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【第三十二話】 哀れ筋肉ダルマ。

はじめまして、こんばんは(*^ー゜)v

エアコンのフルターに詰まった埃こと変人のヴァインです。


本日もご覧頂ありがとうございます!

私も毎日楽しく、頑張って書いております!

ではどうぞー!








 それにしても、筋肉ダルマがロゼを呼びに行ったのは、私が娼婦をしようとしていると思ったからか……この世界では下着は娼婦のアイテムって認識なのは間違い無さそうだった。私は筋肉ダルマの爪先を強く踏みつけた。





「いっってぇえっ!」

「お馬鹿な豚さん、私が娼婦になんてなる訳が無いじゃない。 でも私が何になろうが貴方には関係ないじゃない話よねぇ? それより、ご主人様の言う事が聞けないお馬鹿な豚さんにお仕置きが必要なんじゃなくって?」





 私の従魔の豚さんは非常に嬉しそうにお仕置きを待っている。私はドン引きしているロゼに手伝ってもらい、筋肉ダルマの顔全体を布で覆い、手足を縛って「このまま一晩ここにいなさい」と言いつけて、急いでその場を離れた。顔を覆った布や手足を縛ったロープが何処からやって来たかは聞かないでくれ。





「………………フィオ?」

「筋肉ダルマについての質問なら一切受け付けない」





 私も正直、悪いとは思っているんだよ? ロゼの数少ない親友を変な方向へ目覚めさせてしまった事に関しては。でもさ、本人、喜んでいるし、元々、素質があったんだよ、うん、そうだね。そういう事だ。ちょっと従魔(?)は便利だなぁ~とか思っていないからね。





「………………」

「なんだね? その変顔は? かくし芸かね? あー、あと娼婦にはならないから安心したまえ。 と言うか私みたいな貧相なのが娼婦だなんて需要が無いであろうがなHAHAHA!」





 言い終わると、ロゼが呆れたように大きな溜息を吐く。





「この辺りでは黒髪はとても珍しいからな需要はあるだろう……だから無防備に一人でウロウロするなよ? フィオは……ヴァルドも言っていたが結構美人だから目立つんだぞ」

「…………アレの言うことを信用しろと?」





 私は未だ床に転がるドMのド変態を振り返る。下着店の前に放置してきたため、店員の女性が叫び声を上げている。このままでは騎士団に連行されるのは時間の問題だろう。





「………………………………昼飯がまだだったな?」




 

 そういうと近くのベンチに座って私に小さな紙袋を渡してきた。そこに入っていたのは先ほどのスパイスとドライフルーツではなく、白くて丸いポヨポヨした謎の物体だった。つか私が言うのもなんだけど、良いのか? 筋肉ダルマをあのままにしてきて。騎士団に連行されるとか、ちょっと可哀想だぞ?


 聞くと、今まで何度も騎士団の皆様にお世話になっているとか。じゃあ、別に助けなくても良いかなぁ~。連れて行かれたら行かれたでご褒美だろうし、まぁ皆さんには多大なるご迷惑をおかけする事になるだろうけど、知ったこっちゃない。私は紙袋の中身を出してみた。コレは食い物なのか? 白く、半円形のもちもち、ぽよぽよ、さわり心地の良い謎の物体が私の手の平の上にある。見た目はコンビニのぷち肉まん、さわり心地はスライムといった感じだ。もう一度問う、コレは食い物なのか?; 私は海外での生活経験がある事から、こういった危険度の高そうな、どんな素材が使われているか見た目で判断できない、謎の物体には手を出さない。ましてココは異世界だ、警戒するのも無理の無い話しだとは思わないか? 私がコレと睨めっこしていると、その様子を見たロゼが私の手からコノ謎の物体を奪って、私の口に放り込んだ。





「いいから食ってみろ」

「Σふごふっっ!!!」





 貴様っ! いたいけな少女に何て事をっ! こういうのは自分で食べて見せて大丈夫だと伝えるもんじゃないのかっ! 文句を言いたいが口の中いっぱいに先ほどの謎の物体が詰まっていて何も言えない。 仕方がないのでジェスチャーで怒っている旨を伝えつつ、口の中の物を租借する。……あれ? 美味しい? 口の中の謎の物体はもちもちしていて甘くて美味しい。お餅とマショマロとグミを足したような食感にミルクのような風味がある。





