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【第五十九話】 甘い蜜からは優しい味がした。






「完成だぁぁ~~~~!!!!」

「にゅ~~~~~~~!!!!」

「ムゥ~~~~~~~!!!!」

「ムウ~~~~~~~!!!!」





私は先ほど拾った大量の魔石の中から、最初に見つけたピンクの丸い魔石を表面の皮を少し残した方のイヤーカフに付け。ライムグリーンの魔石を木目の美しいシンプルなイヤーカフに付けた。まだ接着剤が完全に乾いておらず下手に動かせないが、自分で作ったとは思えぬほど良く出来ていた。





「それにしても綺麗な石だ……これがクズって、勿体無いなぁ」





 私はライムグリーンの魔石を接着したイヤーカフをそっと持ち上げて、光にかざした。よく見ると細かな傷が無数に入っていて、それが光に乱反射して中央に僅かに青い光が見える。……とても綺麗だ。ロゼの瞳の色と良く似ているが、ロゼの瞳には青い輝きは無かったような気がする。……頼んだら近くで良く見せてもらえるかな?





「何してんだ?」 

「おわぁ!?」





 振り返るとアレクが首を傾げていた。その手には大なべが抱えられている。私が半眼で睨みつければ、ビクリと肩を震わせつつも目線はチラチラと巨大赤芋虫に向いていた。金の亡者めが! 私は呆れつつも顎で巨大赤芋虫を示す。





「唾液が欲しいなら――」

「違う違う!! これは砂糖の木の樹液だ!」





 何と!砂糖の木とな!

 つまりはメープルシロップのような物が出来ると言うことかっ!! アレクは私の表情を見るなり、安心したように息を吐き出した。





「や、森番って男だけだから、甘い物なんか支給されないんだよ。 フィオも一応女の子だし好きかと思って……」





 一応ってなんだ!

 しかし許す! メープルシロップは全てを包み込んでくれる! 素晴らしい! 甘味は正義!! 私はアレクの評価を大きく上方向へ軌道修正した。立ち上がってアレクの持つ鍋の中を覗き込む。





「ほぁぁ甘い匂い! このまま食べれるの?」

「少し煮詰めないと、このまま舐めると腹壊す」





 アレクが言うには生のままの樹液には微毒が含まれていて、加熱して毒の組織を壊さないといけないらしい。毒と言ってもお腹を壊す程度の可愛らしいものらしいが。





「加熱すれば問題無いなら生の樹液も瓶に詰めておいてよ」

「Σロゼに盛るのか!?」

「は? 煮物とか、火を通す料理に使うなら生でも問題ないでしょ?」





 本当に盛るとしたらロゼではなく貴様だ馬鹿者。言ってアレクを睨みつける。それに、そんな面白みの無い毒など盛ってもつまらない。どうせやるなら女の子になっちゃう薬をロゼきゅんに盛って、ロゼ子ちゃんにして笑いものにしてやる。





「……いや? 笑えないくらいの美人になりそうで怖い」

「何の話ぃ~?;」





 気にするな。

 私は目線だけでそうアレクに忠告すると、完成したばかりのイヤーカフをそっとしまい、コットンラビットを抱き上げて小屋のに入る。ちなみに芋虫ズは夜も小屋の外である。コットンラビットのように比較的人に無害ならまだしも、芋虫ズは人食いであるためロゼの仕事の評判に関わるだろうと言う私の判断だ。しかもコットンラビットは怪我をしていてあくまでも保護なのである。と、言う訳で怪我もしていない、人畜有害な芋虫ベットは庭でのお昼寝限定となった。





 ※ ※ ※





「じゃ、これ生の樹液。青い瓶に入れたからな?間違えんなよ?」

「はいはい(--)」





 しつこいねぇ~。

 アレクの中で私はどんな暴君なんだ? あ、暴君なのか!? まぁ良いメープルシロップ(勝手にそう呼ぶことにした)に免じて許してやる。ん? 待てよ? 





「アレク、これ、ハチミツじゃないの?」

「ハチミツ? ハチって、あの蜂か? 蜂は、居るけど……ミツ?」





 私が異世界に来たと一番実感するのはこういう時である。

 我々の世界の常識がココでは通じない。私は何時ものように質問を重ねて情報の刷り合わせを行う。そして分ったのはこの世界の蜂は肉食で花の蜜を集めないと言うことである。と、言うかそもそもキラービーとかポイズンビーとかって言う魔物であるらしい。花や木の蜜を採取して商品を作るのは昆虫族だけだという。





「これは花蜜だな。 何だ、あったのか……意外とロゼあたりが気を利かせて取りに言ったのかもな? あぁ~でも言われてみれば、蜂型の昆虫の方が花蜜の詐取は上手いか?」





 あと花にも詳しい。個体差があるかもしれないけどなぁ~と、アレクは樹液を煮詰めながら言う。そ、そうか、普通に使っていたが……支給される物じゃなかったんだな。そう言えば支給品の荷物の中で見た事が無い。……ロゼに悪い事をしたかな? いや、まぁ、うむ、ロゼも食べたしな。私は何とも言えない気分になって思考を逸らす。それにしても木の樹液は【砂糖の木の樹液】で、精製すると【樹蜜】。花の蜜は【砂糖の花の蜜】で精製すると【花蜜】。……砂糖何処行った? 夕飯の支度をしながら私は眉根に深い皺が刻まれるのを感じた。





「俺も聞きたい事があるんだけど?」

「何だ?」





 私は私で新たな疑問が生まれてしまったんだが? 砂糖ってあるんですかー? 私の顔を見たアレクが怯えたように両手を上げた。何故だ解せぬ。





「いやっ、料理に、蜜を使うの、か?;」





 ん?

 この世界では料理に甘味を加えたりしないのか? いやそんな分けがないだろう……たぶん。アレクのやつが料理下手なだけ、だろう……たぶん。だってロゼ、普通に食べてたよ?





「ロゼ氏が食材を丸ごと焼くのが好みのようでな、以前ソースに使った」

「へぇ~! マジデか!」





 その後、それなりに料理をすると言うアレクに詳しくソースの作り方を教えた。






はじめまして、こんばんは。

奇人変人ヴァインです♪


久しぶりの更新ですが、皆様いかがお過ごしですか?

私は早くも花粉症で目が死にそうです。

なので誤字脱字には目を瞑っていただけるとありがたいです。


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