【第三十八話】 不誠実の化身。
はじめまして、こんばんは(*^ー゜)v
部屋の片隅で成長中のカビ菌こと変人のヴァインです。
今日は雨が凄いですねーー。
私、こういう、じめじめしていて暑いんだか、
寒いんだか分からない天気嫌いじゃないです♪
ではどうぞー。
――翌日。
私は人になって三日目の朝を迎えた。そう、私は人間になってまだ三日しか経っていないのだ。色々盛り沢山にありすぎて忘れがちだが、まだたったの三日目なのだ。異世界は面白可笑しくて、楽でボロくてハーレムでチートだと思ってたけど、全然楽じゃない、楽しくない!! チート能力振ってこーーーーーーーーーーい!! 私にだって、私にだってチート的な能力があるかもしれない! まだ諦めない!! 色々試して見つけなければ! そして、行く行くは冒険者として世界中を旅して、イケメンの王子様と結婚するんだっ! 今のところ異世界転生の恩恵を何一つ受けていない私は、今度こそ真剣に私の中に眠る…………かも知れないチートスキルの捜索を決意した。身支度を整え、窓の外に見えるロゼの筋肉を拝んでから部屋を出た。
※※※
「ロゼ氏、私は今日一日、小屋に居ようと思うのだが……かまわんかね?」
「いいけど、フィオ……何でそんな遠くに居るんだ?」
私とロゼは何時もと変わらず、朝食の席についていた。違うことと言えば、私が何時も座る席に居ないと言う事ぐらいだろう。森番小屋はその性質上、大人数にも対応できる大きな施設である。故に、食事用のテーブルは十人は座れる大きな作りになっている。私とロゼが何時も座っているのはキッチンに一番近い場所で、テーブルを挟んで向かい合っている。
「問題ない。 私に不都合は何も無い」
「いや、どう考えても不自然だろう。 そしてその被り物は何だ?」
私が現在座っているのは、キッチンから一番遠い端の席である。ちなみに、私の分の朝食は一皿にまとめてあるので、いちいちサラダを取りにロゼの所まで行かなくていい。そして、私が被っているのは、ウサ耳頭巾である。昨夜は謎の現象により寝付けなかったため、ロゼへの怒りと憤りを注ぎ込んで、夜なべして作られた血濡れ(?)のウサギである。
「気にするな。 ただの心の壁だ」
何ならもっと大きな壁を建設して、その建設費用をロゼ氏に請求してやろうか? 不法侵入反対! ロゼはわざとらしい大きな溜息を付いて、こちらに歩いて近づいて来た。
「Σちょ! なにすんだ! はーなーせーよーーー!!!」
「また子供扱いされたいのか?」
ロゼは私の朝食の皿を奪い、ウサギ頭巾に手をかける。愛らしいウサギの耳を容赦なく引っ張られる。やめろっ! 人様の心の壁を簡単に踏み越えようとするんじゃねー! 引きこもるぞ! 心の壁全開で引きこもってやるからな!! もみ合いの末、ついにウサギ頭巾を奪われてしまう。ロゼは私の抗議の声を無視して、何時もの席に座り、平然と食事を始めた。唖然と立ち尽くしていると、勝ち誇った憎たらしい笑顔のロゼと目が合う。ウサギを! ウサギを人質(ウサ質?)に取られた!! おのれ! おのれロゼ!!
「暴力反対! 力を振るって生まれるのは、憎しみと悲しみだけだぞ! ロゼ青年!!」
「……分かった話し合おう、座るがいい」
「Σ(=ω=;)」
そう言って指し示した席はロゼの前の席、何時も私が座っている席だった。と言うか、ロゼに私の言葉使い移ってない!? 何だか、とてつもなく複雑な心境かつ、突っ込み所満載で面倒な事態に陥った気がする。
「……こいつがどうなっても良いのか?」
「Σヒーローが悪役みたいな事言ってんじゃねーよ!! つか返せよウサギ!!!」
「何時もの席で、何時も通りに食事するだけなのに、何でそこまで警戒してるんだ?」
心底呆れたように溜息を漏らすロゼ。てめぇ……昨夜の狼藉、忘れたとは言わさぬぞっ! 私は何処からどう見ても繊細に出来ているんだっ!! 昨日の今日で、アレを無かった事に出来きる、神経は持ち合わせてい無い。だからデリカシーが無いというのだ! こういう時に相手の指示に従ったら、いけないって何処かのアニメでやってたぞっ! 何だったか忘れたけど、指示に従ったら最後、相手の思う壷だ、私はそんな見え透いた罠には掛からぬぞ!!! テロには屈しない!!
