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極悪辺境伯の華麗なるメイド  作者: かしわしろ
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人間界編:グルンレイドのメイドたち2

「グルンレイドを守れ。」

ご主人様の声が響いた。おそらくそれはアシュリーを通じて全メイドへと伝わっていることだろう。しかし、リアやアナスタシア、ヴァイオレットなど戦闘不能なものもいるし、創造神が相手ということで見習いたちには危険すぎる。全てのメイドが戦闘へ参加することは難しいだろう。


「メイドに何ができる。」

ご主人様の魔力が創造神の魔力へと置き換わっていく。すごく禍々しい魔力に、気分が悪くなってくる。


「メイドは何でもできます。」

「戯言を。」

再び高エネルギー体がこちらへと飛んでくる。私は魔法障壁をさっきの数倍まで引き上げて防ごうとするが、


「華流・剪定」

そのような声とともに、それは止められる。


「アシュリー!」

美しい銀髪が揺れた。


「ファイアーアロー・絶唱」

さらに他の声が響くと、創造神が白い炎に包まれる。この魔力は……


「メアリー!」


「グルンレイドの屋敷はリアに渡して参りました。」

そう言って頭を下げていた。ということはリアは意識が戻ったということか。


「私を本気で止められると思っているのか」

白い炎の中から声が聞こえる。


「ガイア・バースト」

そんな声が聞こえた瞬間、大地がえぐり返される。


「アイスロック・絶唱」

私たちに衝撃が来る前に、メアリーが地面を固定する。ただ地面が隆起するだけではなく、その全てに高密度の瘴気が付与されていた。


『イザベラ様、地上へ飛ばせますか?』


アシュリーがそういう。確かにここで戦闘をするには狭すぎる。私は体の中で魔力をさらに練り上げる。ただの時空間魔法では、あれほどの相手を飛ばすことは無理だろう。人智を越える必要がある。


「人間が、ここまでの魔力密度を出すか。」

創造神が私を見てそのようなことを言う。スカーレットが少し苦しそうな顔をする。が、それを見たメアリーが魔法障壁で守っていた。


「超級第一位魔法、アナザー・ヨグ・ソトース」

全てを地上へと飛ばした。



「これは、一筋縄ではいかないかもしれないな。」

この魔力密度の中でも、特に苦しそうな様子は見られなかった。


「スターダスト・レイン」

創造神が魔力を上空へ飛ばしていた。一体何を……そう思った瞬間に、何かが降って来るのが見えた。あれは……石!?巨大な石が空から降ってきていた。


「エアヴェール・絶唱」


「エアヴェール・絶唱!」


メアリーと私が魔法によって空気の層を展開する。スカーレットはご主人様の前に立って剣を構えていた。


「タイムストップ・絶唱」

時間が止まった。この声は……カルメラ!真の時間停止空間では私も動くことはできない。これは創造神も同じらしい。


“バニッシュルーム“

“エアヴェール“

“スペースカット“

“コンプレシードルーム・絶唱“

“ヨグ・ソトース“

それらの魔法が唱えられると、時間が進みだす。そして巨大な石が消えた。


「華流奥義・極一刀」


高密度の瘴気をものともせずに突っ込んでいくのは魔神化しているハーヴェストだった。その剣は片腕でとめられるが、傷が少しついていた。


「私に……傷だと?」

ハーヴェストが捕まる。……まずい!


「破壊」

「がぁぁぁぁっ!!」

ハーヴェストの掴まれた方の腕が粉々に爆散する。魔神化によって防御力も格段に上がっていたはずだ。なのに一撃で腕が消えていた。


「ヨグ・ソトース!」

メアリーがハーヴェストをこちらへと飛ばす。


「エクストラ……」

「私がやります!」

私が回復させようとしたら、イリスの声が聞こえた。


「これは通常とは異なる怪我です。聖力で治癒した方が確実かと。」

「お願いします。」

そうして治療はイリスに任せる。確かに魔法よりは聖力の方が正確さに特化している。後遺症が残ることはないだろう。


「華流……」

「華流……」

「華流……」

周囲を見渡すと多くのメイドたちが、剣を構えているのが見える。


「これでは拉致があかんな。」

創造神のその一言で、周囲の空気が張り詰める。そして徐々に魔力密度が上昇していく。何かの攻撃かと思いメイドたちは警戒体制に入っていたのだが、何も攻撃してくる様子はない。


「一体何を……っ!」

その瞬間に、見習いたちの何人かが地面に倒れる。外傷はない……魔力酔い!?見習いたちは自分の周辺にバニッシュルームを展開していたことだろう、がそれでも倒れるということはかなりの魔力密度だということだ。


「バニッシュルーム・絶唱」

それを見たメアリーが城周辺を包み込むように魔力拡散結界を展開する。しかしそれでも魔力密度は上昇し続け、次々に見習いたちが倒れていく。魔力ならまだいいのだがこれは瘴気も含まれている。かなりまずい……。


「メアリー、お願いします!」

「かしこまりました。」

倒れている見習いたちをすぐにここではない場所へと移動させる。が、そうしている間にも魔力密度は上昇し続けていた。


「イザベラ様、すみ、ません……」

「エミリア!」

そしてローズまでもが倒れ出してしまった。


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