「美味いか?」





 ロゼを見ると、勝ち誇ったような笑顔で私の事を見ていた。……なんかムカつく。しかし、礼は言わねばなるまい。私は口の中の謎の物体を飲み込む。





「…………アリガ(-"-) Σぐっ!」

「そんなに眉間に皺を寄せていると老けるぞ」





 不服ながらも礼を言おうとすると、私の行動は事前に読まれていたようでロゼは私の眉間によった皺に人差し指、中指、薬指の三本の指をグイグイ押し当てて皺を押さえた。私は予期せぬ攻撃に首が後ろに反り返る。




「老けるだとぅっ! 貴様~~!! うら若きピチピチ(死語)の乙女に言う事かではないだろうがっ!!!」

「だったらソノ顔で礼を言うのをやめろ」





 恩人だろうが言って言い事とそうじゃない事があるんじゃないか!? 私は左手でロゼの腕を払おうとして腕を掴まれて防がれる。右手は先ほどの謎のうまうま団子が入った袋を持っているため反撃できない。尚も私の眉間の皺に押し当てられているロゼの指を頭で押し返す。漫画風の効果音を付けるなら「ギリギリギリッ」といった感じだろう。





「何してんだ」

「うるさい黙れっ!! その手をどけろ~!!!! 私が老けようが老けまいが貴様に関係ないだろうがぁ~~~!! 私より確実に爺のくせに私を婆扱いしやがってっ!!!! 許すまじロゼ爺っ!!!」

「誰が爺だ」





 爺を連呼したらさすがのロゼも少しムッとして、私の眉間の皺を押さえる手に力を入れた。





「騎士様この者ですっ!」

「うむ、連れて行け」

「「…………………………………………」」





 ついに筋肉ダルマが騎士団に連行されて行った。知ったこっちゃないと思っていたが……いざ連衡される現場を目の当たりにすると、さすがに少し罪悪感を感じる。私たちはどちらとも無く自然と力を抜いて、ロゼは私の眉間から手を退けた。





「……ロゼ氏、アレ助けたほうが良くないですか?」

「今更だろう」





 筋肉ダルマを見捨てた罪悪感と、二人で楽くジャレ合っていた気まずさを誤魔化すように紙袋に入った謎のうまうま団子を手に取る。先ほどはロゼに無理やり口に入れられてしまったので分らなかったが、何やらナッツのような香りがする。口にすると、もちもち食感の素朴な甘さとミルクのような風味に自然と頬がゆるむ。





「…………そういう顔も出来るんだな」

「死にますか?」





 この謎団子はミルンと言うこの辺りでは一般的なおやつらしい。何でもミルンはミルクの風味がするナッツの事でコレはその実を細かく砕いて、粉と水を加えて練って茹でただけだという。ミルンは甘味が強いので何も加えないでも甘くて美味しいらしい。





「そんなに気に入ったなら粉を買っていこう」





 実のままでも売っているが硬くて砕くのが大変なので一般的に流通しているのは粉になった状態の物らしい。私は三つ目のミルンを手にした所でふとロゼの視線が気になった。





「ロゼ氏はご飯は食べたの?」

「え? あぁ、いや……」

「(☆д☆)キュピーン うらぁっ!」

「Σぐっ!」





 私は手にしたミルンをロゼの口へ押し込んだ。私はニタァと邪悪な笑みを浮かべる。先ほどの仕返しである。





「ギャハハハハハハ(ノ▽≦*)ノ彡☆バンバン ざまぁwwww」

「……………………………………ムグムグ(-"-)」





 酷く機嫌を損ねたロゼの顔を見て笑いを堪えきれなくなった私はロゼの背を叩きながら大笑いした。ひとしきり笑うと残りのミルンを二人で分け合って食べた。まぁ痩せの大食いのロゼには足りないだろうから、また何処かで食べれるものを買ったほうがいいかな? 出店も沢山出てるし。






いかがでしたでしょうか?


今回は色々大変な回でした・・・。

エピソードを書いては消し、書いては消し・・・

まだまだ入れたいお話はありましたがバッサリいきました。

ココで切ったお話は別の回に持越しですね。


ご覧戴き、ありがとうございました。

またのお越しを心よりお待ち申し上げております。


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