ドッキリを仕掛けよう。
投稿するのを忘れてました。
言い訳をしますと、別サイトの方で書いてました。
……他の作品も此方に持ってこようかな?
こんにちは。私の名前はスライム、異世界から召喚された者だ。
この世界にきて箱の中に人間が映る物……『てれび』と言ったか。
その『てれび』が面白そうなものを見つけた。
「(ドッキリと言ったか……)」
そう、ドッキリだ。
人間が人間を驚かせてその反応を楽しむ物だ。
最初聞いたときは悪趣味だと思ったが、見てみると一人一人反応が違い面白かった。
それで今日はあの人間にドッキリを仕掛けようと思う。
毎回私を抱いてくるから、その仕返しと言ったところだろうか。
私は体の色を変える応用として、とある事が出来る。
人間もこれをやるようだが……
「スライム君、ただいま~」
私は人間の声が聞こえたので、作戦を実行することにした。
私は体を石のようにした。
色もさわり心地も石同等にした。柔らかさは変わらないが。
これが……『死んだふり』と言うやつだ。
「え……スライム君?」
人間には私が生きていないように見えているのだろう。
私は見えては居るが、人間……いや、周りからは私の目は見えないのだ。
まぁ、私自身も何処に目が付いているかは理解してないが。
「スライム君、しっかりして!」
人間は私の体を持ち上げる。
私が体の色を変えているだけだと思っている……いや、思いたいのだろう。
人間は焦ると、一つの事しか考えられないそう。
柔らかさはそのままだが、さわり心地は石のようである。
人間は驚いて、私を落とした。
私はポヨンという音と共に床へ落ちた。
実は体を分裂させて驚かそうとも思ったが、私にはまだ難しかった。
落ちた時に分裂出来ればもっと驚いたと思うのに。
「スライム君が死んじゃたぁ……」
人間の目から涙がポタポタと私の体に落ちてきた。
そうして私を胸に持ってきて抱き締めた。
そして大きな声を出して、号泣し始めた。
やり過ぎてしまったか……!
私は急いで、体の色を元に戻して人間の胸から脱出した。
「あれ、スライム君……?」
まだ状況が理解出来ていない人間。
私は『りもこん』とやらで『てれび』を付けた。
この時間は確かドッキリだったから……
最近ドッキリを『てれび』で見ることが多くなってきて、それを察した人間が時間を教えてくれたのだ。
「ドッキリ? もしかして……」
人間はまだ完全に涙が拭けてないのか、滴が涙に溜まりながらも私の方を向いてきた。
私は体の色を青に変えて、ドッキリであることを示した。
人間はやっと理解したのか、涙をきちんと拭き私を睨んできた。
こ、怖い……今まで生きてきた中で一番怖い。
「良かった……」
これからは人間を怒らせるような事は止めよう。
それに……
『知ってるか? 女の子を泣かせると怖い仕返しをされるんだぜ!』
知り合いの魔物がそう言っていたからな。
そうえば彼奴は今何処にいるのだろうか……
「スライム君、今度こんなことしたら……怒るよ!」
もう怒ってるよね?
私はそう言おうとしたが、そもそも喋れないしそれを教える方法が無いので何もしないことにした。
そうして今日も私は抱かれる。
【裏話】
スライムの色が白い理由。
ん~やっぱりスライム=青が多いな。
少し色を変えるか。でも後回し。
あ、色を変えて何を思ってるか分かるようにしたいな。
……もとの色が白ならちょうど良いな。
決定。