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【第三十七話】 乙女ゲー的展開がリアルに存在するとは思わなかった。

はじめまして、こんにちは(*^ー゜)v

溶けかけのアイスの棒こと変人のヴァインです。

以後、お見知りおきくださいますと、アイスの棒をプレゼントです♪


暑いですね~~熔けそうです・・・

今日はそんな気温に負けないほど熱い展開のお話です。

何時もより少し長いですが!ではどうぞご覧ください!






「皿洗いご苦労、ロゼ青年」

「……あぁ、何をしているんだ?」





 私は片付け終わった食卓で、先日レオポンの翼に引っ掛けて、裂けてしまったワンピースの裾を繕っていた。その他にもパジャマ用に簡単なワンピースを作れないかと幾つかの生地を並べている。あと、アレも作りたいしな……まぁアレはさすがにロゼの前だと気まずいから……って言っても見たって何のことか分からんだろうが、この世界の女性はどうしているのだろうか? 女友達が居ないとこういう時辛いな。





「ロゼ氏、縫うものがあるなら預かるぞ?」

「いや、大丈夫だけど……器用だな」





 コスプレ衣装を縫ったりするんだぞっ! 市販の買うと高いからな! ミシンは苦手なのでもっぱら手縫いだったけど、それが異世界で役に立つとは思わなかった。我々の世界よりも太く、質の悪い針でもそれなりに形になる。近代兵器に頼らず磨いた私の裁縫の腕は中々であった。





「私だって必要があれば裁縫位します。 あと、さっき着てたジャケット出しとけ、袖んとこ切れてたぞ」





それとも何か、信用できないと申すか? ふと、ある事が気になって手を止める。





「ロゼ氏、ホーンラビットの毛皮ってありますか?」

「え、いや、今は無いな……」

「そうか、残念だ。 毛皮でも良いから触りたかったのだがな……」





 言ってから手元の生地に意識を戻す。ウサギの耳をつけたポンチョでも作ろうかな? でもなーこの世界に化学繊維で出来たファーなんて存在しないだろうから、本物のウサギの皮を使用したウサギポンチョとかちょっとグロイし……何とかウサさんの毛だけ貰えないかな? フェルティングニードルで、もこもこ作って縫い付けたら良い感じだと思うんだけど……。その際には、今日の詫びも兼ねてロゼに協力させよう。





「よし出来た! さて次は何を作ろうかな~♪」





 とりあえず欲しいのはトートバックにハンカチ、シュシュ、靴下かな? 案外、この手の小物類が売っていないようで、ロゼも素足で魔物の皮のブーツを履いているようだ。痛くないのかな? でも靴下かぁ……ゴムっぽい素材無いんだよなぁ、編むか? いや、毛糸や編み棒が無かったから、編むとすれば後回しだな。すると、ロゼが先ほどのジャケットを持って現れたので、私はソレを預かって縫い始める。 





「器用だな」

「そらどーも、ロゼ氏も裁縫くらい出来たほうが、何かと役に立つよ? 下着に穴が開いた時とか」

「ゲホッゴホッゴッホ;」





 ロゼは飲んでいたお茶を噴出して咳き込む。





「……何だ? 嫁でもない私に、破れた下着まで縫わせるつもりだった、とでも言うのか? 貴様の下着の洗濯と合わせてお断りだからなっ! そういうのは嫁にやってもらえ」

「わ、分かってる! と言うか、その男口調もう少しどうにかならないのか!」

「む? 今更何を言う! 今から私に女に戻れと申すか!?」

「生まれたときから性別は変わらないだろう」

「愚か者めっ! この世には遺伝子的に100%男、100%女など存在しないのだよっ! そして人も魚介類も持って生まれた性を、自分の意思で変える事だってある!」





 世の中、白か黒かだけで決着が着かない事もあるのだ。と、無駄話をしていたら、ロゼのジャケットが縫い終わった。ロゼの命を守る装備品なので、簡単に裂けたりしないように念入りに縫い合わせた。





「ありがとう」

「うむ」





 私は頷き、とりあえず靴下から縫うことにした。ジャパニーズ足袋的な感じに作ればいけるだろう。冬場は毛糸で良いけど、普段使いは布製が使いやすいだろう。まぁどちらにしてもまずはロゼで実験だな。





