかというと、左目をくりぬき、そこに目の大きさと同じ範囲の治癒空間を常時展開することで疑似的な治療を行うということだ。殺菌し治癒を徐々に行うことで痛みをほぼなくすことができる。私クラスの魔力密度保有者ともなると、この程度の治癒魔法なら一回かけるだけで一か月は持つだろう。


では始めるか。まずは、精神操作魔法でメルテの意識を閉ざす。次に魔法で目を切り取っていく。ヒートボールで止血をし、治癒空間を展開して終わりだ。


気が付いたころには自分の目がなくなって悲しむだろうが、そんなもの私には関係ない。


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