漫才【逆ハー狙い】
ゲラゲラコンテストの応募作品です。
よろしくお願いいたします。
ツ(ツッコミ)…転生ヒロイン
ボ(ボケ)…攻略対象の生徒会長
二人「皆さん、こんにちは~!」
ボ「生徒会長です」
ツ「男爵令嬢です」
二人「二人合わせてキュンラバーズです」
ボ「意味が分からない」
ツ「会長~怖い顔で睨まないでくださいよ~」
ボ「学園祭で忙しい僕が何故漫才をしなければいけないんだ?」
ツ「だって~会長とだけ親密度が上がらなくて~逆ハー狙えないから~無理矢理イベントを~起こしたんですよ~」
ボ「成る程…君が何を言っているか分からない事だけ分かった」
ツ「私が~虐められる~か弱い女子生徒の役で~会長は~それを助ける~生徒会長の~役ですよ~」
ボ「君は間延びしないと喋れない病気なのか?後、その設定でどうやって笑いを取るつもりなのだ?」
ツ「きゃあ!誰かが足を引っかけた所為で転んでしまったわ」
ボ「勝手に始めやがった!と言うか普通に喋れるじゃないか!」
ツ「早く私を助け起こしてくださいよ!」
ボ「待て!そんな演技で笑いは取れないぞ!やり直しだ!体を張って頭から転がれ!こう、鼻を潰す勢いで!」
ツ「乙女に何てことさせようとしているんですか!?」
ボ「やるからには全力で笑いを取る!」
ツ「しまった!そう言えばこの人、熱血ドSキャラだった」
ボ「臨場感を出す為に壇上の隅にあるバケツの水を頭から被って来い」
ツ「漫才に臨場感は必要無いから!」
ボ「中途半端な漫才を全校生徒に見せろと言うのか?」
ツ「怒っているのね?忙しい中こんな茶番に無理矢理付き合わされて激オコなのね?」
ボ「良い事を思いついた」
ツ「ピンと来た!私にとっては悪い事だ!」
ボ「僕が虐める生徒の役をしよう」
ツ「いやあああ!何でポケットに鞭が入っているのよ!?」
ボ「趣味が乗馬だから?」
ツ「そんな長い鞭が馬用なわけ無いでしょうが!」
ボ「チッ!無駄な知識はあったようだな」
ツ「設定を変えます!恋人同士が街に出てチンピラに絡まれると言う設定にします」
ボ「僕がチンピラの役だな?任せろ!」
ツ「メリケンサックを普通に出さないで!設定を変えます」
ボ「一度使ってみたかったのに」
ツ「私で試すな!?そもそも物騒なモノ持ち歩くな!」
ボ「ただの防犯グッズだ」
ツ「もうツッコまない!次は私が階段から突き落とされるから会長は階段下で待ち構えて…」
ボ「とどめを刺す!」
ツ「違うわ!受け止めてお姫様抱っこだよ!?」
ボ「我儘な女だな。捻り潰したくなる」
ツ「攻略対象の台詞とは思えない事言ってるよ、この人」
ボ「で?次はどんな設定でお前を叩きのめすんだ?」
ツ「『君』から『お前』呼びになったのは良いけど、叩きのめす前提ってどうなの?好感度が上がっているのか下がっているのか分からない!」
ボ「何をブツブツ言っている?」
ツ「ここは最終奥義、ヒロイン限定うるうる上目遣いを発動するしかない!」
ボ「急にどうした?早く漫才の続きをしないか」
ツ「私は~会長と~漫才がしたい訳じゃ無くて~ただ仲良くなりたいだけなんです~うるうる」
ボ「てい!」
ツ「いたーー!何で目潰しするのよー!?」
ボ「この上なくイラッとした」
ツ「こんなに可愛いヒロインの私の最終奥義が効かない!?」
ボ「最終奥義?武道か?理解した!さあ来い!」
ツ「あ~もう良いわ…こんな鬼畜な攻略対象と付き合うなんて命がいくつあっても足りないわ。逆ハー諦めよう」
ボ「『もう良いわ』と言ったのか?漫才は終わりだな」
ツ「そうよ!ついでに会長との関係も終わりで~す」
ボ「何を言っている?これからお前は僕と付き合うんだ」
ツ「えっ?知らず知らずの内に会長とのフラグ立てちゃってた?だったら逆ハー狙えるかも!」
ボ「忙しい僕の時間を奪った代償に生徒会の雑用係に任命してやる!キリキリ働け!」
ツ「そんな事だろうと思った!もう良いよ」
二人「ありがとうございました」
読んで頂きありがとうございます。