「ロゼ氏、ブーツを脱ぎたまえ」

「……ハ?」

「ふむ、無理やり剥く趣味は無いのだが……仕方がないか」

「ちょっ! 待て! やめろ!」





 ジャケットを受け取って、頬を緩めてニヤ付いていたロゼのブーツに手をかけて無理やり脱がす。私の二倍はあろうかという大きく骨ばったゴツイ足が出てきた。私はイケメンの生足に一瞬スメルを吸引したくなるのを自主規制をかけて止めた。……スネ毛が生えてない!? 何故だ!? 生前の私は剛毛だったというのに!! 剃ってんのか? 妖精族だからか? それとも謎のチートスキルか? くっそ羨ましい!! 剛毛だったらガムテ(※異世界なので無い※)で根こそぎ引っこ抜いてやろうと思ってたのに! ちなみに今の私は何もしていないのに、無駄毛が一切無い。スネ毛所か脇毛も指毛もアソコの毛も無く、つるんつるんだ、異世界とは不思議な所である。





「……フィオ、何をしているんだ?」

「足のサイズを測っている」





 諦めモードで大人しくしているロゼに、私はメジャーらしき物を足の裏に当てて、数字を端切れに書き込んでおく。





「俺の? フィオの物を作るんじゃないのか?」

「……ふむ、スネ毛は生えないのに角質は溜まるのだな」

「…………何故、身体検査をしている」

「健康管理と言っていただきたい」





 やはり、森番という職業柄、皮も溜まるか。しかし取っても良いものだろうか? 外部からの刺激から肌を守ろうとして皮が厚くなる訳だから……ロゼの場合下手に取らないほうが良いかも知れない。それに、それは私ではなく嫁の仕事だな。私はしげしげと眺めていたロゼの足を放す。一応、忠告だけはしておこう。





「あんまり角質が溜まってると、ひび割れ起こして地獄かってほど痛むから、そうなる前にケアしろよ?」

「? どうやって? というか角質って何だ?」


 この世界には足の角質を取る習慣が無いのか? 仕方がないな……。私はロゼの作業台から細かい目の金属製のヤスリを持って来て、再びロゼの足を取って私の膝の上に乗せる。





「フィオ!?」

「動くな、いいかね? 足の角質を取る時は乾いている時にやるんだ。 濡れている時にやると取りすぎて、痛みが出るから気をつけろ」





 そう言って、ロゼの足の角質をヤスリでゴリゴリ削り始めた。くすぐったいのか、戸惑って足を引こうとするロゼを無視して作業を進める。少しして、白い粉が私のスカートの上に溜まり始める。





「コレが角質だ。 溜まりすぎると割れて怪我の元になるぞ」

「……フィオ、ひょっとして、心配してくれてるのか?」





 顔を上げると、酷く困惑したような表情のロゼと目が合う。





「何を馬鹿なことを言っているのかね? 心配しているに決まっておろうが」

「そ、そうだよな、そんな訳……え?」





 私はため息を吐いて肩をすくめ、ロゼの足に視線を落とす。そのまま右足を削り終えて、もう片方の足を出させ、同じように削る。





「……ロゼが私の事をどう思っているか、分らないけど、何度も危ない所を助けてもらってるし、私はロゼに感謝してる。 こんなんで恩が返しきれるとは思わないけど……このくらいはさせてほしい。 それに、この世界は、私たちの世界より簡単に命が失われる場所だって分かるから…………少しは体の事に気を使いたまえよ?」

「………………」





 ロゼから返事が返ってこないのは気になったが、どうにも照れくさくて、とてもじゃないが顔を上げられそうに無かった。私はロゼの角質を削り終えると、足を下ろしてスカートの上に溜まった角質を落とさないようにしながら、逃げるようにキッチンに入った。ゴミ箱にロゼの角質を捨てると、ふと植物性の油が目に止まる。角質を取ったら保湿しなくては……しかし、さすがにそれは嫁の仕事ではないか? そして、さっきの発言の後であるし、正直気照れくさい。そして私はロゼを攻略するつもりも、嫁になる気も無い。暫しその場に留まり、ビンを睨み付ける。





