【第五十三話】 本当の事を言ったら場が混乱した。
はじめまして、こんにちは(*^ー゜)v
初めての感想をいただいて若干テンションの高い変人です♪
最近は人様の作品を読むことのほうが増え、新しい作品の設定を本気めに行い、
こちらのお話を進めるのが疎かになっていたと少し反省しています。
こんな私ですが、どうぞ見捨てないでやってください。m(_ _)m
「いやぁ~それにしても何でこんな所で迷うかな? 小屋からなら間違えようも無いと思うんだけど、よっぽど方向音痴なんだな!」
「…………すみません」
ダルマが先導したんだ私じゃない!!!
と、声を大にして叫びたかったが道案内をお願いしたうえに、ダルマよりも頼りになるので大人しくしている事にした。途中で放棄されては堪らない。
「ハッハ~ン? 夫婦そろって方向音痴か!! いいなぁ俺も早く嫁が欲しい!!」
「ハッハッハッハーーーー!!! お前には当分来ないだろうよ!!」
「………………」
筋肉ダルマは私が強く出ないのを良い事に、先ほどからずっっっっっっと得意げな顔で虚言を吐き散らしている。私とて最初は止めた。だが、この馬鹿二人は私の事を無視して話を続けるのである。リアルタイプ蟻人間も筋肉ダルマの恋バナに興味津々で常にハイテンションなので否定する隙もない。と、言う訳で筋肉ダルマと私の馴れ初めから現在に至るまでの、山あり谷あり涙ありの感動の物語が展開されている。ここまで来ると虚言ではなく創作の領域である。
「運命的な出会いだったっ!!」
乗り物酔いで寝ている見ず知らずの少女(私)を無理やり抱き起こして振り回した挙句、大声で喚き散らしたアレが、か? それともダルマの顔面に改心の頭突きを食らわしたやつか? ……ダルマの言う運命とは複雑怪奇で良く分からん。どうやら筋肉ダルマは先ほどの虚言を最初から繰り返す気のようだ。しかし、リアルタイプ蟻人間がさすがにこれ以上は聞いていられないと思ったのか、ダルマの声を遮って抗議の声を上げる。
「何で俺に来ないでヴァルドん所に先に嫁が来るんだよっ! こんな筋肉の何が良いんだ? なぁお嬢さん、ヴァルドやめて俺にしないか?」
結婚するつもりは無いが筋肉の悪口は基本的に私が許さんぞ! 筋肉は正義である! どちらかと言えば昆虫のほうが私の中ではありえない。リアルタイプ蟻人間と結婚したとして、生まれてくる子供の姿が昆虫だった場合、 一生消えない傷を心に負う事になるだろう。拒否の意を伝えようとリアルタイプ蟻人間を睨みつけると、私が言葉を紡ぐより先に筋肉ダルマが口を開いた。
「何を言う!!!! 俺とフィオとの間には既に愛の結晶がっ!!!!」
あぁ、これはもう創作じゃない犯罪だ!
ダルマは私とのアレコレを想像した上に、子供まで設けているらしい。従魔(?)の分際で……許すまじ。もう道案内などどうでも良い、言いたい事を言えないストレスのほうが精神衛生上良くない。そう判断して私は尚もくだらない言い合いをしている二人に向かって己の怒りのままに口を開く。
「うっさいっ! 黙れーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「Σえ!?」
「Σぬうっ!?」
「誰が嫁だ!! 何が愛の結晶だっ!!!! 貴様との間にあるのは従魔(?)契約だけだろうがっ!!! 私は貴様の嫁になった覚えは無い!!!!! そして貴様の嫁になる日は未来永劫やってこないっ!!!!!!! 寝言は寝てから言いやがれっ!!!!!!!!!」
目を丸くした二人がポカンと私を見つめている。
一気に捲くし立てた私は息が上がりつつも今までのストレスを撒き散らして気分爽快だ。私は呼吸を整えて二人の馬鹿を睨みつける。
「それで!? 古木先生の所までは――」
『もう付いておるぞ』
なに!?