「……あぁそうか、俺の事を男として意識しているのか」
私はロゼの言動の意味が一瞬、理解できずに固まる。私が恥ずかしがって、ロゼの前の席での食事を拒否しているのだと、言いたいのか? ハ? 何言ってるのこの人、馬鹿なの? え? 馬鹿なの? ロゼってこんな奴だった? こんな俺様キャラだった? 乙女ゲーでは俺様キャラは大好きだったけど、実際に目の当たりにすると、ありえないわ。やはり、あれはリアルじゃないから良いのだろうな。私は空想上の夫、空○様を心に描き、ロゼを睨む。似ても似つかぬソノ不誠実の化身の姿に怒りが噴出する。
「あ”あ”ぁ!? 自意識過剰にも程があるじゃないでしょうかぁ!? だぁれがロゼ青年のような、恥も外聞も見境もない、女ったらし何ぞを、意識すると言うのでしょうかぁっ!! 寝言は寝てから言いたまえよっ!!!!」
「そうか、ならこの席で食事をしても何の問題もないな?」
「笑止!! 拙者には帰りを待っている夫様が居るのでなっ!! ロゼなどと食事をしても、一切なんの脈も触ぬのから、安心してくれたまえ!!!」
私は怒りに身を任せ、何時もの席に座って、ウサギの頭巾をロゼの手から奪い返す。よしよし、ウサ子よ、酷い目に会ったな。
……。
…………。
………………ん? あれ? 罠に掛かってね? 顔を上げると勝ち誇った、邪悪な笑顔のロゼと目が合う。ガァッデムッ!! 孔明の罠であったかっ!!! む、む、むかつく~~~!!! ヾ(`□´)ノ〃 つか、しっかりしろ自分っ!! 何度ロゼに嵌められたら気が済むんだっ!! くそ! くっそ! 何度見てもアノ顔腹が立つ~~~!!! 不誠実の化身めがっ!!! 見境の無い下半身の【自主規制】を切り取ってプギーの餌にしてやろうかっ!?
「小屋に居るのは良いが、出歩くなよ?」
「……何故、ロゼ氏に私の行動を制限する権利があるのですか! 納得できるように百字以内にまとめて、提出したまえっ!!」
「提出しても構わないが、字、読めるのか?」
すみません、読めません。悔しい、悔しい、悔しいっ!! 正論故に反撃できないっ!!! 私は先生に真剣に文字を習う事を心に固く誓った。
「………………口頭でお願いします」
「保護対象者の身の安全を確保するのは森番の義務だ。 戦う術のない者を魔物が多い森の中で放置する訳には行かない。 よって、フィオは小屋周辺以外は立ち入り禁止だ」
正論だ。又しても正論で攻めてきた、正論過ぎてむかつく。しかし、それでは先生の所へ行かれないではないかっ!! 朝食を摂りながら、「何故私が戦えないと決め付けるのだ!? 納得できない!!」等の話し合いがなされたが結局、私の行動制限区域が拡大することは無かった。私もロゼの言っている事は正論過ぎるくらい正論なので、これ以上の反撃は出来ず、納得せざるおえなかった。
「じゃあ行って来るけど、小屋の周りから……」
「分かったっつてんだろう、しつこいなっ!! しつこい男は嫌われるぞっロゼ青年っ!!!」
言いながら、布に包んだ荷物をロゼに投げつけた。ロゼは難なくそれを受け止め、首をかしげていた。
「これは?」
「安心しろ、まだ毒は入れていない!」
中身は朝食の時に作った、レオポン用のプギーの骨付き焼き肉と、ついでにロゼのサンドイッチだ。プギー肉のハーブステーキサンドと卵サンドが入っている。どうせ帰りは夕方か夜になるから、って思って作っていたのだが、今は何となく作った事を後悔していた。ロゼは中身を確認して驚き、私に憎たらしいほどの輝く笑顔を向けた。
「ありがとう。 でも、まだって……入れる予定があるのか?」
「ロゼ氏の今後の態度次第では、検討せねばなりません」
そう言うと、笑顔のまま頬を引きつらせた。
「……分かった気をつける。 じゃ、いってきます」
「ん、いってらー」
私はロゼを送り出すと素早く行動を開始した。まずはロゼの部屋を除く、全ての部屋の捜索からだ。
いかがでしたでしょうか?
少しづつ、ロゼとフィオの仲が進展してきたと思う変人です。
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