【第十五話】 異世界での料理は大変です。
はじめまして、こんばんは(*^ー゜)v
道端に転がっている愛と誠こと変人のヴァインです。
本日は私のバースディなのですよっ!
美味しいサーロインの固まり肉を自分で仕込んで皆で食べました♪
年齢は聞かないでくださいm(_ _;)m
フィオも異世界で初めて自分の腕で料理を作ります。
異世界なので不思議素材いっぱいでしょうに……。
ではどうぞー!
――朝。
私は眩しい朝日に「早く起きろと」急かされる。急かされるのが何よりも嫌いな私は布団を被って朝日に抵抗する。気持ちの良いふかふかの布団で二度寝を決め込もうとした。……布団? のそりと起き上がり周囲を見渡す。見覚えの無い拾い部屋に大きなベットが二つ並んでいて、すわり心地のよさそうなソファが三脚、高価そうなローテーブルを囲むように置かれている。大きな姿見やタンス、化粧台まである。何処かの高級ホテルにでも泊まっているかのようだ。私はまた死んで何処か別の所に転生でもしたのかと思ったが意外とこの頭は冷静に昨夜の事を覚えてやがった。
「……何処かの国の王女や貴族、チート能力者に生まれなかったのだからせめて! せめて!! 美少女であってくれっっ!!!」
強い邪念と共に私は姿見の前へ移動する。そこに居たのは腰まである艶々の黒髪、紅色の唇、薄紅色の瞳、細い手足と腰、低い身長、大きめサイズの胸、見た事のある低い鼻の見知った顔。一般的な日本人女性がそこには居た。唯一違うのは瞳の色と若干スタイルが補正を受けた事くらいだろうか。……これほどか? これほどなのか? この様な仕打ちを受けるほど前世の私は極悪非道のキモオタでござったか? 否! たとえそうであったとしてもこの様な仕打ちを受ける道理などござらぬっ! 何ゆえお上はこの様な試練を我に与えたもうたか……。
あまりのショックに武士言葉になった私は現実から逃避しようと窓の外を見た。そこには素振りをする半裸の残念イケメン・ロゼが居た。ロゼは毎朝ジョギングを兼ねた森の見回りをして腕立て、腹筋、素振りなど一時間程度のトレーニングをするのが日課だった。そういえば、自分でベットに入った覚えが無いな……。アレで残念じゃなければねぇ~。とりあえず今日も拝んでおく(*-人-*) 良い筋肉ありがとうございます。
そして再び姿見の中の自分と向き合う。姿形などは同じようだが幼い頃に負った怪我の跡や火傷の跡、あるはずの位置にほくろやニキビ跡などが無かった。生まれたての赤ちゃんのようにつるつる、ぴかぴかである。意外と悪くは無いかも知れないと気持ちを切り替え、身支度を整える。さすがにシャツ一枚では問題がありそうなのでタンスの中を調べて着る物を探した。さながらド○クエの勇者である。するとやくそうではなくワンピースが何枚か出てきた。……今更だがコレ着ても良いのかな? つか勇者って凄いな。こんな事してアイテム盗ん……手に入れても文句言われないし、よくこんな事する勇気あるわぁ~、さすが勇者。もう何も考えまい、と私は一番無難な紺のワンピースを着て化粧台にあったブラシで髪をとかし、ゴムがなかったのでリボンで髪を結んで部屋を出た。
残念イケメン・ロゼはまだ戻っていなかったので朝食の支度をするためにキッチンへ向かった。鍋の中を確認すると昨夜のスープは残っておらず、あるはずの私の食べかけも無くなっていた。どうやら残念イケメン・ロゼが綺麗に完食したようだ。残されるよりましだから良いけどね。さて、何を作ろうか……。とりあえず鍋に水を汲んで沸かしながらキッチン内を物色する。ん~~色々あるなぁ~……とりあえずプギーの塩漬け肉は売るほど手に入るからコイツの美味しい調理法を考えなくてはいけないが……まぁソレは後にしよう。ダチョウの卵のような大きな卵が目に付く。あと沢山あるのが小麦粉と芋……じゃあオムレツとパンケーキ、サラダで良いね。お湯はハーブを煮だしてお茶にしよう! 何気に食材が豊富だでメニューに困らないな。異世界生活も楽勝♪ 楽勝♪ 私は大きな卵を手に取る。するといきなり躓く事になった。メッチャ重い; そして硬い; 割れない; 困っているとロゼの作業台にハンマーがあるのを発見した。そういえばダチョウの卵ってハンマーで割るって聞いたことがある! 私は作業台からハンマーを借りてきてキッチンに戻る。卵の下に濡れた布巾を敷いて、近くにボールを用意してスタンバイOK! やったらぁ~!! と気合を入れ、狙いを定めて、ハンマーを一気に振り下ろすっっ!!!