「……フィオ」

「Σ(=口=;)のあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」





 背後から突然声をかけられた私はロゼを振り返り、物凄い勢いで後ずさってキッチンの一番隅まで逃げる。まさかロゼが自分を追いかけて来るとは思わなかったので、逃げ道を失って戸惑い、言葉を失っていた。薄暗いキッチンでロゼが、困ったように笑う気配を感じた。





「何て声だしてんだ」

「な、なななな何だね!? 角質取りに関する苦情は、一切受け付けないぞ!」





 ロゼがゆっくり距離を詰める。私は身の危険を感じ、咄嗟にフライパンを手に自己防衛を図る。





「フィオ」

「い、今更、角質を戻せと言われても戻せぬぞ!」

「……ありがとう」

「…………は?」





 私はロゼを唖然としながら見上げる。この男はそんな事を言う為に、わざわざ追追いかけて来たと言うのか……。私は思わず、手にしていたフライパンで顔を覆い隠す。





「礼には及ばぬ……と言うか礼を言うべきは、私の方、であろう。 厄介者の化身のような私を助けてくれて……その、ぁ、あり、がとう」

「…………」





 フライパンに隠れているので、ロゼの表情を窺い知る事は出来ない。すると突然、ロゼの腕が伸びてきて、顔を覆っていたフライパンを奪われる。ロゼが私の顔を至近距離で覗き込む。ロゼの突然の行動に心臓が大きく跳ねて、飛び出すのではないかと思った。





「なぁフィオ、俺は当たり前の事をしているだけだ、命の恩人とか、そんな大層な物じゃない。 それにフィオの事を厄介者だなんて思った事は一度も無い。 だから、そんな気を使うな」 

「……そうは言うが……やはり」





 保護した人間を小屋に留めて、援助を行っても何の問題も無いそうだ。また、その費用も出る、と言うが……本当だろうか? 気を使わせないために、嘘をついているのでは無いだろうか? すると、意地の悪い笑顔を浮かべたロゼが目の前まで迫る。





「友達は平等なんだろ?」





 疑うなんて良くないよな? などと言いながら、更に距離を詰める。窓から差し込む、僅かな月明かりしかない薄暗いキッチンで、これほどまでにロゼに詰め寄られて、貞操に関わる身の危険を感じない者はいないだろう。というか、何処でロゼのフラグを回収したんだ? 乙女ゲーならこんな盆ミスしないのに、リアル難しい! 私は脳内パニックを起こしながら目を硬く瞑り、危機が去るのを待った。





「……何でフライパン?」





 ロゼはそう言うと、奪ったフライパンを私の真後ろの壁へと戻した。「どうした?」とでも言いたげなロゼと目が合う。純情な乙女心を弄びやがって、この遊び人がっ! パニクッた自分がとてつもないアホみたいではないか! 私は、ロゼの平然とした行動が妙に腹立たしくなり、思わず盛大に眉を寄せてロゼを睨みつけ、植物性のオイルを手渡す。





「このオイルを薄く足に塗りたまえ。 角質取りも保湿も次回からは自分でやるか、嫁にやってもらえ。 そしてまずは嫁を貰え」

「…………フィオは、俺の嫁になってくれないのか?」

「貴様はお断りだと言っただろう! 貴様の攻略予定は未来永劫やって来ない!! 赤毛にでもなってもらえ!」





 私はそのままロゼの横を急いで通り過ぎ、広げていた布や裁縫道具を素早く片付けて、部屋に向かう。





「おやすみっ!!」

「お休み、フィオ……」





 勢い良く閉じた扉の向こうから、何か聞こえた気がしたが、狼が入り込まないように厳重に鍵をかけてベットに入った。






いかがでしたでしょうか?


二人の関係が少しづつ進展してきている・・と良いのですがね。

まだまだ、ほのぼのパートは続ける予定ではありますが・・・

場合によっては今予定しているお話をバッサリいくかもしてません・・・


ご覧戴き、ありがとうございました。

またのお越しを心よりお待ち申し上げております。


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