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時々、見かける少女。

作者: とだはやか

私は平凡だ。物語の起こりようが無い人生。

会社員の父親と近所のスーパーにパートに出ている母親。そして、二歳下の弟。私の家族を構成する内訳。これと言って特徴の無い家族。ベタベタしないけど、放っておかれている感じでもない。仲が悪くなる程、仲が良くなった記憶も無い。そんな家庭。物語は期待出来ない。


初恋は小学生の頃。

当時は真剣に好き見たいな感じだったけど今考えると、ただ人気のあった男の子をみんなで『好き』って言ってただけの様な気がする。手垢のついた表現だと『恋に恋する』だったんだと思う。


高校生になって二年後。

ある日、部活の先輩からイキナリ放課後呼び出された。ノコノコ行くと、案の定告白されてしまった。別に嫌いではなかったから、その場でOKサインを出した。

付き合い出して一週間後、先輩の部屋に誘われた。

正直、誘われた時点である程度は覚悟を決めていた。先輩の部屋に入ると、あまりにも解りやすくソワソワしていていたので、何だか微笑ましく思えた。なんとなくベッドに座ると、先輩の顔が野獣なった。それを見て完全に覚悟を決めた。私の上に覆いかぶさって来る野獣と化した先輩を見て滑稽で切なくなった。私は先輩に初恋以外の『初めて』をあげた。


先輩が県外の大学に進学してからは、疎遠になった。

自然消滅と言っても良いかも知れない。そのせいか、失恋したと言う実感がない。全く悲しくない。もしかしたら、先輩の事がそんなに好きではなかったかも。


私は県内の大学に進学した。

大学生になり、一人暮らしも始めてみた。一人暮らしをして解った事。男性は女性の部屋に幻想を抱き、進入したがる。

バイトもして見た。

コスプレ見たいな服装で家電量販店内のデジカメコーナーでパンフレットを配るバイト。たまに専門的な質問を受けたりもしたけど、解らなかったので、頭の悪そうな笑顔でごまかした。たいして役に立っているとは思えなくなり、辞めた。


これと言って何も無い人生。きっと昨日と明日を交換しても変わらない人生。

自分を変えたくなった。手っ取り早く変えるために私は美容院へ行った。


美容師にショートにして、色を入れて欲しいと注文した。


「えっ!もったいないよ!こんなに綺麗な髪なのに。」


私の数少ない自慢。長くツヤツヤした黒髪。毎晩毎晩、髪の手入れだけはキチンとしていた。

しかし、自分を変えたい。


美容師は私の気持ちが変わらない事を悟ったのか、肩を竦め諦めたようだ。


髪の毛にメープルショコラとか言うお菓子見たいな色が入って行く。髪の毛にハサミが入っていく度に何とも言えない不思議な感覚に包まれた。


全てが終わり、鏡の前に見た事の無い私が居た。

頭が軽い。顔が明るく見える。嬉しくなり、少し泣いた。


少しだけ自分の事が好きになれそうな気がした。


初めましての方は初めまして。

二度目の方は二度目まして。


塩煎餅ブーム到来中の、とだです。


さて、蛇足の様な後書きです。

とださんのメルヘン脳が働いた模様です。言っておきますが、実体験ではありません。


美容師やってる友達と話してたら、何となく出て来ました。


特にこれと言った意味はありません。

もちろん、タイトルに意味なんてありませんから。



豆ちしきー!

メルヘンはドイツ語ー!


それでは。

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