「Σいっっっっ~~~~~~~!?!?!?」
思いっきり手の甲を打った。メッチャ痛い(*。′口`。*) おかしい、何故だ? 私はこういった男らしい作業は得意なはずなのに……。シルバークレイでジ○ニャンリング作ったり、ノミとハンマーで木の板にゼ○伝のレリーフ彫ったりしてるのに……。やはりコノ体は生前の私とは何処か違うらしい。つか何でわれねーの? (怒) 私は強い怒りと憎しみの感情を卵にぶつけるべく再びハンマーを構える
「ただいま」
そうこうしているとロゼが帰ってきてしまった。ロゼはキッチンにいる私を見つける。
「Σまった! 危ないからソレは俺が!」
キッチンに入ってきたロゼに直ぐにハンマーを取り上げられた。むぅ(-へ-
「怪我してるじゃないか! こういうのは俺に言えよ!」
説教をされてしまった。いつもとは立場が逆でちょっと居心地が悪い。そしてこんな事も出来ない自分の非力さにも腹が立つ。
「うるさいっ! 私だって好きで自分で自分の手をゴットプレスした訳じゃないゎっ!! 毎日頑張って鍛えてるから邪魔しちゃ悪いと思って声をかけなかったんだろうが! あーあーせっかく日頃のお礼も兼ねて美味しいもんご馳走してやろうと思ったのに!」
うん。……少し良い過ぎたな。卵にぶつけようとしていた怒りがあらぬ方向へ行ってしまったようだ。そしてお礼のつもりで作る料理の前にキレてしまうとか……あー、やっちまったゎ; それもこれも! 卵が割れないのが悪いっ!!
「ご、ごめん。 そうか……」
「分れば良いんだ! それと勘違いするなよ? 私も食うからな!」
謝るタイミングを逃した私は気まずくてロゼから目を逸らす。ロゼは卵を割るのを手伝ってくれるそうだ。何個割れば良い?って言って私の直ぐ隣に来る。ロゼはトレーニングの後で汗ばんでいたのに大きくて硬い卵を三つも綺麗に割ってくれた。ノミも使うのか……器用だな。ココに置くよ。と卵の入ったボールを二つ作業台に置いた。私は用意していた冷たい汗拭きタオル(柑橘の香りつき♪)をロゼの顔面に投げつけた。うぐっ。という情け無い声が聞こえた。
「……ぁ、ありがとっ! あと言い過ぎた! ごめん! それからとっとと汗拭いて着替えて来い!! 汗臭い!!!!」
そうコノ家にはどうやら風呂が無いようなのだ。暖かい湯に入るという風習自体が広く知られていないようで汗を流すのは川での水浴び一択になる。それか大きなたらいに湯を入れるとか……。私の背後で何故かロゼが笑っている気配がしたがスルースキル発動により料理続行である。さてまずはパンケーキから作ろう♪ 通常、パンケーキに必要なのは卵と小麦粉、牛乳、砂糖とベーキングパウダーが基本だろう。ホットケーキミックスがあれば便利だがココは異世界、あるはずが無い。小麦粉と卵だけでも出来なくはないが出来ればベーキングパウダーだけでも欲しい。パンが存在するのだからイースト菌くらいはあるだろう、せめて重曹や炭酸水があると良い。オムレツ用の卵を溶きながら戸棚の中を物色する。小さな箱のような物を見つけた。……書いてある文字が読めなかった。くっっそうっ! 何から何まで邪魔しやがって!!ヾ(`□´)ノイライラ
もういい!! メレンゲで作ってやる!!! ホイッパーらしき物はあるのだ! 私は別のボウルに卵の黄身を移して白身をホイッパーでしこたま泡立てた。それはもう先ほどまでの謎のイライラをぶつける様に泡立てまくった。もこもこしてきたら黄身を戻してさらに泡立てる。そこに粉を加えてふんわり混ぜて、バターらしき謎油を引いたフライパンで焼く。卵が大きいので六枚分も焼けた。……足りるだろうか? とりあえず私は一枚、ロゼの皿には三枚乗せて置く。パンケーキが焼き終わるとロゼが着替えて帰ってきた。私は少し気まずくて目を逸らす。
「手伝うよ」
私はパンケーキを焼いている間に作っていたサラダをテーブルに運ぶようにお願いした。後はオムレツである。溶き卵に謎チーズ、塩、ハーブと柑橘を少し絞りいれる。フライパンでバターのような謎油を引いて焼く。テフロンフライパンではないのと火加減が分らないので苦戦したが何とか形になった。焼きあがるとカウンター越しにこちらを伺うロゼと目が合う。ロゼは私と目が遭うと優しく笑って美味しそうだな。と言う。……私はとりあえずイケメンを拝んでおく(*-人-*)アリガタヤ 暇そうにしているロゼがキッキンに乗り込んできて朝食の乗った皿を奪われて二人で席に着く。
「「いただきます」」
残念イケメン・ロゼと向かい合ってご飯を食べる。なぁ~んか同棲しているようで居心地が悪い。考えてみれば生前の私は男性と二人きりでご飯をするような事は一度もしたことが無い。
「おいしい!」
キラキラ補正の無邪気な笑顔で言われると破壊力がある。私はその笑顔だけでお腹いっぱいになりそうだったがとりあえずイケメンを拝んでおく(*-人-*)アリガタヤ その後、自分に両手を合わせるソレは何なのか? としつこく聞かれたが黙秘を貫いた。
いかがでしたでしょうか?お口に合いましたでしょうか?
何気に二人の仲が進展しているような気がしますが、まだまだ時間が掛かりそうです。
そして書いていて気がついたのですが予定のお話までたどり着けなかった;;
だいぶ前から考えていた会話なのですが、そちらは次回になりそうです。
ご覧戴き、ありがとうございました。
またのご来店を心よりお待ち申し上げております。




