表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/68

【第九話】 お花先生の料理指導。

はじめまして、こんばんは(*^ー゜)v

コンニャクに入っている黒いツブツブこと変人のヴァインです。

いごお見知りおきますとコンニャクが上から降ってきます。


人生で始めて他人に調理を教えることになったお花先生。

自分は食べられないけど誰かが美味しそうに食べているのを見るだけで幸せ。

その相手がイケメンならなお良し。


ではどうぞー。









「おっと、それは止めてくれる? 絶滅危惧種なんだ」




 女ったらしイケメンヒーローが少女の手から植木鉢を取り上げた。またしてもイケメンヒーローは私を助けてくれた……。私はこの男をクズ呼ばわりして不貞をばらしたにも関わらず……。正しい事をしている自信があるのに何故かちょっと心が痛んだ。ってか絶滅危惧種だったんだ……。先生何も言ってくれなかったんだけど。




「私より花が大事だって言うの!!」

「うん」




 赤毛の少女は乱れた服を直そうともせず女ったらしイケメンヒーローの家を乱暴に出て行った。女ったらしイケメンヒーローは「やれやれ」といった様子で肩をすくめ私を元の机の上へ戻し、近くの椅子に腰掛けた。




「ごめんなさい! ごめんなさい!! ごめんなさい!!! すみません! 申し訳ありません!! 私は! 私は命の恩人になんたる事を!」




 イケメンはただ笑って私が落ち着くのを待ってくれていた。




「いや、追い払ってくれて助かったよ」

「へ?」




 ありがとう。と至近距離で笑顔で言われてよりいっそうクズ呼ばわりしたことを後悔していた。そして女ったらしイケメンヒーローは好きで女をたらしている訳ではないそうだ。町や村に住んでいるとちょっと優しくしただけで惚れられてしまう事が多く、砂糖に群がるアリの如く女性が群がってくる。彼氏がいるのにその相談といって近づいてきた子もいた。旦那のいる女性からのアプローチもあった。体だけで良いからと、言って夜這いを仕掛けた強者もいた。数々の修羅場を経験し、そういう人間の汚い部分を良く知っているイケメンは若干の人間不信と女性恐怖症を癒すため人里離れたこの場所で森番という仕事をしているらしい。


 森番とは森の中の小屋に住んでそこに自生する珍しい動植物の保護や魔物の適度な間引きとその活動報告、貴重な薬草や魔物の角や皮、牙などの副産物の採取するのが主なお仕事だ。たまに安全地帯などを案内したり魔物に襲われている人を助ける事もあるそうだ。……私の知っている森番とは少し仕事内容が違っている。




「と、言うことは町はここから遠いの?」

「歩いて半日かな?」




 半日もかけて会いに来ている女性を送りもしないで返しているのかコノ男は。私の無言の抗議にイケメンは「大丈夫、安全な道だから」と言って笑う。森番小屋までの道は結界が張られていて並の魔物じゃ手出しできない。道を外れさせしなければ安全らしい。この小屋に常駐して森番をするのはそれなりの腕の持ち主じゃなければ勤まらないが食料や水の補給を行うのは町に住む一般人なので小屋までの道だけは安全を確保してあるようだ。




「あーーー!!! 補給に来る女子たちに手出したんだ!」

「いや、補充係は男だから。 女性が一人で重いものを持って森の中を半日も歩いてくるなんて自殺行為だから誰も任せないよ」




 本人が言うには魔物に襲われた人(女性)を助けたり道に迷った人(女性)を助けたりしているうちに先ほどのような現象が引き起こされたそうだ。何でもたった一回命を救っただけで恋人面をして小屋にやってくるそうだ。相手にせず「そんな気は無い」といえばわざわざ安全な道を外れて魔物に襲われ自分の仕事を増やすのだと。それで本当に死人が出ても困るので少し相手をしているのだが最近は数が増えてアプローチも過剰で困っていた。と。




「魔物より対処に困るよ」

「何その「モテ過ぎちゃって困るぜ」的な発言。 しかも自業自得じゃん。 女に期待させて甘い顔するからじゃ!!」




 しまった! 思わず本音が!?

 と、思ったのだが女ったらしイケメンヒーローは少し驚いた顔をして直ぐに深刻そうに「どうしたら良いかな?」と相談されてしまった。え? どうしよう。相談されても困るかも……。




「何で私なんかにこんな話した挙句、相談してんの?」

「いや、こんな事誰かに話したのは初めてで?」

「どっかで聞いたなそのセリフ(怒)」




 あはは~。と笑うその顔は天使そのものなのにやってる事が残念すぎる。正直こんな女ったらし残念イケメンヒーローなんかの相談には乗りたくない。そしてこいつの言葉だけを信用するのも危険である。だが、私はこのイケメンヒーローに何度も命を救われている……でも何故だろう? 素直に頷けない自分が居る。




「もう一度聞くけど、何で私なんかに相談すんの?」

「さっのじゃ答えにならない?」




 なりませんね。今度茶化したら相談なんか乗らない。と私が答えると女ったらし残念イケメンヒーローは観念したように頭を搔いて一言。




「……こんなにハッキリ俺の事をクズって言ってくれたのは君が始めてだったから、かな?」

「どんだけ友達いねーんだよ」




 と、言うことは本音をぶちまけてもOKって事ね。……罵られて興奮する属性の人じゃないよね?; ただ、どうやらこの女ったらし残念イケメンヒーローも種類の違うボッチのようだ。今のは本音っぽいけど、どこか裏がありそうだな。でもここまで事情を聞いてしまったし、命の恩人だし、困ってるみたいだし……。本当かどうか分からないけど他に当てもないし……それに何よりさっきからずっと気になっている事がもう一つ。




