登場人物紹介 (〜43 賽は投げられた まで)
ヴィス・コルボー
主人公。黒髪。47歳の自称おっさん。全身黒づくめのよれよれな衣装。そして前髪を長く顔に垂らしているため、表情が全く見えない。
職業は騎士。竜族の契約者である(しかし、仮契約の可能性があるとリョクは指摘している)。趣味は人を驚かせることと、料理。面倒くさがりやだが、何だかんだ言いつつも面倒見は良い性格である。硝子の細工のような鴉の羽根の飾りを首にぶら下げて常備しており、それ以外の物への執着心はほぼ皆無である。強運の持ち主。
育て親のヘルツバールと出会ったのは幼少期で当時アルモニーと敵対する組織に入っていた。そこで暮らしていたときの記憶はあまりなく、あったとしても所々抜けている。ヘルツバールのことをじじいと呼び、会う度に悪口を言ってはいるものの、仲は悪くない様子。
顔が隠れているにも関わらず人が寄ってきたり、鞆絵やリョクから様になると言われたりするなど、謎が多い。
ヘルツバール・ラバス・ロワイヨム
赤髪黒眼。中世の貴族が着るような豪華絢爛な服装を着たイケメン。竜族の君主であるアルゲベルト・シエル・ロワイヨムの契約者であり、アルモニーの創立者でトップ。最強の契約者と目される。ヴィスの育て親。
多方面で天才的才能を発揮しており、ロワンモンドを裏で牛耳っている人物。最低でも1000歳以上と言われ、みんな彼の本当の歳を知らない。普段はニヤニヤとした表情を周囲に振りまき、何事も適当に、しかも強引に進めようとするが、ヴィスのことになると過度に干渉したがり本気になる。
ヴィスの血で創られた硝子の細工のような鴉の羽根の飾りを常備しており(ヴィスのものと同じ)、それによってヴィスのことを助けることができる(それが魔法の一種であるのかは、不明)。
精霊との契約期間を延ばすことのできる謎の能力があり、リョクによるとそれは"自然の摂理を改変する行為" らしく、彼にしかできないことらしい。
イディオファナに対しては苦手感情がある。
アルゲベルト・シエル・ロワイヨム
竜族の君主でヘルツバールと契約している幻妖。真っ赤で金色の瞳をした巨大な竜。ヘルツバールのなだめ役でもあり、また盟友として良き理解者でもある。
トモエ・マツモト(松本鞆絵)
黒髪黒眼。日本に住むごく普通の女子高校生。趣味は読書でファンタジーが好き。皆から好かれやすいが、自身は控え目な性格である。
両親が幻妖によって殺害されたときにヴィスと出会う。契約者の素質が高いためか、イギリスにあるアルモニーの本部に招待されることになり、そこで暮らし始める。ヴィスには仄かな恋心が芽生えている模様。他の人にはない独特の感性がある。
精霊であるリョクと出会い、契約をする。魔法の制御に関しては天才的であり、ソリテュードやヴィスから褒められている。
リョク
何かに悲しんでいるところをトモエと出会い、トモエと契約した精霊。男性。
精霊ならざる強大な力を持つ。自分が何者か判らず、一切の記憶を失っているため、トモエにリョクという名前を仮名付けされている(本人は嫌がっていない)。
ソリテュード・パン
赤っぽい黒髪に黒目、黒のシワシワのシャツに灰色のズボンを穿き、黒色の手袋を両手に嵌め、外見上はヴィスよりも歳上に見える男。愛称はテュー。
ヘルツバールが不在時のアルモニーのトップだが、本人は表に顔を出さない性格のため、要職以外は存在すら知らない(ちなみにヘルツバールの仕事をすべて代行するわけではない)。
ヴィスの兄貴分。楽天家で面倒くさがりや。堅苦しい形式を嫌い、愛称で呼ばれることを好む。
