4話
ここは、捨てられた子達が働ける聖竜様の屋敷
私は小さい頃から聖竜様に気に入られてここに通っていた
聖竜の世話をする人として挙げられたこともあったが、私の夢はあくまでも女騎士だ
小さい子だからと言ってその時は無理矢理決めされそうになったが聖竜様が助けてくれた
「ねぇ聖竜様…」
[あぁ…話を聞こう]
「あら!良いのですか?聖竜様は愚痴が嫌いと聞いたのですが?」
[はぁ…アリーサには叶わんわ]
「そんな事私が生まれた時から分かってておいででしょう?」
[それで?話は良いのか?]
「しますよ」
「聞いてください。あのクソ王子ってば今牢に入ってるんですって」
「ですから明日はそちらに出向こうかと思っているのですが…」
「可能性としては3パターンありますよね…」
1 俺にざまぁとでも言いに来たか?とか言われる
2 土下座しながら謝ってくる
3 牢の隅で泣いてる
「まぁあいつの性格からして3か1ですね」
[そうだのぉ…]
「はぁ…私の夢はクソ王子になってしまいましたが
あの方を支える為女騎士になり護衛に回るつもりでしたのに」
[そなたの夢はそれだけでは無かろう]
「はい」ニコッ
ドタドタドタ
「あら来たのかしら」
[あぁ…来たみたいだなぁ]
[アリーサ!久しぶり!]
[アリーサ!大丈夫か?]
[アリーサ!よ!]
「…クリス様。…誰ですかこれ。」
[[[え?!]]]
[酷いよぉー]
[お前なぁ…]
[変わらないな]
「あぁ…ハルに、ハルト、ハルヒか…久しぶり」
[久しぶり!元気してた?]
「まぁまぁね」
[…そっか]
「それより、人になれる様になったんだ」
[そうなの!]
[そうなんだよ!]
[そうなんだ!]
「そっかそっか番は見つけた?」
[僕とハルトは見つけたよ〜]
「へぇ?どんな子?」
[ハルトだよ]
[ハルだよ]
「…ん?」
[はぁ…僕達番だったの!]
「…そ、そうそそうなんだ?」
[うん…まぁ俺はアリーサと番がよかったけど]
「は?」
[あ、すまん]
[怒ってやるなアリーサ]
「もう!クリス様!いつの間にこんなチャラ男になったのです?」
[チャラ…男か…ほんとに何でだろうな]
ドタバタドタバタ
バタン!
「「「アリーサ!」」」
「あら?みんな!どうしたの?」
「1人でどっか行かないでよ」
「あ、ごめんね」
「あ、そうだ本題に入りますわよクリス様」
[あぁ…]
「私の魔力が暴走致しました。私の魔力は平均より少ない。
なので子供の頃も1度も暴走させた事はございませんでした」
[…]
「クリス様…何か知っているのでしょう?ヒントだけでも良いのです」
[…はぁ…アリーサには負けるなぁ。じゃあヒントだけあげる]
[君は記憶が戻り始めている…いや、1部の記憶は戻ったのだろうがそれが全部ではない。そうだなぁ…女騎士になって魔物と戦ってみろ。力が目覚めるだろう]
「ご助言ありがとうございます」
[…アリーサ…]
「大丈夫ですよクリス様」ニコッ
「それでは私は帰りますわ。みんな!帰るわよ」
ーーーーーーーーー家到着ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…記憶か…
「アリーサお姉様」
アリーサは振り返った
「え?…せ…セシル?」
「お姉様!」
セシルはアリーサに抱き着いた
「…ごめんなさいねぇ…心配掛けて」
「いいえ。無事なら良いのです」
「そう…ありがとう」
「さあ家に入りましょう」
「アリーサ!」
「アリーサ!」
「アリーちゃん!」
「アリー!」
「ただいま帰りました。」
「なんとご助言を頂いた?」
「はい。記憶が戻り始めている…と。」
「そうか…」
「それから女騎士になって魔物と戦えば記憶が戻るだろうと」
「…女騎士になりたいか?」
「はい。」