「鍋吹いてない?」




 え? と女ったらし残念イケメンヒーローがキッチンを振り返る。そこには盛大に中身を噴出する鍋があった。赤毛の少女の怒りの象徴のようなソレを女ったらし残念イケメンヒーローは急いで火から下ろした。匂いからしてシチュー的なその料理はもう床まで吹き零れていてグシャグシャだった。あっち! と慌てる女ったらし残念イケメンヒーローを観察しながらひょっとしたら慌ててる姿を見るのは初めてかもしれないなどと思った。しばらく鍋とその中身との戦いは続き、疲れた様子で戻ってきた。




「もう少し早く教えて欲しかったな?」




 至近距離からの笑顔の脅迫はおやめください。    

 そもそも私は女ったらし残念イケメンヒーローの言葉を全面的に信用したわけではない。先ほどの話が真実なら同情の余地はあるが、嘘だった場合本気で至上最悪のクズ男だろう。そのどちらにしても今回の事の制裁がコノ程度ならば甘んじて受けるべきだろう。はぁ、何食べよう……。と女ったらし残念イケメンヒーローがぼやく。




「料理できねーのかよ?」

「……焼くくらいしか」




 鍋あんだから塩茹でくらいは出来るだろう。




「それだから女に漬け込まれるんだよ!」

「…………」




 こいつが女絡みのトラブルを持ち込むと私の身も危険に晒されかねない。仕方がない。少し料理を教えてやるか……。女ったらし残念イケメンヒーローに私をキッチンへ連れて行くように指示を出した。イケメンは少し不思議そうに首を傾げたが私の指示に従う。キッチンは大きな薪のクッキングストーブが一つあるだけの簡素な作りだった。ただ作業台は広く、様々な調理器具や食材、香草らしきものやスパイスなどがありカウンターテーブルまで完備していた。かなり使い込まれている。この設備で料理しないとか宝の持ち腐れなんですけど? ってかココって一人で生活するような所じゃないよね……数人程度で住み込む用の施設だよね? 男の一人暮らしにコノ設備いらないもんね。私はキッチン全体が見渡せるカウンターテーブルに置くように指示を出す。私はぐるっと食材を見渡す。さて何を作ろうか?




「芋ある?」

「コレかな?」




 私はそれを皮を剥いて輪切りにすように指示を出す。女ったらし残念イケメンヒーローは少し驚いていたけど素直に指示に従いソレを切る。真緑だった……。え? 本当に芋? つか食えんの?; 正直不安になりながらも私が食うんじゃないし♪ と黙って見守った。女ったらし残念イケメンヒーローは料理経験が少ない割に刃物の扱いは手馴れていて真緑の謎芋はあっと言う間に輪切りになった。それを水に晒して、お湯が沸いているのが見えたのでとりあえずそこに入れて煮るように言った。その間に吹き零れてあまったシチュー的なスープを別の鍋に移し変えさせ少し水を足して暖めなおす。




「味見して」

「ん。 ちょっと薄いかな?」




 それぐらいがちょうど良いんじゃ。茹で上がった芋を潰し、粉を入れて混ぜる。一口大に丸めて先ほどのスープに入れて煮る。後は香りの良い草を何で出来てるんだか分からないチーズ、葉物野菜を刻んで入れれば? と少し投げやりに言った。




「今更だけど食べれる物を作ってる?」

「殺すぞ」




 失礼にもほどがあるだろうが!!!ヾ(`□´)ノ 不安なら食べなくても良いんですよ? そこに転がってる固っっそうなパンとジャムだけで夕飯を済ませるが良い!!! 何ならプギーの一匹でも捕まえてきて丸焼きにすれば良いんだっ!! そう言って怒っていると、残念イケメンはごめんごめんと困ったように笑う。あ、そういえばプギーって食べれるのかな?




「この間のプギーなら塩漬けにしてあるよ」




  なんと! やはり食べれるそうだ! そんな事をしているとスープが煮えたようだ。女ったらし残念イケメンヒーローはそれを皿にもって私と共に席についた。スプーンを手に取りスープのを少し混ぜて食べ始めようとしている。




「おい! こら待て!! 「いただきます」と言ってから食材と作ってくれた人に感謝して食え!!!」




 コノ男は事もあろうに食べ物に感謝をせずに食おうとした。そんな礼儀知らず父ちゃんと母ちゃんが許しても私は許さない。いただきます、の文化が無くとも祈ったりするものだろう!! そして主にアノ赤毛の少女に感謝をしろっ!! 愚か者めが!!!




「……いただきます」






いかがでしたでしょうか?お口に合いましたでしょうか?

異世界で初めて作った(?)料理は緑芋のニョッキスープでした♪

ちなみにコチラ、市販の粉末スープを少し多めのお湯で鍋に沸かして

芋と粉で作った団子を入れれば簡単に再現出来ます♪


ご覧戴き、ありがとうございました。

またのご来店を心よりお待ち申し上げております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