契約者であるらしく、ヘルツバールのことを何故か "シオン様" と呼ぶ、謎の多い存在。ヘルツバールにも対抗出来る唯一の存在であるらしいが、詳細は不明。プルプルというコウノトリを飼っている。
鞆絵を気にかけ、何かをさせようとしている。
リジニス・イロンデル
銀髪蒼眼。紳士的な態度でいつも笑みを浮かべる美男で、魚族の幻妖の契約者である。アルモニーでは珍しく水の魔法を使うことのできる契約者であり、異端者。
鞆絵の教師でソリテュードと親交が深いらしい。契約者の仕事とは別にアルモニーの表向き側面である世界的大企業の重役を務めているらしく、非常に多忙。
ルカン・メール
リジニスと契約している魚族の幻妖。
君主ではないものの、魚族の実質的支配者であるらしく、ロワンモンドの芸術に詳しい。ヘルツバールと個人的な交流がある。
レイアーナ・ペルーシュ
褐色の肌、黒髪黒目。治療師の長。青いドレスの上に白衣を羽織る、グラマラスな美女。クロードの契約者であり、彼を愛している。
契約者でありながらヴィスを嫌悪しない、珍しい人物。そのためヘルツバールから信頼されている。
クロード・グルー
紺色の髪に同色の瞳、白いロープに木で造られた杖を持った導師族の幻妖で次の君主。今は病床の君主に代わり、代理で君主の任を背負う。アベルとは親友。
レイアーナと極秘に契約をしていて、彼女を愛している。彼女と契約していることについては限られた者しか知らない。
クズハ・ヒイラギ(柊樟葉)
トモエが知り合った日本人形のような姿をした女の子。日本人。蟲族の契約者で、珍しく複数の蟲族と契約している。蟲姫という特殊な役職に就いており、普段は幻想世界に住んでいる。
ラフィヌ・シエル
アルゲベルトの妻で竜族の幻妖。包容力のある女性。
ラフィヌの種は竜族にしては珍しく、治療の魔法が使える。
エフォール・シエル
アルゲベルトとラフィヌの息子で竜族の幻妖。次代の竜族の君主の最有力候補の一匹。
軍に所属。着々と成果を上げつつある。だが年齢的にはまだ成人したばかりのひよっこである。
ヴィスのことは尊敬しており、好意的に接する。
プランナ・シエル
アルゲベルトとラフィヌの娘でエフォールの妹である竜族の幻妖。つい成人を迎えたばかりで語尾を無駄に伸ばす特徴がある。
ヴィスのことが大好きで隙あれば抱きつこうとする。
ギネフェルディーナ・シーニュ・ロワイロム
神族の君主。金髪翠眼。幻想世界での神様的存在であり、族を超えてあらゆる幻妖から慕われている。絶世の美貌を誇る。
彼女の状態が幻想世界やこちら側の世界に影響を及ぼす。現在とある時期から抜け殻状態となっており、両方の世界に影響が出ている。
彼女を手に入れることは幻想世界の覇者になることも同然であり、彼女を手に入れようと争い事が絶えない。
アベル・エーグル
ギネフェルディーナの側近で神族の実質的No.2。他族の君主と拮抗またはそれ以上の力を持つ。幻想世界の秩序を守るために編成されている神族の軍隊の最高司令官でもあり、多忙を極めている。とある国の軍服を着ている。
わざわざ弱い人間と契約しようとする幻妖たちの考えが読めず、それらには否定的である。しかし契約者を貶しているわけではない。
クロードとは幼馴染であり、親友であるが、彼が契約していることは知らない。
イディオファナ・エロン・ロワイヨム
淫魔族の君主。黒髪紅眼。狡猾な策士で非常に容姿が良い。その容姿と女性を堕とす技巧を使えば、どんな女性も堕ちると言われている。周囲には女性が絶えないとの噂。
ギネフェルディーナに執着していて、彼女を手に入れるために裏で根回ししているらしい。また、何故かヴィスにも興味がある模様。
ヘルツバールが最も苦手とする君主である。