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【第五十一話】 二重人格と馬鹿と短気。

はじめまして、こんにちは(*^ー゜)v

布団を手洗いしてハンガーに吊るしていたら

ハンガーが壊れて布団が洗い直しになった変人ことヴァインです。



タイトルにある三人のお話。

ではどうぞー。











「フィオー! これでいいか?」

「やり直せ馬鹿者っ!! 洗濯物は皺を伸ばしてから干すんだと何度言えばその矮小な脳みそは理解するんだ!!!!!」





 私は今、従魔(?)を躾けている最中である。

 こいつ、独り身のくせに洗濯物の一つもまともに干せないので手を焼いている。そんな事を言えばロゼもなんだが、ロゼの場合は物覚えが良くて手先が器用だ。同じミスを繰り返しはするが、一度言った事はちゃんと覚えていて次に生かしている。それに引き換え、コノ筋肉馬鹿ときたらっ!! 脳まで筋肉とは良く言ったものだなっ!!!





「いいかね! こうやって濡れた衣類をパンパンって……」





 ――ビリビリッ。





 今、視界の端で筋肉質な魔物が、衣類を引き千切った音が聞こえた。

 音のした方へ、恐る恐る目を向けると、ロゼのシャツが無残な事になっていた。この従魔には家事機能は搭載されていないようだ。また訓練しても適正その物が無さそうである。誰かこの無能な従魔に家事機能をインストールしてやってくれ!! 私は内心、自分の服じゃなくて良かったと思いつつ、ダルマから破れたシャツを奪い、ダルマの干した洗濯物を手際よく全て干し直した。ロゼのシャツは……トートバックにでもしよう。こっそり不用品の活用先を考えながら手を動かしていた。





「おぉ! 見事な手際だ! さすが俺の――」

「嫁になった覚えは無いぞ!!」





 私は食い気味に答えると破れたシャツを乱暴に籠へ投げ入れ、見晴台を下りていく。下りながら今日は何をしようか考えを巡らせる。最近は調味料や保存食の研究は随時行なっていたが、文字や魔法、護身術等の勉強で縫い物の類が疎かになりつつある。今日はそっちを中心に……と、そこまで考えて隣を歩くダルマを見上げる。力が強すぎて家事には向かないが、ロゼと共に冒険者として活躍していた上、森番小屋のもう一人の主でもある。頭は残念でも戦闘能力は申し分ないのだろう。





「……ヴァルド。(で良かったよね?)今日、暇? 良かったら――」

「ダメだ」





 は?

 声のほうを向くと、窓から不機嫌そうなロゼが顔を出していた。





「……ロゼに聞いてないんだけど? つか寝てろよっ!」

「寝てるほどじゃない。 どうせヴァルドを連れて森に出掛けようとしているんだろ!」





 それの何が問題なんだ? 

 そんなに不機嫌な顔で攻められるような内容では無いと思うのは、私だけなのだろうか? そもそも私とロゼはただの同居人であり、私はロゼに保護されて森番小屋に留まっている。私の行動制限区域を定めた先日の内容では、戦闘能力と土地勘の無さ、無防備すぎる等々の理由で拡大しなかった。逆に言えばこれらをクリアすれば行動制限区域が拡大する可能性があると言う事に他ならない。筋肉ダルマを連れていれば戦闘能力も土地勘も問題ない……はず。ここまで言われる意味が分からない。私は考えながらだんだん腹が立ってきた。





「それの何がダメなんだっ! 護衛がいればいいじゃないかっ!!」





 私は突っ立っている筋肉ダルマを指差しながら叫ぶ。

 そこで、ふと違和感を覚える。何時も煩い筋肉の塊が静かに突っ立っているなんて、どう考えてもおかしい。私は筋肉ダルマを恐る恐る見上げて表情を伺う。すると何やら頬を染め、乙女のように目を潤ませている。……かなり気持ちが悪い。私は静かに一歩、筋肉ダルマから距離を取る。





「ヴァルドには仕事が――」

「暇だぞっ!!!!!」





 突然の大声に驚いて目を見張ると、筋肉ダルマが私の両腕をガッシリ掴んで、目も前に迫る。私は顔の筋肉が盛大に引きつる。





「フィオ!! デートだあぁ!!! デートに行くぞぉぉおおおお!!!!!」





 デートの誘いだと思ったのかこの馬鹿は。

 思わせぶりな態度だったような気もしなくは無いが……そもそもロゼが邪魔をしなければ勘違いが発生する事が無かった様な気がするな!! そして何ゆえ私が、こいつと、デートに行かなくてはならんのか? 解せぬ。私は両腕を拘束されているため、筋肉ダルマの顔面に頭突きを食らわす。昼間だと言うのに、痛みと共に目の前でキラキラと星が舞う。……前にもあった気がするな。





「いっってえぇ!!!」

「うぐっ……貴様などとデートなど行くわけが無かろうッ!!!! 久々に先生の所へ出掛けるのに護衛を頼もうと思っただけだっ!!!!!」





 そもそもデートとは日時と場所を明確に設定し、異性と出掛ける逢引の事である。……あれ? 日時:これから 場所:古木先生の所 私:女 筋肉ダルマ:男 あれ? デートか? デートなのか? 助けて古木先生ーーー!!!!





