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【第四十一話】 妖精族は皆不誠実みたいです。

始めまして、こんにちは(*^ー゜)v

先ほど子ウサギにバナナをあたえた変人です。


今日も暑いですね~~熔けそうです;

でもクーラーの苦手な変人は薄着とハッカ油スプレーで乗り切ります!










 私は美しく芸術的に焼かれたクッキーを前に、お茶をしていた。そして同時に夫様でもない、攻略予定の無い男のために家事をこなし、奉仕し、同棲していると言う現実に頭を抱えていた。今更と言われればそれまでだが、こんなはずじゃ無かったのだ、気付けばこんな状態だったのだ……。やはりロゼか先生に読み書きと魔法を習って、異世界で稼ぐ手段を探して、さっさとこの小屋を出なくては……まだまだ関門は多い。





「何をしているんだ?」





 そんな事を考えているとロゼがお風呂から帰って来た。ロゼの綺麗な金色の髪が水で塗れて、少し癖のある毛先から水滴が落ちていて妙に色っぽかった。リアル【水も滴る良い男】の出現にほんの僅かだけ脈が振れ、思わず眉を寄せて睨みつけた挙句、不機嫌な声が出てしまう。





「お茶を飲みながら自身の今後について思いを馳せていたのだよ。 いったい君には私が何をしているように見えたと言うのかね?」

「いや、何だか思いつめたような顔をしていたから……」





 ロゼの目には私は思いつめた表情をしているように見えたのか、まぁ外れては無いか。私はロゼに「座るが良い」と言ってお茶を入れ、クッキーを数枚取り分けた。ふと床に目をやると、ロゼが歩いた道筋を示すように水滴が落ちていた。私は額を押さえ、溜息を付く。そのままロゼを睨むと、不思議そうな顔をしたロゼと目が合う。





「貴様は子供かっ! 髪を拭くと言う事を知らないのか! 風邪を引いても知らないぞロゼ青年!!」





 言うなり席を立ち、布を持ってロゼの背後に回り、綺麗な金色の髪をワシャシャシャシャと拭く。気分はゴールデンレトリーバーを可愛がるム○ゴ○ウである。





「なっ何すんだっ!」

「黙れ無精者めがっ! 貴様のせいで床がびしょ濡れなんだ、拒否は認めぬっ!」 





 私は暴れるロゼの髪を無理やり拭き終えると、そのまま同じ布で床を拭きながら風呂場まで戻った。そこまでしてから気がついたのだが、結構床が汚れている。土足だから仕方がないとは言え少し気になる。そして私は家の中で土足と言う特殊な(?)環境に今でも慣れない。明日は床を全面水拭きして土足厳禁にしてやろうかと、心の中で思いながら振り向くと、ボサボサ頭の不機嫌なゴールデンレトリーバー(ロゼ)と目が合った。何なんだアノごはんを前に【待て】を強要されているかのような顔は(-"-) 何か言いたい事があるなら睨んでないで言いたまえよ! 「礼を言われても文句を言われる筋合いはない」と言う無言のメッセージを込めながら睨み返すと、怒られると思ったのか、慌てて目を逸らされた。躾のなってないワンコだ!





「全く、貴様は子供ではないのだろう? 髪くらい自分で乾かしたまえよ! それとも王子様(笑)だからお風呂に入っても自分で体や頭を洗った事がないんでしょーーか?」

「そんな……」

「皆まで言うな分かってる。 貴様が王子である訳がない。 貴様が王子だったら夢が無さ過ぎて私は爆死してしまいそうだ」





 ただでさえチート能力が今のところ発見できず、お姫様でもお貴族様でも無く、絶世の美女にもなれなかったのだから、せめて王子様くらいはイケメンであって欲しい……。





「でもな~王子様がイケメンだったとして、私を見初めて結婚なんて都合の良い展開、起きそうも無いな~(--)」

「……王子なら結婚してもいいのか」





 汚れた布を片付けて、顔を上げると呆れ顔のロゼと目が合う。どうやら心の声が漏れ出ていたようだ。私はロゼの前の席に腰掛けながら、顔の前で手を組む。





「何を馬鹿な事を言っているのかね? 過酷な労働に身を投じずに、見目の麗しく権力のある男性の下に嫁ぐのは、世の女性の憧れだ。 そしてそれを他者に否定される筋合いなど無いのだよ。 まぁ私本当に側室に望まれたとしても行かぬだろうがな」

