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【第三十四話】 差し出された手は叩き落してはらなない。

はじめまして、こんにちは(*^ー゜)v

この時期に主にキッチンから現れる漆黒の昆虫が死ぬほど嫌いな変人ことヴァインです。

嫌いすぎて、その昆虫の研究をしてしまうほどにw

もちろん殺る方向性の研究です。

自作のアロマスプレーにて今日も良い香りです♪

ではどうぞーw








 ロゼの小言を左から右へ受け流しながら歩いていくと、先ほど筋肉ダルマを連行して行った騎士団の制服が視界の端で去っていくのが見えた。また変なのが出たのだろうか? まぁダルマの場合は半分が私のせいだろうが。





「聞いてるのかフィオ! 少し目を離すと直ぐに居なくなって厄介事に巻き込まれている自覚はあるのか?」

「……あります。 すんませんです;」





 もう何も言い返せねぇっす(==;) 今日一日で一体何回ロゼ氏に助けられたことか……。ロゼは俯いて謝罪する私の頭を軽くぽんぽんと叩き、レオポンに荷物を積み込む。もう帰らなければいけないのか、少し名残惜しい気もする。ハッ! 嗚呼、又しても羞恥プレイとパッシブスキル【乗り物酔い】の二重苦の恐怖に襲われるのか……。色んな意味で帰りたくねーー。





「前と後ろ、どっちに乗る?」





 正直に言えばどっちも嫌だ。馬をお借りして私一人で併走して帰りたいです。と、言いたい所だが、あまり迷惑ばかりも駆けられない。私の事情を知っているのはロゼだけな訳で、そのロゼに見捨てられたら、たぶん死ぬ。精神的な意味ではなく、物理的な意味で。今日一日でよーーーーーく分った、死ぬ、即死だわ。異世界怖い。運よく生き延びても、売られて娼婦になるか奴隷として過酷な労働を強制される事になるのだろう。異世界怖い。いや、日本が平和すぎたのか? まぁロゼの様子からして直ぐに小屋を追い出される様な事は無いだろうけど、今後のことはちゃんと考えておかないといけないな。





「…………後ろで」





 正常な状態で前に乗せられたら爆発してしまいます。もう本当、二度とごめんです。するとロゼは小さな溜息を漏らして、私を抱き上げようと極々自然に手を伸ばしてきた、私はその二つの手を咄嗟に勢い良く叩き落してしまった。やってからしまったとも思ったが、私の行動は間違ってなどいない筈だ。考えても見てくれ? まるでお父さんが子供を馬に乗せようとしているかのように抱き上げられようと言うのだぞ? 何処まで子ども扱いしたら気が済むのか。





「自分で乗れます」

「…………そうか」





 何故か寂しげに呟かれた言葉に、間違ってはいないが正解でもなかった、と少し後悔した。ただロゼの手を煩わせないように自分で乗るから良いって言ってるのに、寂しそうにしている理由が分らなかった。そして何より急にマジなテンションで凹まれても対応に困る。え、私が悪いの? さっきまで普通に楽しく冗談を言い合っていましたよね? 中身が別人に入れ替わったでありますか? ロゼはレオポンに跨り、少し戸惑いながら私に手を差し出す。私は平静を装いながらロゼの手を取り、レオポンに跨った。もう今更恥ずかしがっても仕方がないし、度重なるトラブルと市の散策で疲れていた事もあり、少し躊躇したが大人しくロゼの体に腕を回して後ろから抱きついた。すると、ロゼは一瞬驚いたように肩を震わせて短く「行くぞ」とだけ言ってレオポンを走らせた。そっとロゼの顔をのぞき見ようとするが、顔を背けられてしまった。





「……気分が悪くなったら言えよ」

「了解した。 あ、ロゼ、ついでに先生の所寄ってくんない?」





 「分った」と又も短く返事が返される。……怒ってる? まさか手をぶっ叩いて、叩き落したの怒ってるの?(==;) おいおいおいおいマジか、ちっせぇ男だなっ! とは思うが言えぬ。どうしたもんか……ロゼは私と違って案外、繊細に出来ているのかもしれないな、今後発言には気を使ったほうが良いか? いや、無理か。考え事をしているとロゼが安全な道を外れて森の中へレオポンを走らせる。行きは通らなかったんだけど……。





「先生の所へ寄るなら、こっちの方が近道だ」

「左様か」





 私が疑問に思っているとロゼがそう教えてくれる。しかし気まずい。何故こんなにも空気が重いのか……。何か、何か話題を振らなければ……ハッ、そうだ!





