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第十七話 森の恐怖は続く

 バシュバシュ


 また荷馬車が攻撃を受けている。攻撃をかわしたり、攻撃しながら剣士がまず荷馬車の外へ出る。その場の安全を剣士が確保してる間に魔法使い達が出て魔法で森の中や上空の魔物を攻撃する。ツバキはまだ治癒中だ。

 飛んで来るスピードが早い! どうやらあの形あの色、ツバメ…かな? 原型から離れすぎた容姿になんなんだか判別不能だけど……そんなことは言ってられない。なんだよこのトリ攻撃は! トリは剣士にとっては苦戦を強いられる。魔法使いも距離を取りづらいんで攻撃されやすい。

 なんとかほぼ雷で森にいた魔物は片付いたようだ。


 振り返るとジュジュはニタを治癒していた。ツバキはもう治ってる。

 あ、なにやってるんだ!

 すぐにリンを捕まえに行く。こっちからしか傷が見えなかったんだろう。ルートもジュジュも気づいてない。

 リンは胸を切られていた。近づくと……目のやり場に困るが、そうもいってられない。ルートは魔物運びの為に荷馬車を降りている。

「リン! 人のこと言えないだろ?」

 リンを肩に担ぐように持ち上げた。

「トオル? 下ろして、歩けるってば!」

 ジタバタするリン。嫌、そのためじゃないんだって。胸が見えない持ち方をこれしか思いつかなかっただけなんだよ。

「ルート。ニタの治療代わってくれ。リンが胸をやられた」

「ああ」

 ツバメの魔物の死骸を下に下ろして、ルートがこっちに来る。

「胸か。ふーん。それは困るな」

 と、ルートは俺たちのそばに来て何か呪文を唱える。

 まさか、今のでリンを治したのか?

 とりあえずこの状態だと確認できないので荷馬車にジタバタしてるリンを運ぶ。本当に元気あるな。

「ジュジュ頼む」

 と、ジュジュの横にリンを下ろした。あー、この体勢だと目の前にリンの…あれ? なんで? 治ったのか? いや、リン、ジタバタしてたけど顔色悪いし、血が服に染み出てる。

 俺は隣でニタの治療をはじめたルートを見た。

「大魔術師だからね、服くらいなんでもないよ」

 さらっと言ってのける大魔術師。

 おい、魔術師、いや、大魔術師! 今まで散々切られた俺たちの服をスルーしてきたな! おかげで俺の休みがなくなったのに!

 が、そんな話をしている場合じゃない。とっととツバメを移動しないと、次の魔物がきたら嫌だ。



 なんとか、終えたけれど、負傷者が増えていく。幸い怪我が軽いのとジュジュとルートがいるんで、また戦えるのが大きいな。魔術師だと次の戦闘員にはなれないから。



 そうして、また

 バシュバシュ

 の音と

 ギャー!ギャー!

 の鳴き声と共に俺たちの戦闘ははじまる。

 さすが、大魔術師、軽い傷だからだろうけど、ニタは戦線に復帰してる。ルートは次の者の治療をはじめてる。

 今度は……カラスだな。あれって本当も近くで見ると怖いんだけど。こっちはもうそのグロさを表現しきってる。嫌だな……って、空一面黒いんだけど。そして、紫の煙が湧き立ってとんでもなく、この世の終わりを教えてくれてるみたいなんだけど。

 まあ、一面にいたんで雷をくらって森の中に落ちて行ってくれたんで良かったんだけど。こっちに飛んできたのはやるしかない。デカイ! デカイ! ツバメやスズメが可愛らしく思えてきた。



 はあー。カラスの魔物の怖さのあまりに斬鉄切りを繰り出してたみたいだ。体が痛い。その後の魔物運びがさらに俺を痛めつける。

 ルートは治療に専念している。ジュジュもリン治癒が終わって、別の人を治している。


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