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かつて英雄と呼ばれた男は  作者: 水無月 霊華
村での生活
3/23

魔法の修行

 俺は前世の記憶を思い出してすぐは色々と混乱していたが、一カ月すぎる頃にはだいぶ落ち着いた。



 そして、かつての仲間達から逃げ切ると決めてからまず俺がしたことと言えば、魔法を鍛えることだった。

 この世界での魔法と言っても光・闇・水・火・土・風と七つの属性がある。

 魔法を使うには魔法適性というのが必要らしく、俺は教会に行って適性を司祭様に調べてもらった。教会は怪我の治療から魔法の適性調査まで色々な事をしてくれる組織だ。


 それで分かったのは俺には光と水の魔法適性があること。

 光魔法は怪我人か病人がいなければ修行も出来ないから俺はまず、水魔法を鍛えることにした。

 運がいいことに俺は魔力量が多いらしい。魔力量が多いほど強い魔法も使えるし、容姿も綺麗になる。それに加えて寿命も延びる。いい事ずくめだ。

 まあ、本来は魔法や魔力は遺伝で伝わるものだから俺はおかしいんだが。村の人達や司祭様は例外もあるだろうと納得してくれている。


 だが、修行なのだから余り努力している姿を見られたくはない。

 そういう事で俺はまず修行場を探す事にした。 


 まずは家の裏庭だ。

 ・・・・何か機材とか置いてあった。使ってないみたいだけど。


 ということで次は村の広場。

 ・・・・子どもたちの遊び場だったの忘れてた。危ないから別の所がいいな。


 次は家の畑。

 ・・・・流石に駄目だな。


 その次は村の入り口付近。

 ・・・・俺、邪魔だな。


 そんなかんなで色々と探し回った末、結局は森の外れにある花畑でする事になった。

 初めからそこにしとけば良かった。


✽✽✽


 翌日。

 今日が花畑での初修行日だ。


 俺はこの日の為に司祭様から魔法の本を一冊貸してもらった。

 この本によると魔法を使うには詠唱を唱えるだけでいいらしい。

 至ってシンプルだ。シンプルすぎて逆に拍子抜けした。

 どうやら詠唱を唱える=魔法を使うと言う関係らしい。


 その他にわかったことと言えば、魔法には下級・中級・上級・天級・神級と階級があるということだ。 

 普通の魔法使いは自分の得意な魔法属性を中級までしか使えないが、一級の魔法使いの人の中には天級まで使える人もいるらしい。本には天級以上の魔法を使う人は詠唱なしでいいとも書いてあった。



 本を大体読み終わると俺は取り敢えず実際に魔法を使ってみることにした。

 まずは初級水魔法のウォーターボールってやつをやってみるか。


「えーと、『大気の水よ。我が願いに応じ、我に力を与え給え。ウォーターボール』」


 俺は手を前に出して本に書いてある詠唱をそのまま読んでみた。


 すると、手から水が出てきてそれが球体状になって手の先にある木まで飛んでいった。

 おー!ずごいなー!これがウォーターボールか!名前のままだな!

 魔法ってこんな簡単に使えるのか。

 まぁ、まだ初級魔法だしな。簡単なのも当たり前か。

 よし!じゃあ、もう一発打ってみるか!

 司祭様も魔法は練習しただけ上手くなるって言ってたし!



 ・・・・・・。

 結果から言おう。

 俺はウォーターボールだけなら一日で三十回打てることが分かった。

 ただし、気絶するまでしたらというおまけが付くが。


 俺は二十五回目ぐらいで僅かな疲れを感じていたがそれを無視して続けていたら気絶したのだ。司祭様から魔力を使いすぎると倒れると言われていたにも関わらず、だ。自分でも思う。バカだ、と。


 俺は結局、昼に始めた修行の殆どを気絶して過ごし、夕方には帰路についたのだった。


✽✽✽


 次の日。

 俺は今日も花畑に来ていた。


 今日は昨日のように気絶しないよう、ウォーターボール以外の初級魔法も試してみようと思う。

 本によると水属性の初級魔法には以下のものがある。


・ウォーターボール(水球):水の球を飛ばす。

・ウォーターウォール(水壁):水の壁を作り出す。

・アイスアロー(氷矢):氷の矢を飛ばす。

・アイスブレード(氷刃):氷の刃を作り出す。


 大体がこの四つだ。どうやら氷も水魔法にふくまれているらしい。


 ひと通使ってみたところ、基本的に言葉の通りの技だった。ただ、使うにつれて威力が徐々に弱まっていったので気になり、本で調べたところによると魔法は使う内に魔力が減っていくため、魔力量の調節をしながら使わなくてはいけないらしい。


 ・・・・おい!そんなの無理だろ!


 俺はそうして課題を見つけながらも日が暮れてきた為に帰路についたのだった。


✽✽✽


 一週間後。

 俺は魔力量の調節をマスターしていた。

 俺の予想に反して魔力量の調節は結構簡単だったのだ。


 初めはもちろん苦戦した。だが、考え方を少し変えるだけでどうすれば良いかはすぐに分かった。それを教えてくれたのは司祭様だった。


 司祭様には

「魔法を使う時はただ詠唱を唱えるのではなくてイメージが重要です。イメージ力が高いほど使える魔法の規模も大きくなりますし、魔力量も抑えられます。そして、イメージさえしっかり出来れば、詠唱も必要ないのです。まぁ、それが出来ないから皆詠唱を唱えるんでしょうし、本にも詠唱が必要だと書いてあるんでしょうけどね。」と、教わった。


 俺はこの話を聞いた翌日に半信半疑で試してみた。

 結果は最初に言った通り。

 魔力量の調節ができるようになった。

 し・か・も・無詠唱で!

 司祭様が言ったようにひたすら使いたい魔法をイメージしていたら出来たのだ。

 最初はぎこちなかったが今ではすっかり完璧に出来るようになっている。ただ、集中力が半端なくいるため、無詠唱で魔法を使い続けることはまだ難しい。

 なので、取り敢えず今は最初に無詠唱での練習を数回したあとは詠唱を短縮して魔法を使う練習をしている。


 今の目標は詠唱短縮で上級魔法を使いこなせるようになることだ!まだ先は長いようだが。











































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