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かつて英雄と呼ばれた男は  作者: 水無月 霊華
帝国への旅
14/23

プレートと呪い解除

 ふと気づくと、目の前には創造神の像があった。俺は元の世界に戻ってきたらしい。良かった。俺がホッと息をつき、暫くボーッと像を見つめていると像が突然光だした。

 まさかまたか!?

 俺は反射的に身構える。たが、そんな俺の思いを裏切るように光は徐々に薄まり、代わりに銀の板のような物が3つ現れた。


(ん?何だ?)


 その板は俺、レオン、エミリへと一つづつ近づいていくと、纏っていた光が消えて手へと落ちてきた。


「全員受け取られましたね。ではこれで儀式は終了となります。それが身分証明書のプレートになりますので、失くさないよう大事に扱って下さいね。それと、プレートに向かって一度オープンと唱えてみてください。自分の能力値など色々な事が分かりますから。」


 へえ、これがプレート。ただの銀の板にしか見えないけどな。でも能力値を知れるって言うのは便利でいいよな。

 そんな事を思いながら、俺は祈りの体勢を解くとレオンとエミリを連れて母さんと父さんの所へ行く。


「では次は呪いの解除でしたね。インシオ君はこちらへ。」

「はい。」


 司祭様に呼ばれ、俺はもう一度そちらへ近づく。


「この祭壇の前でもう一度祈りを捧げてください。」


 は。それってまた創造神サマに頼むって事だよな?そういう事ならいっぺんに言ってくれよ。何回もあいつにお願いするなんて嫌なんだけど。


『ひでぇなぁ。ちゃんと解いてやるよ。お前は俺の契約者だからな。』

「…っ、!?」


 え?今あいつの声が…。


「どうかされましたか?」

「い、いいえ。何でもありません。」


 司祭様には今の声が聞こえてない?空耳か?


『違うぜダンテ。』

(っ!?)


 空耳じゃない!?しかもこの声はやっぱり!

 

『ああそうだ。創造神だよ。俺の声は契約者であるお前にしか聞こえない。加護を与えたからな。お前が教会にさえ来れば、俺は何時でもお前と会話ができるようになったんだ。』

(………マジかよ。)

『そうそう。マジマジ。ということで、早く祈れ。解いてやるから。』

(……はあ。わかったよ。)


 俺は言われたとおり祈りの体勢をとった。

 何か段々と話し方が人間じみてきてないか?あいつ。


『よし。じゃあやるぞ。………《我が恩恵のもとに、かつての呪いを払い、全てを清浄へと戻せ。》』 


 自称神が神語を唱えると、俺の体はまた暖かな光に包まれる。

 暫くするとその光も収まったが、俺はその余韻に浸っていた。


「インシオ君。体でおかしい所はありませんか?」


 それから暫くして司祭様に声をかけられた。


「大丈夫です。ありがとうございました。」

「いいえ。呪いが解けて良かったですね。」

「はい!」


 俺は笑顔で返事をすると一度頭を下げて家族の元へ戻る。


「三人とも。帰る前に創造神様と司祭様に感謝を言いなさい。」

「「「創造神様。ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。司祭様。ありがとうございました。」」」


 レオンとエミリと一緒に創造神の像と司祭様に感謝を捧げると、俺達家族は教会を後にした。

 

 帰りは寄り道せずに真っ直ぐ宿に帰ると、そのまま俺達は帝国を旅立ったのだった。


✽✽✽


 夜。

 村へ帰る途中の小さな街の宿で、俺達は一泊する事になった。

 夕食を食べ終え、それぞれの部屋へ戻ると、俺は早速自分の能力値を調べることにした。

 「オープン」

 司祭様の言っていたとおりに唱えてみると、目の前に画面が表示された。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


名前:インシオ・フレンシー(ダンテ・ローザリオン)

性別:男

年齢:12歳(54歳)

職業:農家の長男・見習い(英雄・神帝の部下)

レベル:20(254)

体力:120/120(6210/6210)

魔力:260/260(1800/1800)

スキル:水魔法Lv.8・光魔法Lv.5・風魔法Lv.1・闇魔法Lv.1・空間魔法Lv.1(気配察知Lv.71・危機察知Lv.78・二刀流剣術Lv.86・武術Lv.79・槍術Lv.70・弓術Lv.64)

称号:創造神の契約者・創造神の加護を受けし者・創造神の愛し子・転生者・愛を受けし者・過去の英雄


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 何か色々と微妙だ。

 ただ、知りたいことが2つほどある。まず、隣の()は何だ!いや、何かはわかる。だが、何故ダンテの時の能力値が書いてあるんだ!おかしいだろ!

 まぁそれはいい。いや、良くはないが、今は置いておく。

 それよりも、称号がおかしい。これは完全におかしい。創造神の愛し子ってなんだ。愛を受けし者ってなんだ。こんな称号はいらん。気持ち悪くて吐きそうだ。

 俺は吐き気を抑えながら、心の中で大量の涙を流す。

 取り敢えず、今日はもう寝よう。色々あり過ぎて疲れた………。はぁ。


✽✽✽


 翌朝。

 俺達家族は朝早くに宿を出て、村へと出発した。途中で一度だけクマと出くわしたが、俺が魔法で直ぐに倒した。その後、クマの肉は昼食として焼いて美味しく頂いた。

 

 そうして旅を続けて数週間後、俺達は村へと帰り着いた。



 

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