「ロゼ氏! 王都の魔法学校に入学するのはどうしたら良いんですかね?」

「……魔術師になるのか?」





 やっぱ異世界転生って言ったら魔術師でしょ! 楽しそうに答えるとロゼは王都の魔法学校について色々話してくれた。魔法を教える学校は沢山あるが、特に有名で優秀な魔術師を輩出しているのは王都の【エンダール王立魔法学校】で「城勤めの魔術師ならばここで学んでなければ使い物にならない」と言うほどの有名学校だそう。この学校を出れば将来は約束されたも同然で、勤め先には困らず、男女問わず良い縁談の話が舞い込むらしい。それだけ重宝される存在を輩出する分、入学試験は熾烈そのもので、試験に臨むために何年も何年も、そのためだけに準備して試験に挑むのもらしい。時折、推薦で入学する者も居るが、そういう人はいわゆる天才中の天才というやつで生半可な人は推薦を受けられないそうだ。





「……絶望しかねぇ」

「まずは初等魔法学院に入ればいいんじゃないか?」





 聞くと、王都にある王立学院は魔法学校だけではなく騎士団学校もあるそうだ。魔法学院も騎士団学院も、初等学院と高等学院に分かれており、どちらの場合も初等学院に通ってから高等学院に入るのが一般的だ。ただ殆んどの者が初等学院から高等学院へ入学できずに落とされて冒険者になる事が多いそうだ。この四つの学院は併設していて自由に行き来が出来る作りになっていて、四つの学院にはそれぞれ寮もあるとか。





「寮!? 寮対抗でポイントを競い合ったりは?」

「いや、そんな話聞いたこと無い」





 残念。でも魔法学校の寮生活とか憧れるよねぇ~。ダンスパーリーは無いのかしら? 王都の学院なんだから王子様とかお貴族様とかも通うのかな? そこまでの高望みはしないけど、将来有望な騎士様とお知り合いになれたら良いな~(* ̄▽ ̄*)~゜ その時、私は忘れていた私のチート的な能力の如き存在を思い出した。





「ロゼ氏」

「ん?」

「気持ち悪い(=。=|||)」





 薄暗い森の中でレオポンから降りる。降りた瞬間から地面が波打つ感覚に眩暈がする。恐るべきパッシブスキル【乗り物酔い】。いっそ呪いかも知れないと思いつつ、近くの木の根元に腰を下ろす。今回は早めにレオポンから降りたので、横になるほど気分は悪くないが、魔法学校の話で盛り上がってどの辺りまで来たのか全く分らない。





「先生の所まであとどのくらい?」

「ここからなら歩いて行けるぞ」





 え、おかしくね? だっていくら話をしてて時間の感覚がアレだったとしてもレオポンに乗って話が出来るレベルの速度で走ってたんだからそんなに早くは無かったはず。加えて小屋から先生の所まで離れていなかったような気がする。どう考えてもここまでの道のりで先生の所まで歩いていかれる距離まで来たとは思えない。解せぬ……。(--) と私が一人難しい顔で考え込んでいるとロゼは水の入った水筒を手渡しながら舗装された道ではなく、森の中を抜ければ近道が出来る事を教えてくれた。町から森番小屋への道は魔物の縄張りや木々を避けて作られているため、町までは遠回りなんだとか。また普通の馬じゃ魔物の縄張りに入るのを嫌がるので、森を走り抜けられるのはかなりの訓練された軍馬かレオポンのような獣だけだという。わざわざ危険を冒して近道をするような者は居ないので遠回りでも通常は舗装された道を行くのが普通なようだ。


 ……ただ、ロゼ青年が近道をしていたらもう少し乗り物酔いが酷くならなず、町に付く時刻が早くなり、より市を見て回れたかもしれない。とは思ったが私の安全を第一に考えての行動だろうし、森番として森の中を気軽にうろついて魔物や動物たちを騒がせたく無かったんだろうと、黙っている事にした。





「……歩けるか?」

「ん」





 ロゼは何時に無く気遣わしげな目で私を見下ろしていた。私はロゼの手を取り、立ち上がる、まだ少ふわふわする感覚があるが何とか歩けそうだったので先生の所まで二人並んででゆっくり歩いていく事になった。






いかがでしたでしょうか?


名前を言ってはいけないアノ漆黒の昆虫のことですが・・・

知りたい方のために情報を載せておきます♪

奴らの嫌いな香りは柑橘系とハッカ系です。

好きなものは油、砂糖、ジャガイモ、たまねぎです。

ジャガイモやたまねぎの皮はビニール袋に入れて密封して捨てるようにしてください。

ソノ上で柑橘系のアロマをゴミ箱にスプレーするとより効果的です。

やつらが地球上から居なくなる日は恐らく来ないでしょう・・・

私たちに出来るのは防御策だけです(つへ;)


ご覧戴き、ありがとうございました。

またのお越しを心よりお待ち申し上げております。

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