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極悪辺境伯の華麗なるメイド  作者: かしわしろ
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リア1

悪魔付きについて調べた。


やはり先の奴隷商がいっていたこと以上の情報を見つけることはできなかったが、私はこの症状をすでに知っている。


あれは数年前のことだ。私は王のもとへ行く道の途中で龍族に襲われた。私の魔法で皆殺しにしてもよかったのだが、少し様子がおかしかったので精神操作魔法を応用して、龍族の一人の記憶を読み取った。


すると『龍姫が倒れた。人族が創るエリクサーが必要』ということらしい。


エリクサーは私からしてみても高額である。聖金貨十枚というところか。私も一つは屋敷にあるのだが、そんなに簡単に使用していい代物ではない。

その点、私の魔法であれば金もかからない。確かに魔法式はめんどうくさく魔力も相当持っていかれるため、気軽に使いたいものではないが。


結局は姫のもとまでいき、エリクサーを使うまでもなく私が直した。

まあ、龍族に恩を売れたことだし、よかったということにしよう。


 魔物付きはその姫の発病した症状と似ている。ということは私にかかれば簡単に直すことができるということだ。奴隷落ちなんぞにエリクサーを使っていられるか。


「リア、服を脱いでベッドに横になれ。」


「はい……。」

震えながら服を脱いでいく。……じれったい。


「服も脱げないのか。」

そういって、勝手に服を脱がせていく。


「す、すみません。」

今にも倒れそうなかすれた声でいう。リアの髪はこの世界では珍しい黒だ。黒によった茶髪や、黒っぽい灰色というのはあるが、漆黒というのは珍しい。さらに瞳も黒い。


 服をすべて脱がせ、ベッドに運んでいく。


「わ、わたし、まだシャワーも浴びてなくて……」

リアがいう。別に体がきれいでも汚くても私の治癒魔法に何の影響もない。


「問題ない。」

そういうと、リアの顔が赤くなる。そんなに魔法が怖いのだろうか。


「怖がるな、痛くはない。」


「は、はい。ですが、私……初めてで。」


それはそうだろう。人生で何度も『魔物付き』の治療を受けることなんてそうそうない。


「では始める。」


「は、はい。」

ぎゅっとリアは目をつむる。覚悟が決まったようだ。


 私は黒い魔方陣を展開させる。魔力には密度という概念がある。魔力密度が高ければ高いほどその魔法の威力が高まる。例えば同じヒートボールでも、魔力密度が高ければより高温になる。

以前は数時間かかった治療も、今回は数十分で終わった。私の才能が恐ろしい。リアは意識を失っているようだが、じきに目を覚ますだろう。

使用人を一人部屋に置き、私はこの場を離れた。


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