「何でだ、憧れなんだろ?」





 私はわざとらしく大きな溜息を吐き出しながらロゼの目を捉える。私には目を見ただけで人の心を読む術がないので、ロゼが何を考えているかは分からなかった。





「憧れと現実は別だ。 側室とて苦労が絶えないだろうし、ありのままの私の話し方が許されるとはとても思えぬ。 そもそも、男だけとっかえひっかえ女遊びが許されて、女には貞淑さが求められるなど間違っているとは思わないか? 女は子供を生むためだけの道具ではないのだよ」





 跡取りが必要な国王は二、三人妻が居て当たり前だが、気持ちの上では許せないものだ。他の女を抱いた穢れたバベルの塔を簡単に受け入れられる物ではない。そういった側室達の感情を蔑ろにするから、大奥のような悲劇を生み出す事態に至るのだ。





「簡単に言うと、いくら金があって、優しくて、顔が良くても、ロゼのような婚外子が二、三十人居るような不誠実な奴はお断りって事だ」

「子供なんて居ないぞ;」





 妖精族は寿命が長いので、事をいたしても子供が出来にくいそうだ。言い訳か? とっかえひっかえ不誠実に事をいたした言い訳か? まじでか……最低だ。子供が出来にくいから女をとっかえひっかえして良いってか? うっっわ、最低だ。控えめに見ても最低だ。最低って言葉以外出てこない。最低だ。(((( ̄□ ̄;ノ)ノあー、じゃあアレだ、妖精族の王様は沢山の側室を囲って、毎晩子作りに励んでいらっしゃるんでしょうね。外で遊んで子が出来たら側室としてお城に上げたりするやつですね。妖精族は全員不誠実と言う事で私の中で位置づけられた。私はロゼ氏に騙されていたのかも知れない…………ひょっとしたら私、いけない奴に協力したのかも知れない…………。誠実そうな顔をした不誠実の化身ほど恐ろしい者は無い。私はこれ以上深くロゼに関わるのは危険と判断し、孕まされる前に早くこの小屋を出ることを強く、強く誓った。心の中の葛藤と、凄まじい引き潮を悟られぬようにロゼに向き直る。





「ロゼに婚外子居ようと居まいと、そんな事はどうでも良い。 このお菓子、町で売れると思うかね?」





 ロゼは私の扱いの酷さに複雑な表情を浮かべていたが、溜息交じりにクッキーを手に取り口にした。





「味は問題ないだろうが、食べ物は許可が要るから面倒だぞ」





 保健所のような機関があるのか……。そう思って項垂れていると、町や村で商売をするなら商人ギルドに登録をすれば誰でも出来るそうだ。ただ、食べ物は毒物を混入させるテロ行為が過去に数回起きているので、販売の許可が下り難い上、お金が掛かるんだそう。






「でも全く下りない訳じゃなのだろう?」

「賄賂を渡すのが一番手っ取り早いだろうな」




 結局金か、この世は金が全てかっ! 私は何とも言えない感情を抱えながら、ロゼにお礼と就寝の挨拶告げ、自室のベットに倒れこむ。異世界面倒臭い。暫くそのまま考え事をしていたが、鍵をかけ忘れたことを思い出し、慌てて鍵をかけて、今日の所は一先ず寝る事にした。難しい事は明日考える。





いかがでしたでしょうか?


変人的にはロゼさんには妖精族の少子化問題に

一人で立ち向かっていて素晴らしいと思う次第です。

ただ、養育費と責任は取った方がいいよ!


ご覧戴き、ありがとうございました。


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