私は聞きなれた声に急いで周辺を見回す。そこは湖のある森の広場、この異世界で私が一番最初に咲いていた場所だった。そして、そこには枯れそうになりながらも長い時を生き抜き、悠然と佇む大きな木が生えていた。
『わざとらしく媚を売りおって、調子の良い奴よの……』
たまには小説っぽい表現も必要かと思いまして……。
※※※
「フィオはこの頑固爺と知り合いだったのか……」
どうやら昆虫族は草木族や獣人族、妖精族といった森に縁の深い種族との交流が盛んで、アレクは樹木語が理解できるらしい。ただ、先生はかなりの無口で頑固者なため殆んど会話をした事が無いそうだ。いや、めっちゃお喋り好き、だと思うんですけど……?
『おぬしも阿呆よなぁ、念話を使えば迷う事無くここまで来れたのにのぉ』
「……ハッΣ(=口=;)」
私は念話で先生と会話が出来るようになった事をすっかり失念していた。いや、念話事態は利用していたし、頻繁に先生と会話をしていたのだが、道を聞くと言う考えに至らなかった自分に腹が立つ。
『阿呆よなぁ~』
「ドジだなぁ~」
「ドジで間抜けで短気で気が強くて口の悪い所が可愛いのだろうがっ!!」
私は二人と一本の私への暴言に怒りと憤りを感じた。同時に、苦労して手に入れた新スキル【念話】の存在を忘れていた自分を恥じた。恥ずかしくて腹立たしい事この上ないが、言い訳だけはすまいとギリギリギリと音が出そうなほど力を込めて、手元の赤い芋虫を力任せに握りこむ。
「ムッウッ!?」
赤い芋虫は一瞬体を強張らせたが、先ほどまでの逃走劇が嘘のように、何の抵抗も見せていない。逃げられないように麻袋に入れるか縛ってぶら下げるかしようとしたのだが……何となく可哀想で私が持ち歩いている。
「で? 念話使えるのにわざわざここまでやって来てどうしたんだ?」
リアルタイプ蟻人間に問われて顔を上げる。その昆虫過ぎるほど昆虫的な顔から、私は彼の感情を読み解く事が出来なかった。ただ、先ほどまでのダルマとのやり取りを見る限り、嫌味でも何でもなく只単に疑問に思ったのだろう。私が「先生と話がしたい」と小屋を出たのは結界の外に出て、赤い芋虫を捕らえるために他ならないので既に目的は達成されている。よって改めて「何か用があるか」と問われても「何もない」としか言いようがない。嘘を吐くのは性に合わないし、意味も無いだろうから正直に話す事にした。
「ロゼに森番小屋に軟禁されていたから外に出たかったの」
「「Σ何だと!?」」
『ふぉふぉふぉ』
その後、リアルタイプ蟻人間に「最近森番小屋に住み込んでいると言うロゼの彼女とはフィオの事か!?」「ヴァルドとロゼは嫁を共有しているのか!?」「俺も仲間に入れて欲しい!!」等、かなりしつこく質問攻めに会った。私は全ての問いを正しい方向へ軌道修正を図ったが、如何せんリアルタイプ蟻人間と筋肉ダルマは話を聞かない。
「ロゼは彼女じゃないと言っていたが、まさか嫁だったとは!! しかも! あのロゼが大事にするあまり軟禁とか!! あのロゼが!! 今まで何物にも執着しなかったあのロゼが!!!」
「うぉおおおおお!!!! 既にロゼのモノになっていたのかフォオオォォオ!!!! 何時だ!? 何時からだあぁぁぁ!?」
うぜぇ。テンション高けー。
リアルタイプ蟻人間は地面に笑い転げているし、筋肉ダルマは膝を折り地面に蹲り、絶望の雄たけびを上げている。私の言葉で何故にここまで場が混沌と化すのか分からないが、私は嘘は言っていないのでとりあえず、この二人が落ち着くまで待つ事にした。
お疲れ様です。
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