【第六十五話】 目指せ!生産系女子!!
お久しぶりですこんばんは!変人のヴァインです!
久しぶり過ぎてこのサイトの存在すら忘れていましたよ!
しかし!IDとパスを忘れていなかった自分は偉いと思うのだ!自画自賛だね。
最近はピクシブの方で二次元小説ばかり書いていました。
ユーザー名はここと同じヴァインなので気になる方はそちらもどうぞ。
目の前の作業台には、ウサギの毛を針で刺し固めた、白くてふわふわの愛らしいウサギの人形が置かれていた。ウサギの毛は羊毛と違い、すべすべしていて縮れが少なく、刺し固めるのに苦労したが、何とか形になった。目の部分には小さな黒い実を差し込んで接着剤で固定し、口の部分は縫い針で刺しゅうを施してある。記念すべき異世界でのフェルト人形第一号である。
「器用なもんだなぁ……」
「うむ!」
本当ならデフォルトタイプロゼ人形くらい作りたかったのだが、さすがに手間と時間がかかるので今回は簡単な物を作った。今後は森で取れる素材で如何にウサ毛を染めるのか考えなくてはならないだろう。私はウサギ人形を摘まみ上げて観察しているアレクに目を向ける。
「アレク、ウサギの毛を染めたいんだけど何か良い方法ない?」
「染めなぁ……染めは俺に聞くより草木族に聞いたほうが良いぞ?そもそも俺、生産系は専門じゃねーから」
あぁ、そう言えばすっかり忘れてたけど、アレクって狩人でしたね……。
それにしても草木族って言ったら古木先生しか知り合いがいないけど、あの使えねー検索エンジン大丈夫だろうか?そんな事を考えて眉を寄せているとロゼが近くの棚から幾つかの瓶を取り出した。
「何色が欲しいんだ?」
「一通り欲しいけど……って、ロゼ、染色できんの?」
初耳なんだけど?
……いや、今聞いたんだけどさ。聞けばこの森は冬の間は深い雪で覆われてしまう為その間の副収入で染物や糸を紡ぐ事もあるそうだ。そして、その材料は冬以外の時期に取れるので貯めてあるんだそう。
「ふぅ~ん?へぇ~?俺も初耳だなぁ?」
私が熱心にロゼの話を聞いていると背後から楽し気な声が聞こえる。その声にロゼは一瞬眉を吊り上げたが直ぐに表情を戻した。アレクの事は無視する事にしたらしい。
「木の実の果汁や皮、木の皮何かを煮出して煮詰めたものだ。フィオの好きに使ってくれて構わない」
「マジで!?でも……」
「全て森で採れる素材だ。気にするな」
じゃあ遠慮なく使わせてもらおうかな……。
この借りは必ず何かの売り上げでかえすからな!多分……。コットンラビットの毛で作った人形が売れれば良いけど……あ、そうだ!
「ロゼ氏!この魔石に穴をあける事は可能かね?」
そうイヤーカフスを作った時のあまりだ。
と言ってもあまりの方が多いのだが、私はこれを小さなかごに入れて保存していたのだ。その後も良く見れば土の中などで小さな魔石を見かけたので貯めていたのだ。私はこれに穴をあけてビーズにしようと思ったのだ。
「出来なくはないが……」
「随分ちっこいな……」
出来なくはないが面倒なのと小さすぎて途中で砕けてしまう可能性が高いそうだ。無念。私は日本の加工技術の偉大さを再認識した。
「そういうのは小人族が得意だな」
マジか。小人さんにお願いするのか。小さな木の靴とか作っているのかしら?
「小人なのに森に居ないのか……」
「いや、小人が森に居たら即死だろ」
聞けば私達の認識とは異なり小人とは森や草原などに居る者では無く、人やそれ以外の力の強い種族と共に共存する種族だそうだ。私は『それって共存と言うより依存では?』と思ったがとりあえず黙っておいた。そして町に行かなければ小人はいないらしい。
残念だなぁ穴さえあけてくれれば人形の目にも使えるしアクセサリーも作り放題だったのに……。まぁ良い今は毛を染める事に集中する。肝心の染め方だが、水で染料を薄めて鍋に入れて加熱して染めるんだそうだ。つまりは毛を染めるのに鍋一個占領する。じゃあ一日一色が限度だろうなぁ~それも染料を無駄にしない為に濃淡を変えて染めよう。うんそうしよう。とりあえず今日はコットンラビットの白い毛をグリーン系で染めようと決意した。
「ねぇ~?ロゼって~生産系苦手でしたよねぇ~?染料集めてる何てどういう風の吹き回し~?ねぇねぇ?」
「煩い」
「やだぁ照れちゃって!可愛い~!」
キッチンで毛を染めている私の元へはそんな二人のやり取りは聞こえないのであった。