 ※※※





 不毛な押し問答を続けた結果、お昼ごはんの時間になりましたとさっ!(怒) もう、仕方が無いからお昼ご飯を作ってさっさと出掛けよう……。さて、何を作ろうか? 見るからに大食らいの筋肉ダルマが居るからなぁ、質より量作戦でお米を大量に炊いてプギーの生姜焼き丼にでもしようかな? いつかキムチを漬けて豚キムチ食べたいなぁ~。






           フィオズクッキング♪



【プギーの生姜焼き】          【おじや】

≪材料≫               ≪材料≫

・プギーの薄切り肉          ・ご飯

・玉ねぎ               ・卵

・人参                ・出汁パック

・生姜                ・万能ねぎ

・ニンニク

・醤油

・ハチミツ

・塩・コショウ





 作り方です♪

 玉ねぎ、人参、生姜、ニンニクを全てすりおろして、醤油とハチミツを合わせておきます。調味料の配合は好みで調節してください♪ プギー肉に塩、コショウをしてフライパンで焼いて、合わせ調味料をかけたら出来上がりです♪





 おじやの作り方は大体の人が分かると思うので割愛しますよー。分からないと言うならゴーグル先生かヤッホー先生に聞いてください。あぁもはや口癖となりつつも「醤油がないのが口惜しい」と呟いてしまう自分がいる。よって今日作ったプギーの生姜焼きは塩味である。今度、ぬか床の汁を使って何か出来ないか考えている所だ。





「美味い!!! 流石――」

「嫁になった覚えも約束もしていないぞ!!!」

「……………………」





 大きなサラダボールに盛ったプギーの生姜焼き丼を食い散らかす筋肉ダルマ。食うか喋るかどっちかにしやがれ。一方、ロゼ氏はおじやの入った鍋を訝しんでいて手を出していない。





「……フィオ、これは?」

「病人食代表の「おじや」ですが何か?」





 本当はお粥にしようと思ったのだが、異世界の病人食など未知すぎて要らぬ誤解と恐怖を生み出しそうなのでやめた。私も病気になって、ショッキングなカラーの原材料の分からないペースト状の謎物質「食べろ」って出されたら引くもん。精神衛生上良くない、うん。まぁロゼ氏の様子を見る限りそんなに重大な病でも無さそうだが、異世界の病気に無知な私ではロゼ氏に何を言われても安心できない。





「ハッハッハッ! フィオからすればロゼも「おやじ」だろうなっ!!」

「「おじや」と言ったんだ! 料理名だ馬鹿者め!!」 

「病人食……」





 ロゼ氏は朝食の呪い文字オムライスの様な顔で鍋の中にある大量のおじやを前に見詰めていた。譲歩&心配してやったと言うのに何たる態度か! 文句があるなら食うなっ!!!! と、無言の圧力で伝えつつ思いっきりロゼを睨みつける。確かに異世界の未知なる病人食は恐怖の見た目をしているかもしれないが、それにしたって失礼な態度だと思うぞ!





「何!? ロゼ病気だったのか!!!! だから俺に――ぬぉお!?」

「ありがとうフィオ。 冷める前に早く食べよう」





 ロゼは何かを言いかけた筋肉ダルマの座っていた椅子を蹴倒し後ろに転がすと、今までの態度が嘘の様に爽やかな笑顔でおじやを口にする。私は久々に見た胡散臭い完璧な作り笑顔に眉を寄せる。





「うん、おい――」

「オイ! てめぇそのウゼェ作り笑顔続けたら殺すぞ! 「このゲロみたいな料理は本当に食い物なのか?」ってさっき顔に書いてあったの見たんだからな!! それに何か元気だし心配して損した気分なんだけど! 仮病だった場合、今後料理に毒がトピングされる事になるから覚悟しろ!!!」

「いっってえぇなあ!!」





 ロゼの引きつった作り笑顔と筋肉ダルマの叫び声で楽しくも混沌と化した昼食会の時間は過ぎてゆく。






お疲れ様です。

いかがでしたでしょうか?



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お気軽にご一報ください。ただあまり攻撃力が高いと作者が瀕死の重傷を負う可能性がございます。

苦情と罵詈雑言はライトにお願いいたします。


ご覧戴き、ありがとうございました。

またのお越しを心よりお待ち申し上げております。

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